岡本 玲主演、上村奈帆脚本、石橋夕帆監督の映画『ひとりたび』が、10月2日より開催予定の第29回釜山国際映画祭コンペティション部門への正式出品とワールドプレミア上映が決定した。
東京で働く32歳の美咲(岡本 玲)は、10年間勤めていた会社に居づらくなり退職。将来が見えないまま実家に帰ることにする。地元で開催された同窓会で、初恋の相手が2年前に亡くなっていたことを知る美咲。空っぽであった美咲の心が、初恋の思い出で埋め尽くされていく……。
仕事に恋愛、人生に行き詰まった30代の女性が学生時代に経験した「初恋」の記憶を頼りに、自分の人生を見つめ直す姿を描いた映画『ひとりたび』。主演は、2003年にモデルとしてキャリアをスタートさせ、主演作『茶飲友達』(23/外山文治監督)ほか、ドラマ・映画・CM・舞台など多方面で活躍を広げる岡本 玲。主人公と同年齢の役柄を等身大で演じている。監督は、初⻑編『左様なら』が全国20館以上で公開され、続く⻑編2作目となる『朝がくるとむなしくなる』では第18回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門「JAPAN CUTS AWARD」を受賞、台湾・韓国で劇場公開され年内にフランスでの公開を控えている石橋夕帆。そして脚本に、『市子』(23/戸田彬弘監督)、自身で監督と脚本を務めた『三日月とネコ』(24)、ドラマ「夫を社会的に抹殺する5つの方法」などで注目を浴びる上村奈帆が参加している。生まれが91年の岡本、90年の石橋、88年の上村という主人公と同世代の3名によって、30代女性が抱える将来への不安と過去の思い出との邂逅を繊細に紡がれていく。
映画祭への出品の知らせを受け、岡本、石橋、上村の3名よりコメントが到着。岡本は、石橋から企画を聞かされた3年前を振り返り「釜山国際映画祭という大舞台に羽ばたいて行くこと、とても嬉しく思います」と喜びを綴っている。石橋は、「大人になると傷ついたことに向き合えなくて、自分の心に蓋をしてしまうことが多くなる気がします。それでも、どんなにみっともなくとも、自分の中にある想いも執着も否定したくなくてこの作品を撮りました」、上村は「試写会ではじめて鑑賞し、岡本 玲さんをはじめ、キャストの皆さんが魅力的でずぅっと見つめていたい思いに掻き立てられました。美しい映像にも引き込まれます」と本作への想いを語っている。
アジア最大級の映画祭で、作家性や個性の際立つ日本映画を発掘してきた釜山国際映画祭。本作がノミネートされたジソク部門(Jiseok部門)は、新人監督を対象としたニューカレンツ部門と並ぶコンペティション部門で、今年は本作を含む8本の作品がキム・ジソク賞を競う。日本から過去には、『羊の木』(18/吉田大八監督)や『楽園』(19/瀬々敬久監督)、前回は『市子』と『月』(23/石井裕也監督)など話題作が出品されており、今年は石橋監督にとって長編3作目となる『ひとりたび』が選ばれた。今回、本作からは石橋夕帆監督の渡韓が決定しており、授賞式は10月11日に開催される。
尚、映画『ひとりたび』の国内配給が決まり、2025年に劇場公開予定。
コメント
岡本 玲(主演)
『ひとりたび』が釜山国際映画祭で上映されることになり、驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。
3年前、喫茶店で企画書を手にし真っ直ぐな瞳で想いを伝えてくださった石橋監督の『ひとりたび』が、釜山国際映画祭という大舞台に羽ばたいて行くこと、とても嬉しく思います。
監督と一緒に、役とともに旅を続けてきました。
皆さんのこころへ届くことを心から祈っています。
プロフィール
1991年6月18日生まれ、和歌山県出身。2003年、第7回雑誌「ニコラ」専属モデル・オーディションでグランプリを獲得し、デビュー。以後、ドラマ・映画・CM・舞台と多方面で活躍中。主な出演作に、NHK 連続テレビ小説「純と愛」(12-13)、「わろてんか」(17-18)、映画『弥生、三月-君を愛した30年』(20/遊川和彦監督)、『茶飲友達』(23/外山文治監督)、舞台「レオポルトシュタット」(22)、「デカローグ」(24)など。10月3日から舞台「Come Blow Your Horn〜ボクの独立宣言〜」の上演を控える。
石橋夕帆(監督)
3年前、主演の岡本玲さんにお会いして作品やお互いのことについて、さまざまなお話をさせていただきました。やっと作品を形にできたこと、そして大変光栄なことに釜山国際映画祭への正式出品が決まったこと、心から嬉しいです……!
