『碁盤斬り』完成披露舞台挨拶

　登壇者：草彅剛、清原果耶、中川大志、奥野瑛太、音尾琢真、市村正親、斎藤工、小泉今日子、國村隼、白石和彌監督

　俳優の草彅剛が主演を務める時代劇映画『碁盤斬り』の完成披露舞台挨拶が都内で行われ、草彅、清原果耶、中川大志、奥野瑛太、音尾琢真、市村正親、斎藤工、小泉今日子、國村隼、白石和彌監督の10名が登壇した。

　本作は、古典落語をモチーフに、冤罪におとしめられた浪人が、父として、さらに武士としての誇りをかけた復讐（仇討ち）に挑むさまが描かれる。

　主演の柳田格之進役を演じた草彅は満員の会場を見渡し、「ようやく届けられるということで、ドキドキワクワクしています」と声を弾ませ、「撮影は大変でしたが、すごく楽しかった。幸せな環境で自分の持っているものをすべて出し切れたと思います。皆さんのおかげで映画が作れました。僕の代表作です」と笑顔で話す。

　格之進の一人娘・お絹役を演じた清原は「草彅さんとはいつかご一緒したいとずっと思っていました。本当にぜいたくで幸福な時間でした。草彅さんは父上の佇まいでずっと現場にいてくださったので、その背中を支えられたらいいな、追いかけたいなと感じていました」と感慨深げな表情。

　ドラマ「まだ恋は始まらない」以来、29年ぶりの共演となった小泉と草彅。小泉は「背中が素敵でした。今回草彅さんが、主役としてすべてを引き受けている姿を見て感動しました。私もそのお手伝いができればと思って頑張りました」と話す。

　そんな小泉に草彅は「ありがとうございます。キョンキョン大好きです」と大きな笑顔。草彅は17年ほど前に小泉からもらったＴシャツを確認のために現場に持参。もらったものだと分かったので、サインを入れてもらったそう。「パジャマとして、撮影中２週間は毎日着ていました」と嬉しそうに告白した。

　舞台挨拶の中盤、草彅が撮影時のエピソードを披露する場面も。「音尾さんはカメラ小僧で写真ばっかり撮っていましたね」「清原さんと中川くんは囲碁ばっかりやってました」「國村さんとのシーンは寒かったです」「工くんはすごくかっこよくて……」「いつも元気な市村さんに健康法を聞いたら『親が元気なんだよ』と言われました(笑)」「奥野くんはずっと空を見ていましたね」と次々と話して観客を笑わせた。最終的に「みんな仲がいいんです」とにっこり。和気あいあいの現場だった様子。

　主人公と対峙する柴田兵庫役を演じた斎藤は「草彅さんから、静かな哲学を感じ、自分も沸騰しました」と話す。草彅も「工くんとの集大成のシーンが撮れた」と噛みしめた。

　萬屋の番頭・徳次郎役を演じた音尾は白石組の常連。「今や白石和彌監督作品と言えば、“音尾琢真が出ている”というセット売り。今年も監督へのお歳暮を奮発したいと思います！」と意気込んでいた。

　時代劇に初挑戦した白石監督は「緊張と不安がありました。これまではフレームからはみ出るような荒々しい映画が作りたいと思っていましたが、今回は美しい映画を撮りたいと思いました」と思いを伝える。

　最後に草彅は「僕やここに立っている皆さんの人生がこの映画には詰まっています。今忘れ去られているものがこの映画に込められています。娯楽映画としても楽しめる作品です。ぜひ楽しんでください！」と観客に呼びかけ、イベントを締めくくった。

　舞台挨拶後に、草彅、清原、中川、斎藤が囲み取材を行った。草彅は、真面目で純朴な萬屋の手代・弥吉役を演じた中川について「日本屈指のイケメン。ただかっこいいだけじゃなくて、内側から湧き出てくるパッションやエネルギーを持っているところが、魅力ですね｣とコメント。

　中川は、草彅について「いつか共演させていただきたいなという憧れの方でした」現場でお芝居にアプローチしていく姿が見られて嬉かった」と喜びを爆発させる。「すごく自然体で、ほっとするところもあって、本番に向けてギアが上がっていく――、その過程が見られて、衝撃でした」と話した。

　草彅にとって2009年の主演映画『BALLAD　名もなき恋のうた』以来15年ぶり２作目の時代劇映画となる。草彅は役作りについて｢僕の役は今の時代にはない魂を持った役。見どころは唐傘。唐傘がこんなに似合う男はいないと思います(笑)。唐傘にもぜひ注目してください｣とアピール。

　清原について草彅は「清原さんだけに、清らかな心で、ストレートでまっすぐ(笑)。本当に清らかでまっすぐな心が初共演なのに、僕にすとんと入ってきました」と述懐。
　清原は、｢会ったときに『お絹ちゃんは僕の娘だから』と言ってくださって。その言葉に励まされましたし、緊張が解けました」と感謝だった。草なぎのような父親はどうかと聞かれると、清原は「めっちゃ幸せですよね！」と大きな笑顔。草彅は「照れちゃいますね。幸せです。ありがとう」と笑顔で反応していた。