カンヌ・ヴェベチア・ベルリン3大映画祭を制し、カンヌ国際映画祭コンペティション部門8作品連続選出されている『ローマ法王の休日』のナンニ・モレッティ監督最新作『Il sol dell’avvenire』が邦題『チネチッタで会いましょう』として、晩秋、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開が決定した。併せてティザービジュアルと予告映像も解禁された。
「映画には、私たちに明るさと幸せになりたいという気持ちを再発見させる魔法の力がある。どんなことがあっても」とメッセージを寄せるナンニ・モレッティ監督の最新作は、時代の変化についていけずに痛い目にあった映画監督が失意の後に大切なことに気づくヒューマン・ドラマ。フェリーニやキシェロフスキ、スコセッシなど映画へのオマージュを交えながらところどころに自身の過去作品を引用して、変化の激しい世界に適応することの難しさをユーモラスに描きながらも、より良い未来を夢見ることを忘れないという温かなメッセージが込められている。作家性と娯楽性とを見事に両立し、独特のユーモアとやさしい眼差しが相互に観客をつかむ、モレッティ作品の魅力が満喫できる作品に仕上がっている。先日発表されたダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では、作品賞、監督賞、脚本賞を含む主要7部門でノミネートされている。
痛い目にあって初めて気づく。大切なこと。
イタリアの映画監督ジャンニは、チネチッタ撮影所での新作撮影を目前に控えている。プロデューサーの妻が40年、いつも傍にいて映画を制作してきた。頭の中は新しい映画のアイデアでいっぱいだ。だが、順調だと思っていたのはジャンニだけだった! 女優はカサヴェテスを持ち出し演出に口出し、あろうことか政治映画をラブ・ストーリーだと言い出す始末。若い俳優のトンチンカンな発言にはあきれ言葉を失う。娘が紹介してくれたボーイフレンドは自分ほどの年齢の男性だという。あらゆることに腹がたち戸惑うばかりだ。誰にも理解されず、一人帰宅し目覚めると妻に別れを告げられてしまう。さらに仏のプロデューサーは詐欺師とわかり、資金が枯渇し撮影は止まってしまう。地位も築き尊敬されていたはずなのに。妻も娘も愛しているのに。果たして映画は完成するのか? そして、愛するものたちとの関係を修復することはできるのか?
真ん中にいると思っていたらはみ出してしまっていた映画監督の、過去の人生と訣別するという物語の本作は、“ナンニ・モレッティの最高傑作のひとつ―ル・フィガロ”“楽しいナンニ・モレッティが帰ってきた―イル・ジョルナーレ”など、終始笑えるコメディ作品でありながらも、人生を肯定し生きる元気を与えてくれると評判を呼び、イタリアで大ヒットを記録。自身が、製作・脚本・出演も兼ね、共演にはモレッティ作品の常連マルゲリータ・ブイや、俳優であり監督のマチュー・アマルリックなどが脇を固める。
この度解禁されたティザービジュアルでは、ナンニ・モレッティ監督演じる主人公のジャンニが電動キックボードに乗ったイラストが描かれ、「すべてのおかしいは幸せに通ず」というコピーが添えられている。予告映像では、5年振りの映画撮影が順調にスタートしたかと思われた映画監督のジャンニに、長年連れ添ったプロデューサーの妻から突然別れを告げられ、撮影資金を調達していたフランスのプロデューサーは警察に捕まってしまう様子が切り取られている。トラブルが続出するなか、痛い目にあって初めて大切なことに気づいたジャンニは、映画を完成させて愛するものたちとの関係を修復できるのか――? まさにナンニ・モレッティ集大成とも言える『チネチッタで会いましょう』は晩秋、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開。
キャスト&スタッフ
監督:ナンニ・モレッティ
脚本:フランチェスカ・マルチャーノ、ナンニ・モレッティ、フェデリカ・ポントレモーリ、ヴァリア・サンテッラ
音楽:フランコ・ピエルサンティ
撮影:ミケーレ・ダッタナージオ
出演:ナンニ・モレッティ、マルゲリータ・ブイ、シルヴィオ・オルランド、バルボラ・ボブローヴァ、マチュー・アマルリック
(原題:Il sol dell’avvenire、2023年、イタリア・フランス、上映時間:96分)
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公開表記
配給:チャイルド・フィルム
11月22日(金)より ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)