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「東京ドキュメンタリー映画祭2023」ラインアップ解禁!

提供:東京ドキュメンタリー映画祭

 6回目となる東京ドキュメンタリー映画祭が2023年12月9日(土)~12月22日(金)まで新宿K’s cinemaにて開催されることが決定した。今年も「短編」「長編」「人類学・民俗映像」の各コンペティション部門の厳選された作品のほか、舞踏の世界や、90年代沖縄の伝説のお笑いコンビ『ファニーズ』、2016年に逝去した歌手「りりィ」の生前のライブを記録した『リリィ 私は泣いてます』の特別上映など、2週間にわたり多彩なドキュメンタリー映画の上映を行う。

 なお、本年8月、前プログラムディレクターが辞任した問題を受け、本年の映画祭の開催については一旦白紙とし、現行スタッフ間で討議し、劇場や後援団体とも協議を重ねてきたが、既に応募作品を預かっており、公的助成を得ているなど、社会的な責務が発生していること、現在のメンバーに新たな問題行為は認められなかったことから、劇場・後援団体の承認を得て、開催を決定することとした。

 改めて運営指針を定めたほか、映画祭初日 (12/9)に、韓国での#Me too運動のその後を記録したドキュメンタリー映画『アフター・ミー・トゥー』の上映と「誰もが安全・安心して参加できる映画の現場」をテーマにしたトークセッションを行い、人間の尊厳を守り、ハラスメントを看過しない映画の現場の運営を考える機会を設ける。

東京ドキュメンタリー映画祭 運営指針

 ドキュメンタリーは事実の記録がベースであり、森羅万象のあらゆる問題を描き得る表現です。そしてドキュメンタリー映画祭は、作家による現実のさまざまな描写を通して、この社会を考える機会となる役割を持っている、と私たちは考えています。
 しかしながら、ドキュメンタリーは社会的に繊細な題材を扱うことも多く、映画祭の実施・運営にあたっては、作品の選定を含め、人間の尊厳や社会的公正に慎重な考慮が求められることを、当然の姿勢として考えます。私たちは、出品作家、観客、スタッフの誰もが安心し安全に参加できる映画祭を実現するため、以下の指針を定め、運営しています。

1:あらゆる暴力、ハラスメント行為の禁止
 私たちは、暴言や暴力、性的関係の強要、知識・経験の差や権力勾配を利用した精神的抑圧を含む、あらゆるハラスメントを持ち込まない。

2:差別の禁止
 私たちは、国籍や性別、役職、経験、年齢、ジェンダー、宗教、障がいなどを理由にした差別を行わない。

3:他者の尊厳の尊重と、民主的な議論
 私たちは、他者の尊厳を踏みにじることも、自身の尊厳を犠牲にすることもしない、合議による運営を重視する。

4:慣習のアップデート
 私たちは、自分たちの持つ立場を濫用したり、権力的に利用したりせず、伝統や慣習、社会の動きを日々見つめ、改めるべきところは改める姿勢を持ち続ける。

5:再発の防止と振り返り
 私たちは、自分たちが過ちやミスを犯した時にはそれを認め、至らぬことを正すことを恐れず、再発防止のための学びや振り返りを忘れずに運営する。

 東京ドキュメンタリー映画祭(佐藤寛朗、澤山恵次、津留崎麻子、若林 良、吉田悠樹彦、田淵絵美、井河澤智子、竹田史佳)

佐藤寛朗(映画祭プログラムディレクター)コメント

 今年の映画祭の開催は、開催休止や組織の解散も議論される中で、映画祭の果たせる責任とは何か、現行スタッフ(佐藤寛朗、澤山恵次、津留崎麻子、若林 良、吉田悠樹彦、田淵絵美、井河澤智子、竹田史佳)一同熟孝したうえの決断でした。社会の規範が時代によって変わるように、ドキュメンタリーの制作や映画祭の運営においても、取材対象者、スタッフ、観客など“他者の尊厳”への感覚を日々アップデートする必要があると考えます。なぜならドキュメンタリーとは、どんな人間であれ社会であれ、取材対象をまなざす限りは「その人(事態)をどう捉えるか」という、まなざす側の倫理が問われることが前提の表現だからです。今夏問われたことの反省を踏まえながら、「社会を考える場作り」としてのドキュメンタリー映画祭を、一歩歩ませていただければと考えています。

