「月刊アフタヌーン」で2011年に連載された漫画家・今井哲也による傑作SFジュブナイルコミックをアニメーション映画化した『ぼくらのよあけ』がついに劇場公開! 初日翌日となる10月22日(土)には都内劇場で公開記念舞台挨拶が行われ、沢渡悠真役の杉咲 花と黒川智之監督、さらにスペシャルゲストとして宇宙飛行士・毛利衛が登壇した。
日本公開に先んじて、第55回シッチェス・カタロニア国際映画祭で上映。現地でのその盛り上がりの様子を捉えた映像がスクリーンに投影された。海を越えた作品の広がりに黒川監督は「夢のようです!」と感無量。現地にビデオレターを寄せた杉咲も「映像の美しさや感動する気持ちなど、この映画から私たちが受け取る思いやパワーを共有できたようで嬉しいです」と喜んだ。
毛利氏といえば、1992年と2000年にスペースシャトルのエンデバーに搭乗し、NASA宇宙飛行士として地球観測を遂行したことで知られるレジェンド。毛利氏は「宇宙に行くたび毎回宇宙人に会いたいと思うけれど、宇宙飛行士の誰も宇宙人には会っていないはずです。でも悠真君は会ったんですよね? 羨ましいです」とユーモア交じりに挨拶した。
本作を観た観客から事前に寄せられた質問に答える企画も実施。どんな宇宙の景色を誰と見たいかとの質問には「母親と太陽に照らされた地球を見てみたい」と杉咲が答えると、黒川監督も「連れて行けるだけ友達を連れて行き、壮大な景色を見ながらバカ話をしたい」と妄想した。実体験をもとに宇宙から見た地球をみんなに見せたいと思った毛利は、日本科学未来館に約200万分の1のデジタル地球模型ジオ・コスモスの展示を作成したという。「お二人ともお母さんとお友達を連れてぜひお越しくださいね」とPR。杉咲は「行かせていただきます!」と目を輝かせていた。
また実際に食べてみたい宇宙食について調べたという杉咲は「宇宙食を調べてみたら切り餅があるみたいで、どんなふうに食べるのかな?」と興味津々。これに毛利氏は「宇宙酔いをしたときに私もお餅を食べたことがあります。冷凍乾燥したものを水で戻すと、つきたてのお餅のようになる。宇宙酔いをすると食べ物が喉に入らないので、ツルツルと喉を通って食べることができて助かりました。切り餅もきっとそのようなものだと思います」と豆知識を披露した。そのエピソードを聞いた杉咲は「食べ馴染みのあるものだとホッとするのかもしれませんね」と感心していた。
一方、黒川監督が「宇宙という神秘的環境で、あえておにぎりやみそ汁などのシンプルなものを食べたい」と言うと、毛利氏は「現在は種子島からロケットを打ち上げることできるので、おにぎりも新鮮なものが食べられます。種類によっては炊き立てのごはんと梅干を使って宇宙でおにぎりを作ることも可能です」と宇宙食の進化を解説した。
毛利氏との対面という貴重な機会に杉咲も「記憶に残っている宇宙の景色は何ですか?」と質問。毛利氏は「最初に地球を見たときの景色ですね。足元のほうにあるものだと思ったら、上のほうから青い地球が出てきたときはビックリしました。漆黒の宇宙と青々と輝く地球の対比。それが美しくて今でも記憶に残っています」と体験者ならではのエピソードを披露した。
黒川監督が「地球は大きいと思いましたか? それとも小さいと思いましたか?」などと質問すると、毛利氏は「最初は大きいと思ったけれど、地球を一周するのに90分しかかからなかった。そんな球体の上にすべての生物がいるのかと思ったら小さく見えた。大きいし小さい。そう思いました」と宇宙ならではの不思議な感覚を口にしていた。
またストーリーにちなんで「大変だったミッション」を聞かれた杉咲は「撮影で地方に行こうと新幹線に乗っていたら、大雨で6時間止まってしまいました。その間にコンビニに行ける時間があって、ホームに行くのには横に止まっている新幹線を渡らなければならず、なかなかできない経験をしました」とハプニングを報告。結局その日は復旧せず「そのまま東京に引き返して翌日に飛行機で現場に行くことになりました。私は現場に辿りつけないのではないか?と思ったのが最近の私のミッションでした」と振り返った。
宇宙トークに花を咲かせた舞台挨拶もあっという間に終了のお時間。最後に主演の杉咲は「私は歩み寄る大切さを教えてくれるこの映画のラスト・シーンが大好きです。それは対人関係を築き上げる際にも大事なヒントであり、心に響くメッセージだと思います。美しくスペクタクルなこの作品にワクワクして、ささやかな勇気をもらっていただきたいです」と観客にアピールしていた。
登壇者:杉咲 花、黒川智之監督、毛利 衛(宇宙飛行士)
(オフィシャル素材提供)
公開表記
配給:ギャガ/エイベックス・ピクチャーズ
全国劇場にて絶賛公開中!