イベント・舞台挨拶

『罪と悪』公開記念舞台挨拶

©2023「罪と悪」製作委員会

 主演に高良健吾を迎え、罪の真実と正義の在り方を問う本格ノワールミステリーが誕生する。
 2月3日(土)に、本作のキャストや監督が登壇する、公開記念舞台挨拶が実施された。主演の高良健吾、共演の大東駿介、石田卓也、そして監督・脚本を務めた齊藤勇起が登壇! 本作の制作過程や、撮影の裏側や撮影エピソード、作品に込められた思いまで、たっぷり語った。

 いよいよ公開を迎え、満員の劇場の温かい拍手に包まれて登壇したキャスト、監督。高良が「いよいよ今日を迎えられてとても嬉しいです。昨日が初日だったんですが、嬉しい気持ちはあるのですが、朝から少しセンチメンタルな気持ちになりまして。自分の元から羽ばたいていくので、その寂しさもあって、監督に連絡したら、初日の初回を観ていたという。皆それだけこの作品に対して気持ちがあるんだなと思いましたね」と、大東が「休日の天気のいい、散歩日和の日に密室に集まっていただきありがとうございます(笑)! 映画を観て、余韻に浸りながら日本橋をぶらぶらしていただければと思います。楽しんでいってください!」と、石田が「齊藤組がつくりあげた作品が初日を無事に迎えられて嬉しい気持ちでいっぱいです。今日こんなにたくさんのお客さんが来ていただいていることが本当に嬉しいです」と、齊藤監督が「本当にこんなシチュエーション、こんな場面が嬉しくて。高良さんにも相談しながら、悩み悩みつくりあげて、書き上げたこの本がようやく飛び立って、皆さんの元にいくのかと思うと、胸がいっぱいです」と話し、イベントはスタートした。

 改めて、いまの気持ちを尋ねられると、齊藤監督が「初日の日本橋の初回に観に行きました。一生に一回だなと思ったので。散歩道を歩いていたら、いろいろ思い出して、それでちょうど高良さんからメールいただいて。センチな気分になって、第一回目を観られたので、本当に良い経験でした」と感慨深げ。高良が「僕が信頼している映画が大好きな方、俳優の方も観てくださっていて、絶賛していました。俳優の子が“炎みたいな映画だね”と言ってくれて、一言で分かりやすい感想をくれましたね」と、大東が「僕も初日観にいったんですけど、自分が出演している映画を初日に観に行くのは初めてで、それくらい大切な作品なのですが、劇場で観終わった方たちが感想言いながら歩いているところを通り過ぎたら、「あれ!あなた!走っていた!」と言ってくださって(笑)。ハグしました。それが僕がいちばん最初に頂いた感想でしたね。ありがたかったです!」と、石田が「友達が映画を観て、映画をくらいすぎて、お昼からの仕事が手につかなかった、って言ってくださって、ありがたい気持ちでいっぱいでしたね」と、それぞれ熱い想いを話す。

 今回幼馴染の雰囲気を作るために話し合ったことや役作りについて尋ねられると、高良が「(撮影前に)5〜6時間話したんですけど、こういうことってあんまりないですよね。でもそれがなかったら違う映画になっていたと思います」と、大東が「その本の話も重要だったんですけど、皆がこの位置でこの作品に向き合って、共通認識を持てて、熱量を共有できたのがよかったですね」と、石田が「あとは単純に3人で顔合わせたのが10数年振りだったので、本当に嬉しかったですね」と、それぞれ撮影のはじまりを振り返る。また、「10代の時からみんな知っているので、照れ臭かったですね」と正直な気持ちを吐露する高良。さらには、「会う時は、最初に再開するシーンのような気分だったので、その時のことを想像しながら撮影もやっていましたね」と大東。監督は、「助監督を長い間やらせていただいたのですが、その時からこういうスタイルで現場に臨みたいなと思っていたので、それを叶えてくれて感謝しています。皆さん本をしっかり読んできてくれて、二度とない時間かなと思うと有意義で愛おしい時間でしたね」と当時を振り返る。「描かれていない自分たちの時間をどう咀嚼して、どう解釈しているのか、という確認でしたね。同じ方向を向いていないと違う作品になる気がしていただので、その確認ですよね。その中で「一回声出してやってみましょうか」という感じになって、本当にあまりないですよね」と改めて贅沢な時間を振り返る高良だった。