プログラム一覧

長編部門コンペティション

『香港時代革命』

 監督:佐藤充則、平野愛/2022年/117分/日本

 2019年、香港では自由と民主化を求める大規模な抗議デモが勃発。警察の暴力に抵抗するデモ隊を、市民や学生の立場で支持し、撮影する人々がいた。しかし破壊行為への反感から政府支持の市民も現れ、デモは行き詰まる。分断の進む中、もがきながら記録を続けるトラック運転手や学生記者に密着し、激動の香港に生きる人々の姿を見つめる。

『KAKERUカケル~舞台の裏の物語~』

 監督:ダニエル・ロペス/2021年/79分/日本

 沖縄在住のドイツ人クラウス・フランケは、ドイツと沖縄の文化の懸け橋となるべく、ライン川を巡る音楽・演劇の舞台公演を企画する。だが資金調達は難航、100名を超える出演者の練習の士気は高まらない。精神的にも限界まで追い込まれる中、彼は次々振りかかる試練をどう乗り越えていくのか? 果たして公演は、無事開催できるのか?

『メディアが伝えなかった復興物語 ~水産加工業10年の軌跡~』

 監督:田中敦子/2011年~2023年/120分

 東日本大震災で被害を受けた宮城、岩手の中小水産加工業5社の復興過程を、経営者の視点から長期にわたって記録した作品。この10年は、再建に向けた奮闘のなか、不漁、労働力不足などの問題や、資材費の高騰、行政の助成の方針、またコロナ禍の影響等に振り回される日々でもあった。一筋縄ではいかない「復興」から見える、この国の未来とは?

『いっしょ家』

 監督:宮下浩平/2023年/99分/日本

 福井県越前市にあるデイサービス「いっしょ家」では、発達に特性のある子どもやお年寄り、障がいのある人などが集い、スタッフと共にひとつ屋根の下で過ごしている。それぞれが思い思いの時を過ごす「いっしょ家」の日常を観察的にとらえながらインタビューを交え、この“共生の空間”が入所者に果たすそれぞれの意味や想いに迫っていく。

『見えるものと見えないもの ‐画家 大﨑真理子のみた風景‐』

 監督:筒井勝彦/2023年/69分/日本

 2018年に23歳で夭折した画家・大﨑真理子。大学在学中に京都市長賞を受賞し、今後の活躍が期待されるなか、不慮の事故でこの世を去った。寡作ながら、確かなものを求めて手を動かし続けた彼女の足跡と創作姿勢を、生前の映像や関係者のインタビューを交えながらていねいに紐解き、一人の表現者の生きた証がスクリーン上に蘇る。

『奇妙な外国語、フランス語』

 監督:ニシノマドカ/2023年/83分/フランス

 パリ第8大学の授業「フランス語講座」に監督のカメラが密着する。シリアやスーダン、アフガニスタンなど、自国で学業を続けることが困難な学生たちが、個性的な二人の教師に見守られ、複雑な言葉の理解のみならず、フランスで幸せに生きていくための心構えやユーモア、エスプリなどを学んでいく様子が生き生きと描かれる。

『ロマンチック金銭感覚』

 監督:緑茶麻悠、佐伯龍蔵/2022年/120分/日本

 監督二人が出演し、自らの生活状況を交えながら、「お金」の価値やそれに伴う人同士のつながりへの考察を深めてゆく、フィクション混じりのユニークなドキュメンタリー。緑豊かな京都の里山で、作家ミヒャエル・エンデの提唱したエイジング・マネー(自然に還るお金)を実践する人々の刺激的な言葉が、“価値の常識”に揺さぶりをかけてゆく。

