登壇者:サエキけんぞう(パール兄弟、ジョリッツ)、藤本国彦(ビートルズ研究家)
4月30日(火)、ユーロライブにて『ジョン・レノン 失われた週末』トークイベント付き試写会が行われた。登壇したのは、ジョン・レノンと対面した経験もあり、本作を「ビートルズ・ファン、ジョン・ファン、そして全ての音楽ファンは必見だ!」と語る作詞家・アーティストのサエキけんぞう氏と、本作の字幕監修を担当し、「多種多様な人物が登場する『ビートルズ物語』に匹敵するほどの面白さだ」と絶賛するビートルズ研究家の藤本国彦氏。上映後、ジョン・レノンがかぶっている象徴的なビッグシルエットの帽子をモチーフにしたCA4LAコラボのキャスケットをかぶって登場した二人は盛大な拍手で迎えられた。
トークに先だって「初めてメイ・パンを知った人?」を場内に問い受けると、多数の人々が手を挙げた。ビートルズ・ファンと思しき観客が集った劇場でも意外と知られていないことに驚いたサエキが「ビートルズ・ファンは団結しなければいけません。ここで心をバラバラにしてはいけない。事実は事実として受け止めねば」と語りかけた。ビートルズ研究家である藤本氏は「フィル・スペクターとリンゴがうつっているセッションの写真はこれまでに一度も世に出ていない」と劇中で使用される貴重な写真の詳細を明かした。
「『ナウ・アンド・ゼン』でビートルズの物語はすべて語られたと思った後、このタイミングで公開されるというのがビートルズ・ファンにとっては重い。ヨーコさんが大事にビートルズの音源をとっていたことで今のビートルズがある。ヨーコさんの力によってアンソロジーもできたし、今の我々の知るビートルズはヨーコさんによってつくってもらったところがある」とサエキ氏。藤本氏は、「80年のインタビューでジョンが“失われた週末”の時期に希死観念に悩まされたことを明かしていた。衝動的、突発的にそういう部分が出てきてしまうジョンのことを分かった上で付き合っていたメイ・パンは非常に包容力がある。バスに乗ったり、セキュリティの厳しくないアパートで暮らしたり、普通の生活を味わわせてあげたのも、メイ・パンがジョンに与えたことのうちのひとつ」とオノ・ヨーコと離れた時期のジョンを支えてきたメイ・パンの功績をたたえた。
最後に、「ビートルズ・ファンにぜひ観ていただきたい映画」(サエキ氏)、「ポールもシンシアも出てくる、入り乱れた人間模様。メイ・パンのストーリーとしても、ジョン・レノンの物語としてもすごく面白い」(藤本氏)と締めくくった。
上映後のトークとなった本イベントは、本編で描かれたエピソードを順に深掘りしていく形でサエキ氏が進行。ネタバレ満載となった。コアなビートルズ・ファンだけでなく、初めてメイ・パンを知る人も興味津々のレアな内容となった。
公開表記
配給:ミモザフィルムズ
2024年5月10日(金)より角川シネマ有楽町、シネクイント、新宿シネマカリテ、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショー
(オフィシャル素材提供)