本年6月からの劇場公開を盛況のうちに終えた神威杏次監督作『7WAYS』が、イタリアでヴェネチア国際映画祭に次ぐ歴史を誇る老舗映画祭、第77回サレルノ国際映画祭( Festival del cinema di Salerno)に選出。長編コンペティション部門にノミネートされた。
同映画祭は、毎年、イタリア・サレルノで盛大に開催され、イタリアの地元メディアでも連日報道されるアート系の映画祭。選出作品も、例年、芸術性の高い作品が並ぶ。神威監督作は、第75回『スモーキー・アンド・ビター』、第76回では『ムーンライト・ダイナー』に次いで、今年で3年連続の選出という快挙。2021年はパンデミックの影響でオンライン開催となったが、昨年の開催では、サレルノの老舗映画館「アウグステオ劇場」にて念願の海外スクリーン上映を実現した。 長い映画祭の歴史の中でも三年連続の選出は極めて稀なこと。2018年から毎年新作を撮り続けている神威杏次ならではの快挙と言っていい。11月27日から12月1日まで開催され、翌2日が受賞式となる日程。現地上映の日程は追って発表される。
『7WAYS』は、七つの人格を持つ多重人格の女性・ナオ(中川ミコ)の葛藤を、私立探偵(神威杏次)や警部(工藤俊作)らが「ある特異な方法」を策して救おうとするサスペンス調の長編映画。出演は、他に、平塚千瑛、坂本三成、森脇和成、萩原佐代子、牧野美千子、たかはしあいこ、萩田博之ら。
独特な作風から、欧州を中心に海外で高い評価を受ける神威杏次監督作。同作の国内劇場公開は、池袋シネマ・ロサ、大阪シアターセブンなどで一旦の公開終えているが、海外での評価から、国内再上映の期待が高まるか。
また、神威監督の前作『ムーンライト・ダイナー』は、11月1日、DVDのセル&レンタルと、主要11プラットフォームでの一斉配信公開が開始されている。
神威杏次 コメント
数ある海外映画祭の中でも、77年も続いている由緒あるサレルノ国際映画祭への選出は極めて光栄なこと。例年、芸術性もレベルも高い海外作品を拝見するにつけ「自分たちの映画が、良くこんな高いレベルの中に入れてるな」と驚きますが(笑)。さらに三年連続となり、自分にとってはこれ以上ない勲章です。すべては応援いただいている皆様のおかげ、感謝いたします。
ストーリー
作家のナオ(中川ミコ)は、とある孤島にやってきた。異空間のようなモーテルの先客は、役作りのために滞在している舞台俳優・銀次(坂本三成)。経営者であるマスター(蜂谷英昭)がナオを迎えた。
そこに、隣島の刑務所から脱獄してきた男2人、成瀬(森脇和成)と嶋村(萩田博之)。さらに、突発的な嵐で街からの一本道が土砂崩れで塞がれたため行き場を失った女2人、千夏(萩原佐代子)と涼香(牧野美千子)がやってくる。続々と現れるワケアリな人間たち。まもなくラジオから流れたのは、街で起こった宝石強盗殺人事件のニュース。犯人は女の二人組だという。
一方、探偵・黒猫(神威杏次)は、ナオの姉である香織(たかはしあいこ)から「妹を助けてほしい」との依頼を受けていた。ナオは、ある殺人事件の容疑者として逮捕されていたが、裁判では、とある事情から無罪の判決が下りていた。すでに無罪の判決を受けているナオを助けるとはどういう意味なのか。黒猫に協力を求められた警部の麻生(工藤俊作)とミサト(平塚千瑛)は、孤島での出来事について、その場にいた七人全員から事情聴取を進めていく。
(2022年、日本、上映時間:95分)
神威杏次(かむいきょうじ)監督 プロフィール
主に1990年代、多くの映画・テレビ等に出演、190cmの身長を活かした個性派俳優として活動した。長らく俳優活動は休止状態にあったが、2018年、突如、映画製作を開始、2020年製作の『スモーキー・アンド・ビター』は、東京・池袋シネマ・ロサでの劇場公開を終えた後、主に欧州の映画祭を中心に続々と高い評価を得る。その独特の世界観を武器として脚本・監督・撮影・編集・製作・制作・宣伝……と、ほぼすべてのセクションをこなしている。2021年、フランス・ニース国際映画祭にて最優秀監督賞を受賞。2022年、『ムーンライト・ダイナー』では、イギリス・ロンドン国際映画祭で、最優秀監督賞と最優秀脚本賞をW受賞。
キャスト&スタッフ
脚本・監督・撮影・編集:神威杏次
出演:中川ミコ、坂本三成、森脇和成、萩田博之、萩原佐代子、牧野美千子、蜂谷英昭 / 横浜 旭、新崎める、永井理沙、湖山ひかる / たかはしあいこ、平塚千瑛、工藤俊作、神威杏次
予告編
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公開表記
製作・制作・宣伝・配給:TEAM KAMUI.Inc
6月3日より池袋シネマ・ロサにて公開
(オフィシャル素材提供)