長編+短編部門コンペティション

南西諸島の基地問題

 自衛隊基地の問題や、防衛施設の建設が進められようとする南西諸島の状況は、本土ではあまり報じられない。2023年3月の自衛隊基地の開設や迎撃ミサイル配備を記録した『ドキュメント石垣島』。米軍訓練施設の建設が予定される鹿児島県馬毛島に隣接する種子島での政府説明と住民運動を記録した『島を守る』。二つの映像レポートから、この国の民主主義を問う。

『ドキュメント石垣島 2023年3月 陸自ミサイル基地開設の瞬間』

 監督:湯本雅典/2023年/20分/日本

『島を守る chapter1 波紋』
 監督:川村貴志/2022年/65分/日本

生活と環境

 キッチンカーで焼き鳥丼屋を営む男性が、車をソーラーカーに改造し、かつて原発反対運動を共にした福島の仲間を訪ねる珍道中『ドライブ・マイ・ソーラーキッチンカー』。「ごみリサイクル日本一」で知られる鹿児島県大崎町の分別の実際に密着し、地方の抱える問題をあぶり出す『大崎から』。 日々の暮らしの記録から“エコ”とは何かを問う2作。

『ドライブ・マイ・ソーラーキッチンカー』
 監督:太田信吾/2022年/20分/日本

『大崎から』

 監督:平田雄己、小池悠補/2023年/66分/日本

自然との共生

 知られざるイワナの世界と、固有種が失われつつある問題を、美しい映像と多角的なインタビューで掘り下げる『ミルクの中のイワナ』。千葉県房総半島で大きな問題となっている害獣キョンの命と向き合い、行動する猟師たちを描いた『命の再燃 房総の山にキョンは鳴く』。人間と自然との、これからの関わり方のヒントを提示する2作品。

『命の再燃 房総の山にキョンは鳴く』
 監督:櫻井昂希/2023年/35分/日本

『ミルクの中のイワナ』

 監督:坂本麻人/2023年/66分/日本

アイデンティティの揺らぎ

 『娘より、父へ』は、著名な映像作家の父を亡くした19歳の監督が、父への思いと自分の決意を多彩なモノローグと映像で表現。『彼女の生き方 – Living and Being Alive』は、大学4年生の従妹が、和歌山の梅農家をはじめ、日本各地を転々としながら“自分”を発見する過程に伴走。令和を生きる若者の“自分探し”が鮮やかに浮かび上がる。

『娘より、父へ』
 監督:=龍村仁美/2023年/17分/日本

『彼女の生き方 – Living and Being Alive』

 監督:田中千里/2023年/70分/日本

“まちの記録”をつむぐ

 60年代から80年代を中心に松本市で撮影された8mmフィルムを広く公募し、多世代の市民や学生、地元アーティストと協働し上映する様子を描いた地域映画『まつもと日和』。福岡県の商店街の一角で一度は手放した「活版印刷」を取り戻し、かつての職人技を今に伝える『KUMU 日々を組む』。古きものを未来へと繋ぐ、温故知新の2作品。

『KUMU 日々を組む』
 監督:児玉公広、田村さえ/2023年/23分/日本

『まつもと日和』

 監督:三好大輔/2023年/74分/日本

短編部門コンペティション

戦争の「声なき声」

 “海軍の街”佐世保の空襲で被災した祖父の話を起点に、現在の市民感情を掘り下げる『祖父の空襲体験』。原爆死した息子に対する母の慟哭を、女優・紺野美沙子が朗読する『星は見ている』。広島市内に今も点在する“被爆樹木”の面倒をみる樹木医を追った『広島の被爆樹木の声を聴く』。「戦争を語り継ぐこと」の現在地を知る3本。

