イベント・舞台挨拶

映画『唄う六人の女』南丹市プレミア先行上映会トークセッション

©2023「唄う六人の女」製作委員会

 竹野内豊と山田孝之がW主演を務め、2022年春(5~6月)に京都府南丹市美山町の芦生の森にて撮影が行われた映画『唄う六人の女』が10月27日(金)より全国で公開される。

 そんな本作の公開に先立ち、撮影地になった南丹市で全国初のプレミア先行上映会「ONE NANTAN CINEMA FESTA ―今夜、森の中で、まちとひとが一つになる―」が、9月16日(土)、「るり渓 高原(るり渓温泉 ポテポテ広場)」で開催された。

 南丹市が誇る豊かな自然の魅力を体感しながら映画を鑑賞できる野外上映イベントの上映前に、石橋義正監督、主演の山田孝之、出演者のアオイヤマダ、武田玲奈、桃果、任意団体芦生タカラの森・代表の鹿取悦子氏が登壇し、トークセッションを行った。

 まずは、監督に、南丹市美山町の原生林を撮影場所に選んだ理由を尋ねると、「全国の森を回りましたが、原生林で感じたことをそのまま伝えるには、原生林の中で感じた演技や感情が画面に出てきて初めて伝わると思ったからです」と原生林での撮影への思いを明かした。そんな原生林の魅力を聞かれた山田は「気持ちよかったです」と言い、「僕が演じた役はひどいことも言いましたが、素敵な環境で撮影させていただいた」と自然への感謝の思いを述べていた。

 また、アオイは「私は原生林には入っていませんが、ここは本当に東京と空気が違う。美山での撮影の時に、鮎がたくさん獲れると聞いたので鮎の佃煮を買って、夫に作ったお弁当がこちらです(笑)」と、自身が着用している、鮎の佃煮が入ったお弁当の写真がプリントされたワンピースを披露すると観客からは拍手が起こり、登壇者からも驚きの声が上がっていた。

 武田も「こんなに緑って深いんだと感じましたし、都会では感じられない自然の大きさを感じました」、撮影時に原生林に入れなかったという桃果も「(原生林に)入りたかった。自然の中に入ると空気が良くて癒されます」と口々に自然への思いを語っていた。

 そして、本作に特別な許可を出した経緯について鹿取氏は、「映画のストーリーが自然を守るということだったので許可を出したと伺っています」と話した。

 それを受けて監督は、「自然とどう生きていくかがテーマ」と言い、「僕は、人間は何のために生きてきたのかずっと考えていて、その気持ちをこの映画にぶつけた。人間は生きていくとどうしても環境破壊をしてしまう。でも、未来は自分たちの生き方によって変わっていく。前向きに皆で考えていくべきだという思いをこの映画にしました」と映画の成り立ちについて熱い思いを述べた。

 さらに、山田のキャスティングについて監督は、「12年前の『ミロクローゼ』の時に一人三役で、アクションも殺陣もあってと無理難題を言いましたが、フル・パワーでやってくださって。この映画もファンタジックだけど、役者の演技でリアリティを出さなければいけないと思ったので、山田さんにお願いしました。素晴らしいパフォーマンスを見せてくださった」と山田を絶賛。また、6人の女のキャスティングについては、「この人のことが頭から離れないというような魅力がある方にお願いしました」と明かした。

 監督のオファーを受けた山田は脚本を読んで「面白い。忘れてしまいがちな深いメッセージがあって」と感じたそうだが、役を演じることは「すごく憂鬱だった」と言う。「気持ちを入れて役になって台詞を出して、その瞬間に誕生したような気になるんですが、今回はこの人にはなりたくないと思って。でも、全力でやらないと伝わらないと思った。憂鬱ではありましたが、ちゃんと仕事したと思います(笑)」と振り返った。

 個性溢れる6人の女を演じたアオイは、「石橋さんが映画を撮るなら、ぜひ出させてください!と思っていました。どんな尖った作品を作るんだろうとワクワクしていました。完成した作品を観ると、人生のテーマが詰まっていて、石橋監督の作品なのに違う人が作ったような感覚でした」と語り、武田は「自然があるところで育ったので、自然の中での撮影を楽しみにしていました。脚本を読んだ時はどんな感じの役になるのかつかみきれなくて不安もありましたが、自然もパワーになりました」と自然が助けになったそう。

 桃果は「女性6人全員台詞がないのでどんなふうになるんだろう?と思っていましたが、台詞がないことを忘れるぐらい面白く、素敵に出来上がっていました。私が演じた役は感情があるのかないのか分からなかったんですが、監督に“見つめていてほしい”と言われたので、子どもの頃の気持ちに戻って、いろいろなことを読み取らずにその場で起きたことを感じ取ってただ見つめていました」と撮影を振り返った。

 ここ南丹市での撮影の思い出を尋ねると監督は、「撮影が終わって美山の景色を見ながら、滅多に飲まない日本酒を飲みながらゆっくりできたのは貴重な時間だったと思います」と振り返り、山田は「鮎ですね。宿の横の川で獲った鮎を宿で食べさせてもらいました。水が綺麗なので味が全然違って美味しかったです」と嬉しそうに話した。

 最後にアオイは「自然と人間を分けるのではなく思いやりがあればいい方向に向かうと思います」、武田は「こんなに素晴らしいところで観ていただけるのが嬉しいです。全身でこの映画を体感してほしいです」、桃果は「改めて自然の大切さを感じてほしいです」、山田は「自然への思いを再認識しなきゃいけないと思って作りました。まずは観ていただきたい。人間の役割を考えるきっかけになる映画になれば」、監督は「今日が初めての上映会。難しいことを言ったかもしれませんが、素直に楽しんでもらえたら嬉しいです」と作品をPRした。

 また、会場では京都の香老舗、松栄堂と映画がコラボし山田孝之がセレクトした香りを使用した香り袋と、ライフログSNS、「PAZR」とコラボした森林保護チャリティーも実施した。京都の香老舗、松栄堂とコラボした香り袋を来場者に配布。こちらには主演の竹野内豊、山田孝之よりメッセージが送られた。会場限定の施策として香木を炊き、会場全体が映画をイメージした森の香りに包まれた。

 登壇者:石橋義正監督、山田孝之、アオイヤマダ、武田玲奈、桃果、鹿取悦子(任意団体芦生タカラの森・代表)

 またライフログSNS、「PAZR」との施策として、本作のテーマでもある自然との共生のため、撮影地芦生の森に寄付される森林保護チャリティーを実施した。またこちらは本日より来場できなかった方向けにも配布される。
 ピースを取得するだけでチャリティーに参加でき、その体験証明としてデジタルデータで残すことのできる施策。https://pazr.jp/present/utau6(外部サイト)⇒こちらにアクセスのうえアカウント登録後にピース取得していただくだけで、「芦生タカラの森」にNUNW株式会社より100円が寄付されます。
  ※ 登録、ピースの取得はすべて無料です。

『唄う六人の女』公開表記

 配給:ナカチカピクチャーズ/パルコ
 10月27日(金)、TOHOシネマズ日比谷他、全国ロードショー

(オフィシャル素材提供)

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