「孤狼の血」、「佐方貞人」、「合理的にあり得ない」など数々のシリーズが映像化されている、大藪春彦賞作家の柚月裕子の小説「朽ちないサクラ」(徳間文庫)が、主演・杉咲 花にて実写映画化し、2024年6月21日(金)よりTOHOシネマズ日比谷他全国にて劇場公開することが決定した。作品情報に加えて、ティザービジュアル、コメントが解禁となった。
本作は柚月裕子の「サクラ」シリーズのはじまりとなる「朽ちないサクラ」が原作で、主人公は県警の広報職員という、本来は捜査する立場にないヒロインが、親友の変死事件の謎を独自に調査し、事件の真相と、次第に浮かび上がる“公安警察”の存在に迫っていく異色の警察小説。発行部数は続編の「月下のサクラ」と合わせて累計27万部を刊行する人気シリーズとなっている。
主人公の県警・広報職員26歳の森口 泉を演じるのは若手随一の演技派として絶大な信頼を集める杉咲 花、『市子』『52ヘルツのクジラたち』『片思い世界』と映画での主演が続く実力派俳優。単独主演作となる本作では、“事務職のお嬢ちゃん”が自責と葛藤を繰り返しながら、強さを手に入れていく姿を繊細な演技で体現し、観客の目を釘付けにする。杉咲は「この物語は、ひとりの人物の失敗から始まります。いつの日か失敗してしまったことのある誰かにも、他者の失敗を許してあげられない誰かにも、この映画が届いてほしいです」とコメントをしている。
メガホンをとる原 廣利は、『帰ってきた あぶない刑事』(5月24日公開)の監督に抜擢された注目株。「ウツボラ」(23年/WOWOW)や撮影監督も務めた「日本ボロ宿紀行」(19年/テレビ東京)など多くのドラマ作品を演出し、長編映画は本作が第2作となる。警察✕ミステリー✕サスペンスという王道のエンタテインメントに洗練されたノワールの味付けを施し、主人公が己の正義感に目覚めていく成長譚として見事に仕立てている。
原作の舞台は架空の土地だったが、映画では舞台を愛知県に設定し、2023年3月~4月に蒲郡市を中心に県内でオールロケを行った。本編で咲き誇っている美しい桜はすべて本物。泉が桜吹雪の中である決意を固め、前を向くラスト・シーンのカタルシスと映像美が、ジャンル映画の枠を打ち破る。
今回作品情報と合わせて、ティザービジュアルが解禁された。ビジュアルは、本作の重要なシーンが撮影された川に、真っ赤なワンピースを着た杉咲 花演じる泉が素足のまま凛と佇み、背景にはタイトルにもある「サクラ」が満開に美しく咲き誇る。そしてその様子が水面に静かに映り込み、本作の主人公の美しさと儚さ、そして内に秘めた強さを合わせ持つ姿を印象的に表現したビジュアルとなっている。撮影は、2023年3月ロケ地にて、満開を迎えた本物の桜と晴天が広がる奇跡的なシチュエーションが重なり撮影が行われた。
コメント
杉咲 花/主人公・森口 泉
この物語は、ひとりの人物の失敗から始まります。
私はその出来事に温もりの眼差しを向けることはできないけれど、失敗に向き合い、責任を取ろうとする姿を見捨ててはいけないと思いました。“再生を見守る”という世の中のあるべき姿のひとつとして、この映画に関わる価値を感じ、緊張を抱きながら演じました。
いつの日か失敗してしまったことのある誰かにも、他者の失敗を許してあげられない誰かにも、この映画が届いてほしいです。
プロフィール
1997年10月2日生まれ。
映画『湯を沸かすほどの熱い愛』で第40回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞・新人俳優賞はじめ、多くの映画賞を受賞。
主な出演作に、ドラマ「花のち晴れ~花男Next Season~」(TBS/ 18)、NHK連続テレビ小説「おちょやん」(20~21)、「杉咲花の撮休」(WOWOW/ 23)、映画『トイレのピエタ』(15)、『十二人の死にたい子どもたち』(19)、『青くて痛くて脆い』(20)、『99.9―刑事専門弁護士―』(21)、『大名倒産』(23)、『法廷遊戯』(23)、『市子』(23)などがある。『52ヘルツのクジラたち』(23年3月1日公開)、『片思い世界』(25年公開予定)など話題作の公開が控える。
原 廣利/監督
撮影したのは去年の春に差し掛かる頃でした。
タイトルにある通り「サクラ」がキーワードになってきます。
「正義」とは一体何か?
それぞれの「正義」が交錯する時に、サクラを魅せることで物語の骨格を表現したい。
スタッフ・キャストと共に考え、アイデアを出し合い、全力で撮影していきました。
森口 泉を演じる杉咲 花さんの真っ直ぐ真相を見つめる眼は、僕自身何度も鳥肌が止まりませんでした。
プロフィール
2011年BABEL LABEL加入。
ドラマ「日本ボロ宿紀行」(19/TX)では監督に加え撮影監督を務める。以降、「八月は夜のバッティングセンターで。」(21/TX)、「真夜中にハロー!」(22/TX)、「ウツボラ」(23/WOWOW)などを演出。『帰ってきた あぶない刑事』(2024年5月24日)の公開も控える。
柚月 裕子/原作
この作品は、世の中の理不尽や不条理なことに、懸命に立ち向かっていく人間を書きたくて出来上がったものです。
主人公の森口 泉は、親友の死をきっかけに事件の真相と社会の闇に迫っていきます。泉は、迷いながら、悩みながら、ときに諦めそうになりながらも、必死に前に進んでいきます。がんばる泉を、杉咲 花さんがどのように演じてくださるのか、とても楽しみです。泉を、そして作品に登場する人々を応援しています。
プロフィール
1968年岩手県出身。2008年『臨床真理』で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。18年『盤上の向日葵』で「2018年本屋大賞」2位。その他の著書に『慈雨』『合理的にあり得ない』『暴虎の牙』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『教誨』『風に立つ』など。
公開表記
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
6月21日(金) TOHOシネマズ日比谷他全国公開!
(オフィシャル素材提供)