『祖父の空襲体験~戦争と平和を考える旅~』
 監督:木村優里/2022年/20分/日本

『星は見ている』
 監督:小川 典/2022年/38分/日本

『広島の被爆樹木の声を聴く』

 監督:山本和宏/2023年/49分/日本

障がいと共にある暮らし

 発達障がいを抱えながら、馬を飼うことが生きがいのイギリス人女性を描く『田舎娘』。15年前、知的障がい者の男性が警察に取り押さえられて亡くなったことの意味を問う『いつもの帰り道で 安永健太さんの死が問いかけるもの』。母となったデフカーリング選手の決意と家族の支えを描く『ダブル・ロール』。誰もが共生できる社会のありかた、その状況を問う3作品。


『田舎娘』
 監督:エレン・イバンス/2022年/15分/イギリス

『いつもの帰り道で 安永健太さんの死が問いかけるもの』
 監督:今井友樹/2022年/30分/日本

『ダブル・ロール』

 監督:川西 薫/2022年/43分/日本

現代の家

 人間の生活を繋げる「家」とは何を示しているのだろうか。東日本大震災で被災した石巻の家に宿る記憶を辿る『家は生きていく』。シェアハウスで共同生活を営む少年と彼を見守る同居人たちの目線『家族の間取り』。「家庭」を築く制度を、建築基準法や同性婚、家族制度の目線で検証する『繁殖する庭』。「家」「家族」「家庭」にまつわる3作品。

『家は生きていく』
 監督:松井 至/2023年/15分/日本

『家族の間取り』
 監督:ジョイス・ラム/2023年/21分/日本

『繁殖する庭』

 監督:繁殖する庭プロジェクト(小宮りさ麻吏奈+鈴木千尋)/2023年/59分/日本

エスニシティを超えて

 パンデミックの時代、日韓の女性4人がアバターで連帯し、ジェンダーの問題などを語り合う『瞬間移動』。台湾の港町・基隆で息づく在台コリアンの女性を描く『岸を離れた船』。サンノゼのベトナム人街の家に置かれた固定カメラが、アメリカ社会を照射する『アンラックの家』。歴史や社会を越境し、躍動するアジアの監督たち。

『瞬間移動』

 監督:ナム・アルム、丹沢千文、苗加奈那、クォン・オヨン/2022年/22分/日本、韓国

『岸を離れた船』
 監督:黄威勝、許鴻財/2022年/30分/台湾

『アンラックの家』
 監督:山崎春蘭/2023年/45分/日本

カメラがたどる記憶

 かつて世話になった人々に、自らの「これまで」と「本当の私」をカミングアウトする男性の旅に密着した『カミングアウトジャーニー』。奈良県斑鳩で20年間、共に暮らした人々との交流を、僧侶でもある監督がみつめた『肩を寄せあって』。変わるものも、変わらぬものもある時の流れと、そこに在ったかつての「自分」をみつめた2本。

『カミングアウトジャーニー』
 監督:山後勝英/2022年/52分/日本

『肩を寄せあって』

 監督:横田丈実/2023年/52分/日本

音とリズム

 技能五輪全国大会に出場する技術者たちの見事な腕さばきを捉えた『産業革命史』。パンクバンドと売れっ子ピアニストをそれぞれに追う『オール・ザ・グレース』。大阪万博から半世紀を経て、ある大学で蘇ったバシェの音響彫刻の再演『音と形 -Sound and Structure-』。三者三様の心地よい音とリズムが、スクリーンの上で跳躍する。

『産業革命史』
 監督:岩田隼之介/2022年/11分/日本

『音と形 -Sound and Structure-』
 監督:柴田 誠/2023年/52分/日本

『オール・ザ・グレース』

 監督:ジュリアン・ビアバン・レヴィ/2023年/53分/フランス

人類学・民俗映像部門コンペティション

人類学・民俗映像1

 ロシアの少数民族チュクチを、異なるアプローチから描いた2作品。海獣の狩猟を生業とし、自然との共生や食を通した彼らの生と死の循環を、シャーマンの儀礼音楽をバックに強い画でみせる『ピブロクト』。ツンドラの伝統的生活を離れることによるアイデンティティの喪失や高自殺率の問題を、ある男とその家族の劇的なシーンで描き出す『ディタッチド』。

