イントロダクション
本作は、巨匠マルコ・ベロッキオが、ヨーロッパ現代史上、類を見ない大事件「アルド・モーロ誘拐事件」を題材に、壮大な人間模様を、史実にフィクションを織り交ぜながら力強くも絢爛たる筆致で描き切った一大巨編。1978年3月のある朝、元首相で、キリスト教民主党の党首のアルド・モーロが、極左武装グループ「赤い旅団」に襲われ、誘拐された。冷戦下で混迷を極め、テロリズムや暴動が蔓延り、“鉛の時代”と呼ばれていたイタリアで起きた国家を揺るがす大事件の裏側で、その時一体何が起こっていたのか。ベロッキオは、“羅生門方式”とも言える、事件に関わった人物たちのそれぞれの6つの視点から再構築した。
主演は、『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』(23)での好演が記憶に新しいファブリツィオ・ジフーニ。ベロッキオはジフーニに対して、「彼は疑いの余地なく、アルド・モーロそのものだ。」と語り、ジフーニは、第78回ナストロ・ダルジェント賞、第68回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で最優秀主演男優賞を受賞した。妻エレオノーラ役を演じたマルゲリータ・ブイも、第78回ナストロ・ダルジェント賞で最優秀主演女優賞を受賞。また時の教皇パウロ6世を演じた名優トニ・セルヴィッロは、第68回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞助演男優賞にノミネートされた。ほかにもイタリア映画界を代表する錚々たる俳優たちが脇を固める。
ストーリー
1978年3月のある朝、戦後30年間にわたってイタリアの政権を握ってきたキリスト教民主党の党首であり、5度の首相経験のあるアルド・モーロが、極左武装グループ「赤い旅団」に襲撃、誘拐されてしまう。世界が注目し、イタリア中が恐怖に包まれたその日から55日間の事件の真相を、アルド・モーロ自身、救出の陣頭指揮を執った内務大臣フランチェスコ・コッシーガ、モーロと旧知の仲である教皇パウロ6世、赤い旅団のメンバーであるアドリアーナ・ファランダ、そして妻であるエレオノーラ・モーロの視点から描く。
(原題:Esterno notte、2022年、イタリア、上映時間:340分)
キャスト&スタッフ
監督・原案・脚本:マルコ・ベロッキオ
原案:ジョヴァンニ・ビアンコーニ、ニコラ・ルズアルディ 原案・脚本:ステファノ・ビセス
脚本:ルドヴィカ・ランポルディ、ダヴィデ・セリーノ
撮影監督:フランチェスコ・ディ・ジャコモ
編集:フランチェスカ・カルヴェッリ
美術:アンドレア・カストリーナ
衣装:ダリア・カルヴェッリ
録音:ガエターノ・カリート
音楽:ファビオ・マッシモ・カポグロッソ
製作:ロレンツォ・ミエーリ、シモーネ・ガットーニ
出演:ファブリツィオ・ジフーニ、マルゲリータ・ブイ、トニ・セルヴィッロ、ファウスト・ルッソ・アレジ、ダニエーラ・マッラ
ギャラリー
予告編
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公式X:@yorusoto2024
公開表記
配給:ザジフィルムズ
8/9(金)、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次ロードショー!
(オフィシャル素材提供)