映画『BAD LANDS バッド・ランズ』完成披露試写会が都内で行なわれ、主演を務める安藤サクラ、共演者の山田涼介(Hey!Say!JUMP)、宇崎竜童、生瀬勝久、吉原光夫、天童よしみ、サリngROCKとメガホンを取った原田眞人監督が登場してクロストークを繰り広げた。
初めにキャスト陣が、客席に作られたレッドカーペットを歩きながら登場。登壇者たちが客席に向けて気さくに手を振り、客席から大きな拍手と歓声が上がった。
本作は直木賞作家の黒川博行の小説『勁草(けいそう)』を実写映画化したクライム・サスペンス。特殊詐欺に加担するネリ(安藤)と弟・ジョー(山田)が ある夜、思いがけない億越えの大金を手にしてしまう。そんな2人にさまざまな巨悪が迫ってくるというストーリー。
主人公のネリを演じた安藤は「今日1日ずっと山ちゃん(山田)と作品について取材を受けていて、インタビューを受けながら、『なんて素敵な現場だったんだろう』とつくづくと思いました」としみじみと話し、「原田監督、素敵な作品に出合わせていただいて、本当にありがとうございます」と監督に感謝を伝えた。
ネリの弟・ジョー役を務めた山田は「毎日が刺激的な現場でした」と撮影を振り返った。
安藤は山田との共演について「最初に山田くんとご一緒できると聞いて、すごく楽しみでした」と話す。安藤は「ジョーのなんと魅力的なことでしょう。きっと自分も知らない自分のお芝居に出合えるんじゃないかなという期待がありました」と話す。
また、安藤はネリという人物について「主人公なのに印象の薄い人。作品を観終わった後に彼女の存在が残るようなものに出来たらいいな……。と思いながら演じていました」と語る。
山田は「安藤さんと一緒にお芝居ができる現場、そんな楽しい現場ないだろうと思いました。超いい人です!」と笑顔で印象を伝える。「へんに飾ることもなく、いつもご自分のペースで……。原田監督が安藤さんといると、“安藤さんの空気感になる”というくらい、朗らかな空気が流れます。安藤ワールドみたいなものがあるんです」とコメントした。さらに、「ジョーは自分のことを『サイコパス』と言ってますが、僕はアホなやつだと思っていて……(笑)。どこか憎めない愛くるしい弟像を出したかった。安藤さんに引っ張っていただきながら演じました」と役作りについて話した。
山田と安藤は2人で「(芝居)楽しかったね」と微笑みあった。2人の魅力的なバディぶりに注目。
また、原田監督と今作で初タッグを組んだ安藤は、「緻密に描かれていて、この世界の役柄と私自身の要素を、原田監督がすごく軽やかにつなげてくださったので、(芝居が)難しいなと思いながらも楽しく演じることができました」と話した。
ネリのことを幼い頃からよく知る元ヤクザ・曼荼羅(まんだら)役の宇崎は「安藤さんも山田さんもいつも元気で、僕は元気をもらっていました。山田さんと一緒に走るシーンがあって、山田さんがものすごく速くて大変だったんです。僕とは47歳違います。年寄りに対しての忖度がまったくない(苦笑)」と弱音を吐露し、会場に笑いを誘った。山田はすぐに「すみませんでした!」と謝っていた。
原田監督作品に初参加となった特殊詐欺の名簿屋・高城政司役を演じた生瀬は、安藤の現場エピソードを語る。「読み合わせのときに監督から非常に厳しい言葉をかまされ、“えらいところに来たな~”と思っていたら。休憩時間に安藤さんが『うギャー』と奇声を発しているのを聞いたんですよ。カオスだった。そのときに、『終わったな』と思いました」と仰天エピソードを披露し、会場に笑いを誘った。あとから安藤から発声やリラックスのためにすることを聞いた生瀬は「先に言ってよ(笑)。撮影は本当に楽しくて。こんなかっこいい作品に出られてとても幸せです」とコメントした。
刑事・佐竹役務めた吉原は、原田監督とは3度目のコラボとなる。関西弁のセリフに苦労したことを明かした。
新井ママ役を務めた天童は「かわいいイメージの私が、とんでもない悪役をやらせていただきました。ネリを追い詰める役です」とちょっとぼやき節。
謎多き女・林田役を務めたサリngROCKは「普段は関西で『突劇金魚』という名前のコンビで演劇をやっています。こんなところに立たせてもらえる人生になるなんて……」と映画初出演に喜びが溢れる。
イベントでは、本作の「姉弟が向かう先は、天国か地獄か」というキャッチコピーにちなみ、「天国な瞬間、または地獄な瞬間は?」という質問が振られた。
寒い時期の撮影(2年程前)で、本作の撮影中に、記録的な大雪が降ったのだそう。雪をCGで消したシーンもあるという。安藤は「こんな大雪をなかなか見る機会ないなと思って、ワンカットだけ大雪の中で撮っていただいたシーンがあります。あのシーンが撮れたのは天国かな」振り返る。楽しみなシーンとなっている。
山田は、過去に出演した原田監督の「燃えよ剣」を挙げ、「そのときに使った池田屋のセットと同じ場所で『懐かしい感じがする』というセリフを言えたのは、監督の遊び心と愛を感じたシーンの1つです。あのセリフをあの場所で言えたのは天国でした」と感謝を込めた。
最後に安藤は心を込めて、「原田監督が描く、このいろいろな味わいのあるエンターテインメントを、たくさんの方に観ていただきたいです。何より、皆さまの役柄の生きざまをより多くの方に届けたいと思います」とメッセージを伝えた。
登壇者:安藤サクラ、山田涼介、宇崎竜童、生瀬勝久、吉原光夫、天童よしみ、サリngROCK、原田眞人監督
(取材・文・写真:福住佐知子)
公開表記
配給:東映/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
9月29日(金) 全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)