『ピブロクト』

 監督:アナスタシア・シュビーナ、ティモフェイ・グリニン/2023年/38分/ロシア、アメリカ

『ディタッチド』
 監督:ウラジーミル・クリボフ/2022年/64分/ロシア

人類学・民俗映像2

 アフリカとオセアニアの精神世界に迫る2作品。ベナンの精霊ヴォドゥンに対する人々の祈りと生活を記録した『ケノウ村の祭祀』では、精霊と少女の結婚や、霊が宿る人形と婚姻関係を結ぶ男性、災厄を避ける祈りなどを描く。『ナマラリ』は、伝統的な洞窟壁画で知られる西オーストラリアのアーティスト、ドニー・ウーラグッジャの活動を20年にわたって記録する。

『ナマラリ』
 監督:ティム・ママリー/2021年/52分/オーストラリア

『ケノウ村の祭祀』

 監督:ニーク・ニコラス/2023年/67分/オランダ

人類学・民俗映像3

 中国東北部で撮影された、シャーマンによる憑依儀礼。霊的体質の女性に向かって、霊的存在が何者かを探りながら何時間も対峙するシャーマンの儀式は圧巻。シャーマンの歌う神歌の旋律や歌詞から、この土地の民間信仰の力強さを実感できる。儀礼の始まりから終わりまでを記録した驚嘆の2時間半。

『神霊の召喚』

 監督:チョン・ウー/2022年/148分/中国

人類学・民俗映像4

 ポルトガルの民族音楽学者マーゴット・ディアスがモザンビークで行ったフィールド・ワークの資料を元に、監督が現地を再訪。残された資料からマーゴットの経験を再構成し追想することで、過去・現在・未来を繋ぐ映像人類学の価値や意義が示唆される。監督・マーゴット・モザンビークの人々の、視線や思いが重なり合う1作。

『マーゴット』

 監督:カタリーナ・アウヴェス・コスタ/2022年/72分/ポルトガル

人類学・民俗映像5

 「アイヌ語」の伝承活動に取り組む和人・関根健司の半生を紹介する『ラメトッコㇿ ヤン』。彼とアイヌの妻の間に生まれた娘・摩耶のアイデンティティと葛藤を描く『ハッピー・アイヌ』。太古から現代までに生まれた「文様」の多様な世界を追う『フィシスの波文』。人間の生み出した文化の「継承」をテーマにした3作品。

『ラメトッコㇿ ヤン』
 監督:山田裕一郎/2019年/10分/日本

『ハッピー・アイヌ』
 監督:山田裕一郎/2020年/10分/日本

『フィシスの波文』 ※特別先行上映

© SASSO CO., LTD.

 監督:茂木綾子/2023年/85分/日本
 

人類学・民俗映像6

 時代の流れのなかに消えつつある盆習俗を、広島市内の寺を実家とする監督が同郷人ならではの視点で30年かけて記録した『あさがお灯籠』。愛知県の四十九日の弔いの習俗に親密な距離からカメラを向け、ささやかだが重要な瞬間を逃すことなく切り取った『さきわう家』。各地の特色ある仏教民俗を捉えた2作品。

『さきわう家』

 監督:加藤優季/2023年/26分/日本

『あさがお灯籠』
 監督:青原さとし/2021年/70分/日本

特別上映

 12/13(水) 16:35
 12/18(月) 16:40

特別上映1 舞踏の世界

 舞踏を記録した映画の小特集。2021年にも上映されたダンスユニットが、地中海のマルタ島を舞台に踊る『後背・地』。万城目純による《PERFORMATIVE LYFE》シリーズの最新作『鳩の沐浴 Ablutions』。2006年の「大野一雄100歳の日」の様子や、その前年のジョナス・メカスと監督のヴィルジニ−・マルシャンの日本の旅を描いた『てんかん症のオペラ舞踏』の3本を上映。

