人々の日常を追い続け、記録し続け、熱い思いと共にドキュメンタリー映画として世の中に発信し続けるブランド「TBS DOCS」。テレビやSNSでは伝えきれない事実や声なき心の声を発信し続けるこれらの本気のドキュメンタリー作品に出合える場として、2021年より開催されてきた「TBSドキュメンタリー映画祭」が、東京・大阪・京都・名古屋・福岡・札幌と、全国6都市で3月15日(金)より順次開催! 第4回の開催となる本年は、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマに迫る「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障害など多様な生き方や新たな価値観を描く「ライフ・セレクション」、五感を司る表現者たちやテーマを通し新たな感性に出会う「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選ばれた15作品を一挙上映!
さらに今年は初の試みとして、実際の外科手術を医師の視点で撮影し、人間の体の神秘に迫るショッキングかつ感動的な異色のドキュメンタリーで、カンヌ国際映画祭で上映され話題となった衝撃作「人体の構造について(原題)」、そして唯一無二の世界観で衝撃を与え続けるA24製作で、のアカデミー賞受賞監督、スティーヴ・マックイーンが贈る4時間を超える圧巻のドキュメンタリー「オキュパイド・シティ(原題)」といった世界が注目する2作品を<海外招待作品>として上映する。観た人の価値観を変えてしまうエネルギーに溢れた、“誰かの人生”に触れることができる作品をラインナップした本映画祭は注目必至だ!
ついに迎えた本映画祭は、3月22日(金)、23日(土)、24日(日)にシネリーブル梅田で『家さえあれば ~貧困と居住支援~』、『映画 情熱大陸 土井喜晴』、『最後のMR.BIG ~日本への愛と伝承~』、『旅する身体~ダンスカンパニー Mi-Mi-Bi~』の舞台挨拶を実施。作品の監督や出演者が登壇し、満席続出の大盛況となった舞台挨拶のリポートをお届けする。
3月22日(金)
『家さえあれば ~貧困と居住支援~』
【登壇者】監督:海老桂介、ゲスト:田村 裕(芸人)、坂本慎次(NPO法人生活支援機構ALL代表理事)
生活困窮者への住宅支援を続ける坂本慎次さんを追った本作について、海老監督が「撮影期間は2年くらい。90分の撮影素材が120~130本くらいあり、途中で鬱になりそうになった」と冗談交じりに編集の苦労を語ると、ほぼ満席となった会場は笑いに包まれた。ナレーションを担当したのは「ホームレス中学生」という自叙伝を出したこともある麒麟の田村 裕。「相方は声も良いが、僕はコンプレックスがあり最初は断ろうと思った。でも、映画のタイトルを聞いて僕がやらねばと思った」と当時の心境を明かした。自らの経験から「家がなくなる恐怖感。屋根や壁がない不安感。そして家に入ったときの安心感は気持ちとして分かる」と語ると、本作の主人公でもある坂本さんは「孤独にさせないのが大切。正しい生活保護の知識を持った上で、今後も本当に困っている人たちに手をさしのべたい」と今後の活動継続に向けた決意を示した。
『映画 情熱大陸 土井喜晴』
【登壇者】監督:沖倫太朗、ゲスト:土井喜晴(料理研究家)
テレビでお馴染み「情熱大陸」の拡大版として公開された本作。「普通はドキュメンタリーで出た人が舞台挨拶なんてしない。なんか騙されたみたいや」と恐縮しながら登壇した土井喜晴さんだが、いざマイクを握ると次から次へと名言が飛び出した。「料理はおいしく作ろうと思った時点で表現者になってしまう。そんな構図が家庭に必要ですか?」と満員の観客に問いかけた土井さん。「具だくさんのお味噌汁、絶対おいしいから。ゴミも出ない。台所と地球はつながっている。みんなに一汁一菜を知って欲しくて『情熱大陸』の取材も受けることにしたんです」。止まらない“土井節”に沖監督は「こんな感じでどこに名言が潜んでいるか分からないから、ずっとカメラを回し続けないといけないんです」と取材時の苦労を明かした。「これだけレシピを作ってきた人が『レシピは要らない』と言っているのがおもしろい。今では『味付けもしなくていい』とも。どんどん進化してもう僕の手に負えなくなっているが、第2弾もあるかもしれない」と思わぬ匂わせ発言が飛び出すと、会場からは大きな拍手があがった。
