インタビュー

『HOW TO BLOW UP』ダニエル・ゴールドハーバー監督 インタビュー&メッセージ映像&場面写真解禁!

© Wild West LLC 2022

 『パラサイト 半地下の家族』『燃ゆる女の肖像』のNEONが配給し、エドガー・ライトやデヴィッド・ロウリーなど新進気鋭の監督達が絶賛! Z世代の環境アクティビストたちの命懸けの石油パイプライン爆破を描き、FBIが「テロを助長する」と警告した注目作『HOW TO BLOW UP』が6月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開する。

 地球温暖化が進み、気候変動の脅威が差し迫る最中でテキサス州の石油精製工場を即席の爆弾で破壊しようとする8人の若者たちを描き、その過激さと危険さに議論を呼んだエコ・スリラー『HOW TO BLOW UP』。ダニエル・シャイナート(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』2022)やエドガー・ライト(『ラストナイト・イン・ソーホー』2021)などの新しい才能が年間ベストに挙げ、賛否両論を巻き起こしながらもスマッシュヒットを記録した。
 監督を務めるのは、気候科学者の両親を持ち、気候変動についてのドキュメンタリーからキャリアをスタートさせたダニエル・ゴールドハーバー。環境問題の緊急性を鑑み、構想からわずか19ヵ月でスクリーンに命を吹き込んだ。キャストには『マーベル ランナウェイズ』で社会活動家のGert Yorkesを演じたアリエラ・ベアラー、カンヌ映画祭でグランプリを受賞した『アメリカン・ハニー』で主演を演じたサッシャ・レイン、『ユーフォリア』『ホワイト・ロータス』『YOU』などに出演する人気俳優ルーカス・ゲイジ、『アイム・スティル・ア・バージン』『アシスタント』のクリスティン・フロセス、『レヴェナント:蘇えりし者』でレオナルド・ディカプリオの息子を演じたフォレスト・グッドラックなど新しい才能が集結した。

FBIが警告!社会の注目を集める「環境アクティビズム」を描くエコスリラー!波紋を呼んだ原作の映像化について語る、ダニエル・ゴールドハーバー監督のインタビュー解禁!

 原作は、スウェーデンの気候変動学者アンドレアス・マルムが2021年に著したノンフィクション『パイプライン爆破法 燃える地球でいかに闘うか』。革命は、非暴力を重んじる戦略的平和主義や市民的不服従よりも、「サボタージュ(財物を破壊する活動)」や「暴力的な直接行動」が成功をもたらしてきたことを論じたこの本は、美術館での抗議活動を展開するジャスト・ストップ・オイルのムーブメントとも結びつきながら、大きな波紋を呼んでいる。本作は原作のエッセンスを残しながらも、それを物語の形に大胆に改変。公開されるや否や、「危険分子が映画に着想を得て、爆発物やその他破壊装置で石油ガスインフラを狙う可能性がある」とFBIが警告し、内部文書が警察、政府、その他インフラを反故する関連各所にも配布されるなど波紋を呼んでいる。

 監督のダニエル・ゴールドハーバーは、『パイプライン爆破法 燃える地球でいかに闘うか』の映像化について「映像化までの過程は、おそらく私が経験した中で最も複雑で、同時に最もエキサイティングな執筆プロセスでした。出発点は、経済学の専門家でもある共同脚本家のジョーダン・ショールでした。彼はこの本を勧めてきて、『アメリカ映画がライセンスにしか興味を持たない時代に、評論を映画化するのは悪くないアイデアだ』と言いました。それを数ページ読むと、砂漠で爆弾を作る子どもたちのイメージが私の頭に浮かびました。そこで、『この本のタイトルを文字通りに表現するのはどうか?』と考えました」と振り返る。
 本作は、若者たちの行動の背後にあるさまざまな動機を垣間見せながら、フラッシュバック構造により過去と現在を交差させ、導火線の火花のように全編にわたる緊張感を生み出した。「我々はアメリカの反テロリズム専門家と接触し、彼は3インチの鋼製パイプラインを破壊するために必要な爆弾の製造方法を詳しく教えてくれました。我々はその後、石油パイプラインを破壊する方法を考案するのを助けてくれる複数のパイプライン・エンジニアにもアプローチしました。また、我々は環境活動家の数人(そのうちの何人かはその活動のために投獄されていた)と話し、組織の実用的な手段や、 過激な行為に参加するという感情的な体験についてより深く理解するためにインタビューも行いました。我々の物語は単一の主人公に焦点を当てているわけではなく、むしろさまざまな背景から集まった集団を追っています。我々は脚本段階において、我々の文化的知識を拡大し、我々のキャラクターに信憑性を与えました」と、繊細な若者たちの背景や心情、そしてパイプライン爆破へのリアルさを追求したという。

 特徴的なのは、『レザボア・ドッグス』(1992)や『オーシャンズ 11』(2001)あるいはジャン=ピエール・メルヴィル作品などの影響を受け、過激な政治理論をまるで強盗映画の如く仕立てていること。本作をジャンル映画に仕立てたことについて、監督は「それはできるだけ幅広い観客を引き付けるための方法でした。しかし、活動主義が主流のテーマになるには、それを取り上げる主流の映画が必要です。エンターテイメント映画が政治的なメッセージを伝えることができないだけでなく、中身も乏しいという考え方は、主要な映画会社(右派に政治的に傾いている)の責任です。映画監督は自分に何かを伝える責任を主張し、自分の意見が聞かれるよう努力するべきだと思います」と呼びかける。

 さらに、「この映画は主に2つの問題を提起しています。1つは『気候変動により、化石燃料産業の持続的な実践によって世界は銃口を向けられていることを私たちは皆理解していますが、それを変えるために暴力や破壊を行うべきなのか、または行わないべきなのか』という点です。もう1つの点として、『HOW TO BLOW UP』は、非常に異なるバックグラウンドを持つ8人のキャラクターを集めています。彼らは自分たちのために取るべき行動に合意できるのでしょうか? 映画は活動主義についての議論が無駄であるか、失敗しているかを強調してきた方法に終止符を打たなければなりませんでした」と、現代の世代が社会や政治の闘いを進めるための映画だと語る。あわせて、監督より日本の観客へのメッセージも到着! 「日本公開は本作が初めてなので、劇場公開にとてもワクワクしています。ぜひ映画を楽しんで、映画について話し合ってください」と呼びかけている。

 さらに場面写真も解禁。環境活動家の若者たちが石油パイプライン爆破に向け爆弾を作る様子など着々と計画を進めていく姿に加え、反抗的なエコ・テロリストのカップル、ローガン(ルーカス・ゲイジ)とロウアン(クリスティーン・フロセス)の姿を捉えた写真など、若者たちの怒りやエネルギーや伝わる場面写真となっている。

 『HOW TO BLOW UP』は、ただの映画ではない。コロナを経験し、世界中で持続可能な未来への意識が 高まる今、この作品は悪化し続ける気候危機に対する喫緊の行動への呼びかけであり、未来を担う世代が人に目を開かせるべく仕掛けるダイナマイトなのだ!

公開表記

 配給:SUNDAE
 2024.6.14 Fri ヒューマントラストシネマ有楽町、池袋HUMAXシネマズ、シネマート新宿 ほか全国ロードショー

(オフィシャル素材提供)

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