長寿の伝説の偉人たちを撮り続けてきた河邑厚徳監督の、料理研究家・辰巳芳子(現在99歳)を追った『天のしずく 辰巳芳子いのちのスープ』(12)、日本初の女性報道写真家・笹本恒子(享年:107歳)とジャーナリスト・むのたけじ(享年:101歳)を追った『笑う101歳×2 笹本恒子 むのたけじ』(17)、俳人・金子兜太(享年:98歳)を追った『天地悠々 兜太・俳句の一本道』(19)の3作のドキュメンタリー映画が、一度に観られる特集上映“勇気をくれる伝説の人間記録”の開催が決定。
今回上映する3作品は、ゴールに向かってどう生きようかと考える人へのたくさんの励ましがある。4人の生き様は多様だが、共通して、命の素晴らしさを映画の中に残している。人間はいつか死を迎えるが、それをマイナスではなくプラスと考えて生きた4人の生き様を残した大変貴重な作品となっている。
『天のしずく』の朗読は、生誕九十年記念映画『九十歳。何がめでたい』が公開となった草笛光子、『天のしずく』と『笑う101歳×2』の語りは、俳優・司会で活躍するほか、私生活では妻、6人の子ども、父、義母の大家族の夕食担当として料理の腕をふるっているという谷原章介、『天地悠々』の朗読は書家でもある俳優の本田博太郎、語りはアナウンサーの山根基世が担当している。
本特集上映は、「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」敬老の日と、「祖先を敬い、亡くなった人々を偲ぶ」秋分の日を含む、9月10日(火)〜9月23日(月・祝)に東京都写真美術館ホールにて上映される。《※9/17(火)を除く》
9月10日(火)の初日及び土日祝は、9月10日(火)16:00の回及び9月22日(日)16:00の回以外は、河邑厚徳監督の上映後トークイベントを予定。
『天地悠々』は、初日9月10日(火)10:30の回上映後に、作家/クリエーターのいとうせいこう氏、『天のしずく』は、9月14日(土)13:20の回上映後に、料理研究家の対馬千賀子氏&大豆100粒運動を支える会理事の種子島幸氏、9月15日(日)10:30の回上映後に、患者さんや医療従者のために辰巳芳子のスープを作っている“いのちのスープ”の実践者であり、映画にも登場する緩和ケア医の田村祐樹氏、9月16日(月・祝)13:20の回上映後に、辰巳が監修した絵本「まほうのおまめ だいずのたび」の作者である松本雪野氏(絵本作家・イラストレーター)と担当編集者である渡辺彰子氏及び藤田淑子氏のゲスト登壇が決定している。
この度、特集上映を前に、特集上映の特報と、『天のしずく 辰巳芳子いのちのスープ』のプロデューサーで、65周年を迎え、“テレビ料理番組の最長放送”としてギネス世界記録に認定された「きょうの料理」を30年間担当してきた矢内真由美のコメントが到着した。
『天のしずく 辰巳芳子いのちのスープ』矢内真由美プロデューサー コメント
映画から「生きる希望」がもらえます。「食べること」をしっかりやっていることで、日日の活動になり、心と体を自分で守る力になります。「食べること」は、最も身近なことですが、それを大事にしていくことで、“生きる光”になっていく。1つでも光があると人間はその方向へ向かって進めます。“食”を頼りに生きていく。それを『天のしずく』から見て取っていただけると幸甚です。そして、そこからもっと広い世界が見えると思います。初上映から12年経ちますが、色あせることはありません。“食といのち”、その先にあるものを感じてください。
上映作品
『天のしずく 辰巳芳子いのちのスープ』
(2012年、日本、上映時間:113分)
監督・脚本:河邑厚徳
出演:辰巳芳子
朗読:草笛光子
語り:谷原章介
食べものを用意することは、いのちへの祝福
嚥下障がいでとろみのあるスープのみ喉を通った父に作っていたスープを、父の死の直後からは訪問看護のボランティアで隣人に配り、そしてスープ教室で伝授してきた料理研究家・辰巳芳子。1口2口がなくなると、数日で天国に逝かれる患者を目の当たりにしてきた医師は、病院の緩和ケア病棟でスープを配り、「辰巳さんのスープは素材を感じるので、引き出しが開いて思い出が出てくる」と1口の大切さを実感。ある日、辰巳の元に、親友が癌になり、「何かしてあげられることはないか」とスープを作ったというハンセン病の女性から手紙が届き……。
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『笑う101歳×2 笹本恒子 むのたけじ』
(2016年、日本、上映時間:91分)
監督・脚本:河邑厚徳
出演:笹本恒子、むのたけじ
語り:谷原章介
音楽:加古 隆
日本初の女性報道写真家と伝説のジャーナリスト。女と男。
同学年の日本初の女性報道写真家・笹本恒子とジャーナリスト・むのたけじは、それぞれ子どもの頃から「反戦運動」がダメという大人や、中国人や朝鮮人をバカにする大人をおかしいと思っていた。むのは、1945年8月15日の敗戦を機に、「権力を恐れ、本当の戦争の姿を伝えられなかった。もう嘘は書かない」と新聞社を退社。笹本は、「終戦の日に存在を知って、ずっと会いたかった」というむのと、2014年に「100歳討論」で初対面。二人の生涯を振り返りながら、むのが2016年「憲法集会」で車椅子で名演説を行い、その後亡くなるまで人間の命の重さと軽さと責任能力を問い続けた生き様を追う。
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『天地悠々 兜太・俳句の一本道』
(2019年、日本、上映時間:74分)
監督・脚本:河邑厚徳
出演:金子兜太
朗読:本田博太郎
語り:山根基世
世界で最も短い詩「俳句」に人生を懸けた金子兜太
“詩というものの本当”を目指し、有季定型の伝統にとらわれず、人間と社会の自由な表現に挑んできた俳人・金子兜太。海軍としてトラック諸島で太平洋戦争を体験し、「この人たちに尽くせることをやりたい」と26歳で帰国。以降、びくともしない平和を基礎として、戦後俳句の第一人者として活躍。
春落日しかし日暮れを急がない
と「もっと腰を落ち着けて生きていけばいい」と詠んでいた、2012年から2018年に最期を迎える直前まで足かけ7年間のインタビューを織り交ぜ、生涯を追う。
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©ピクチャーズネットワーク株式会社
特集上映“勇気をくれる伝説の人間記録”
9月10日(火)〜9月23日(月・祝) 東京都写真美術館ホールにて公開
主催:ルミエール・プラス
協力:環境テレビトラスト、ピクチャーズネットワーク
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当日券(税込):一般 1,800円、大・専門・高校生1,500円、中学生以下(3歳〜)、シニア(60歳以上)、障害者手帳をお持ちの方(介護者2名まで) 1,200円
リピーター割:本特集上映いずれかの座席指定券半券のご提示で、本特集上映の他の作品を1,000円でご覧いただけます。
(オフィシャル素材提供)