3月23日(土)
『最後のMR.BIG ~日本への愛と伝承~』
【登壇者】監督:川西 全、ゲスト:伊藤政則(音楽評論家)
日本を愛し、日本に愛されたアメリカのロックバンドMR.BIGを追ったこの作品。登壇した音楽評論家の伊藤政則は、「震災の後にこのバンドが日本にどう寄り添ったかがよく分かる作品。お互いが元気になり元気をもらった」と、バンドと日本の固い絆について熱く語った。中高生の頃からMR.BIGのファンだったという川西監督は「2011年の震災時に盛岡でのショーを取材して大きなモチベーションになった。こうして作品にできて肩の荷が下りてホッとした」と制作の動機と完成後の心境を明かした。また、伊藤は「本作にはMR.BIGを心から愛した監督の視点がある」と評価。川西監督が「作品は敢えて淡々と作った。バンドが日本との間に積み上げた事実そのものが重いので、それを見せるだけで伝わると思った」と作品に込めた思いを明かすと、ほぼ満席となった会場のあちこちからすすり泣く声が響いた。
3月24日(日)
『旅する身体~ダンスカンパニー Mi-Mi-Bi~』
【登壇者】監督:渡辺 匠、志子田勇
ゲスト:森田かずよ(出演者)・武内美津子(出演者)
手話通訳:三田宏美
「未だ見たことのない美しさ」を観客に届けるダンスカンパニー「Mi-Mi-Bi」に密着した本作。上映後の舞台挨拶は、ダンサーとして出演された三田宏美さんに手話通訳として協力いただき、和気あいあいとした雰囲気の中で始まった。劇場の隅で観ていたという志子田監督が開口一番「いい映画だったなあ」と思わずもらした正直な感想に、会場からは拍手が沸き起こった。
本作は、志子田監督が「Mi-Mi-Bi」と出会い、記録映像として撮影を続けていたことがきっかけで映画になった。「障害がある長男のことで悩んでいたときにみんなの前向きに頑張る姿を見てもらいたい、映画にしようと持ちかけました」と渡辺監督。
本作に出演している演出家でもあるダンサーの森田かずよさんは「旅人というキーワードは私が決めましたが、結局みんなで作った作品です。正直切羽詰まった時もあったんですけど、私たちがどんな背景でダンスをしているかのそのプロセスを振り返れることができてよかったです」と。同じく出演者の武内美津子さんは「私の場合は見えないので皆さんがどんな表情なのか、撮られていることも分からないので、映っているのはありのままの素の私です」と正直な気持ちを語ってくれた。
TBSドキュメンタリー映画祭2024 開催概要
3月15日より 全国6都市にて順次開催!
東京=会場:ヒューマントラストシネマ渋谷|日程: 3月15日(金)~3月28日(木)
大阪=会場:シネ・リーブル梅田|日程:3月22日(金)~4月4日(木)
名古屋=会場:センチュリーシネマ|日程:3月22日(金)~4月4日(木)
京都=会場:アップリンク京都|日程:3月22日(金)~4月4日(木)
福岡=会場:キノシネマ天神|日程:3月29日(金)~4月11日(木)
札幌=会場:シアターキノ|日程:3月30日(土)〜4月11日(木)
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公式X:@TBSDOCS_eigasai
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◆「TBSドキュメンタリー映画祭 新たなる挑戦」
大久保竜エグゼクティブ・プロデューサー×佐井大紀ドキュメンタリー監督 特別対談インタビュー
第一弾:https://youtu.be/B5JNCjUgApc?si=CxsQKwjBh-SdlW1t(外部サイト)
第二弾:https://youtu.be/YG1Rj-NvNVk?si=8m5H_SEbfBCVLWs6(外部サイト)
(オフィシャル素材提供)