 ここで、先日行われた福井での先行舞台挨拶の話に。「撮影中は夏だったので、別の福井が見られたからよかったですね」と石田。さらに、「監督と僕と拓ちゃんは一度行っていたので、それで今回は大東くんも一緒に行くことができてそれが嬉しかったですね」と高良。ここで、「カニが美味しい、って散々聞かされてたので、やっと俺も食べれるわって思ったんですけど、“今回はカニないです”って言われて……。なんで俺にカニ美味しいって言うねんって!思ってたら、舞台挨拶の間で地元の方が、“大東くん、カニ用意してます”って言ってくれて! 本当に大切にしていただいて、甘やかされましたよね。さらに、そこで上映終わりの観客の皆さんの感想を初めて聞けて、テーブルを囲みながら映画の話で盛り上がれたのがかなりグッときましたね」と撮影地で行われた地方キャンペーンならではのエピソードを明かす大東。「4時くらいまでやってましたよね」という高良からの言葉に会場からも驚きの声が上がる。高良は「的を得ている、ということだけではなくて、そう言う意見もあるんだって思ったこともありますし、自分たちの狙い通りってこともあったり。気づかされることもありましたね」とその時のことを話すと、「まさに! 嬉しかったのが、僕らがつくってきたとか関係なく、“監督、これはこう思うんですよ”ってそれぞれの解釈を話してくれて、映画ってそれぞれに感じてもらうものなんで、映画ってこういうことなんだな、って思いましたよね」と大東も嬉しそうだった。「(福井は)未開の地というか、なかなか撮られていなかったので、それも含めて、この作品に力を添えてくれるなって思ったので、風景や景色、土着感を焼き付けることができたかなって思っています」と監督、「福井の人たちの映画への協力する気持ちというのがすごく熱かったので、ありがたかったですね。みんな一生懸命に自分の気持ちを持ちながら、“役”としてやってくれたので、感動しました」と石田も改めて福井への想いを語った。

 本日が2月3日節分の日ということで、タイトル『罪と悪』にかけて、「払いたい悪」について聞かれると、「禁煙ですかねえ。何度も止めようってなって、最長7ヵ月とか止められたんですけど、嫌なことがあると吸っちゃうんですよね(笑)」と高良の正直な話に会場も盛り上がる。そんな高良に石田は「喫煙する時間が打ち合わせの時間みたいになりますよね。僕は、いまはタバコやめちゃったんで、そこでしか話されてない話があるんで、“いいな〜”って思いますね」とボソリ。そんな石田は「僕、食欲がすごくて、お腹空いてなくても食べちゃう、朝もご飯3杯食べちゃうんですよね。それが撮影に影響することがあって、ちょっと気をつけなきゃな〜って思いますね。その分動いてプラマイゼロにしているんですけど、やめられないですね〜」と意外な一面を披露。そして監督が「僕は普通なんですけど、集中力。(本を)書いたら早いんですけどね。書くまでが、ダラダラしたり、映画観に行って感動して書かなかったりで。メリハリをつけたいですね」と話すと、大東は「僕は物忘れがとにかくひどくて。仕事以外のことすぐ忘れちゃうんですけど、大人だしちゃんとしようと思って!」と一言。続けて、先日のテレビ出演の際のエピソードを明かし、「住職さんから説法を伺う機会があったんですね。その中であったのが、自分の中の業みたいなものが鬼なんですって。それを受け入れてから乗り越えるのが本来の節分の役割なんだよって言われて。いろいろ考えていること自体が、よくないらしいよ!」とタメになる話を披露。「鬼は外って言いたくないんですよね。分かる分かる」と高良も同意する中、会場から拍手があがると「(言ったのは)俺じゃないんだけどね(笑)」と返す大東だった。
 20年の時を経て描かれるこの作品にかけて、20年後の自分へ「こうありたい」というイメージ、夢や願望などを尋ねられると、高良が「ランニングとかしてたいですね。自分の祖父が90歳くらいまで毎日欠かさず走ってたんですよ。毎日、雨の日以外走っていたんで、何かを続けられる人ってすごいなって思うんですよね。コツコツ続けて、走れる人でいたい。健康でいたいです」と、石田が「俳優以外に農業もやっていて、20年後は自分の農地を持って、農業をやりつつ、俳優をやれたら幸せかなと思います。で、こうやって皆で集まれたらいいですよね」と、大東が「生きてたい、ってことと、子どもが成人しているので、バンドやりたいですね。『大東’s』結成!的な。いまモンスターバンドをやっているんですが(笑)、子どもともやりたいですね。そういう遊びにも本気で挑める60歳前でいたいなって思います」と、齊藤監督が「還暦かと思った時に、映画を撮れていたらなと思いますが、さらに、20年経ってこの皆で映画撮れたらいいなってすごく思います。たまにイチから撮り直しさせてくれないかなって思ったりするんですけど、いい撮影が本当にできたと思っているので、これを超えられるようにいまから本書こうと思います! 主題歌は『大東’s』で!」という監督に、「はい! いまから練習しときます!」と大東も応戦。再タッグに盛り上がるキャストだった。

 最後に、「オリジナル・ストーリーとしてつくりあげて、ここまで来れました。皆さんの心のどこかに残ってくれて、どこかの節に思い出してくれるような作品になっていたらいいなと思います」と齊藤監督が、「賛否両論ある作品だと思いますが、タイトルの通り軽くはないですが、こういう作品だからこそ、普段自分が出合わないような感情、考えに出合えるし、また新しい価値観に出合える作品になっていると思います。“この映画から与えよう”というより、一人ひとりが見つけに行くような作品になっていると思います。いろいろ話しましたが、映画なんで楽しんでいってほしいなと思います! 楽しんでいってください!」と高良が話し、舞台挨拶は幕を閉じた。

 登壇者:高良健吾、大東駿介、石田卓也、齊藤勇起監督

公開表記

 配給:ナカチカピクチャーズ
 2024年2月2日(金) 公開

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