『後背・地』
 監督:ヘイケ・セルザー&アナ・ベーア/2023年/5分/マルタ

『鳩の沐浴 Ablutions』
 監督:万城目純/2023年/19分/日本

『てんかん症のオペラ舞踏』

 監督:ヴィルジニ−・マルシャン/2023年/49分/アメリカ

特別上映2

追悼 岩崎雅典 海人と山人の民俗

 「福島 生きものの記録」シリーズで知られ、2021年に逝去した岩崎雅典監督。トカラ列島の中之島で、20年ぶりの丸木舟づくりを追った『最後の丸木舟』(1977)。秋田県の山深く、マタギたちのクマ狩りと山人の精神を描いた『又鬼』(1982)。日本の南北の民俗文化を捉えた初期2作品を追悼小特集として上映する。

『最後の丸木舟 吐噶喇列島中之島の記録』

 監督:岩崎雅典/1977年/55分/16㎜→ビデオ/日本

『又鬼』
 監督:岩崎雅典/1982年/53分/16㎜→ビデオ/日本

特別上映3『ファニーズ』

 1990年代の沖縄で絶大な人気を誇った漫才コンビ「ファニーズ」。ツッコミ担当・山城達樹は、自らプロダクションを設立、戦後脈々と受け継がれてきた沖縄のお笑いを組織化し人々に届けようとしていたが、人気絶頂の26歳の時に急逝する。またたく間に駆け抜けた彼の人生が遺したお笑いの精神を、実弟の山城智二が巡るセルフドキュメンタリー。

『ファニーズ』

 監督:山城智二/2023年/98分/日本

特別上映4『りりィ 私は泣いています』

 2016年に64歳で惜しくも亡くなった女優・シンガーソングライターのりりィ。彼女が晩年に精力を注いでいた「りりィ+洋士」のライブを観て惚れ込んだカメラマンの髙間賢治が、自費でその活動を撮影し続けた。今なお輝きを放つ歌声を記録したライブ映像に、親友・研ナオコら関係者の証言を加えた髙間の初監督作品を、特別に上映。

 監督:髙間賢治/2023年/108分/日本

特集上映&トークセッション

より安全・安心に参加できる映画の現場を目指して

 本年8月に前プログラムディレクターが辞任した問題を受け、本映画祭では、誰もが安全に、安心して参加できる映画の現場(映画祭を含む)のあり方を、作品上映とトークセッションを通して考える機会を設けます。実際のドキュメンタリー映画や、現場を預かる運営者の実例を踏まえながら、ハラスメントのない、互いの尊厳を尊重できる映画界にするためのポイントを具体的に考えます。

作品上映

『アフター・ミー・トゥー』

 監督:パク・ソヒョン、イ・ソミ、カン・ユ・ガラム、ソラム/2021年/85分/韓国

 2017年、韓国でも大きく盛り上がった「#Me Too」運動のその後を、世代の異なる4人の女性監督が集まって制作されたオムニバス・ドキュメンタリー。学校やアートの現場で参加した人たちのその後や、運動から取りこぼされた中年女性、加害・被害の区分けが難しいグレー・ゾーンをテーマにした作品など、「#Me Too」の先にある課題を問いかける。

トークセッション

より安全・安心に参加できる映画の現場を目指して

 ※ 詳細・ゲストは、後日映画祭公式サイトにて発表します。
 ※ 映画祭プログラムチケットの半券をお持ちの方は無料で入場できます。

東京ドキュメンタリー映画祭2023

 開催期間:12月9日(土)~12月22日(金) 新宿K’s cinemaにて開催
 

公式サイト

https://tdff-neoneo.com/(外部サイト)

 公式X:https://twitter.com/TDFF_neoneo(外部サイト)
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(オフィシャル素材提供)

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