大人になると傷ついたことに向き合えなくて、自分の心に蓋をしてしまうことが多くなる気がします。それでも、どんなにみっともなくとも、自分の中にある想いも執着も否定したくなくてこの作品を撮りました。ワールドプレミアでどのようなご感想をいただけるか、今からとても楽しみです。
プロフィール
1990年生まれ、神奈川県出身。初長編作品『左様なら』(2018)が大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門に入選。全国20館以上で公開。長編2作目『朝がくるとむなしくなる』(23)が大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門にてJAPAN CUTS AWARDを受賞、JAPAN CUTSに正式出品される。国内で15館で公開され、韓国、台湾でも公開。今後、フランスでの公開を控えている。本作品が、長編3本目となる。
上村奈帆(脚本)
自分にとって否応なしに特別だったあの子にとって、では自分はどんな存在だったのだろう。
ほんの小さなきっかけだけで、あっという間に引き摺り戻されるあの頃の気持ち。そんな記憶を手がかりに、石橋夕帆監督たちとともにつむいだオリジナル脚本。
皆さんと打ち合わせている時、一人で書いている時、毎回とてもとても楽しかった。
時々苦しくって、でもそれでいんだよね、と思えた。
石橋監督が見つめる景色、その完成がずっと楽しみでした。
試写会ではじめて鑑賞し、岡本 玲さんをはじめ、キャストの皆さんが魅力的でずぅっと見つめていたい思いに掻き立てられました。美しい映像にも引き込まれます。
『ひとりたび』を釜山国際映画祭でお披露目できること、胸がいっぱいです。
石橋夕帆監督、岡本 玲さん、関係者の皆さん、心からおめでとうございます。うれしいなぁ。
一人でも多くの方に、彼女の旅が届きますように。
プロフィール
1988年生まれ、千葉県出身。日本映画学校卒業(現・日本映画大学)、映画美学校脚本コースを経て脚本家・映画監督として活動。主な作品として、映画『蒼のざらざら』(14)、『書くが、まま』(18)、『根矢涼香、映画監督になる。』(19)、『三日月とネコ』(24)、23年のドラマ「夫を社会的に抹殺する5つの方法」(TX)、「僕らの食卓」(BS-TBS)、「カメラ、はじめてもいいですか?」(BS東急)などで脚本・監督を務めた。また、『ばぁちゃんロード』(18/篠原哲雄監督)の脚本を、漫画「ザッケン!」(小学館)では原作を担当するなど、活動の幅を広げている。
ストーリー
東京で働く32歳の美咲は、10年間勤めていた会社に居づらくなり退職。将来が見えないまま実家に帰る。地元で開催された同窓会で初恋の相手が2年前に亡くなっていたことを知り、空っぽだった美咲の心が初恋の思い出で埋め尽くされていく……。
(2024年、日本、上映時間:94分)
キャスト&スタッフ
出演:岡本 玲
長村航希、坂ノ上茜、岩田 奏、石山愛琉
日高七海、里内伽奈、中山求一郎、長友郁真/濱田マリ
原 日出子、平田 満
監督:石橋夕帆
脚本:上村奈帆
撮影:関 瑠惟
プロデューサー:田中佐知彦
主題歌:ん・フェニ「おもうたび」作詞・作曲:ん・フェニ(ビクターエンタテインメント/CONNECTUNE)
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公式X(旧Twitter)/Instagram:@hitoritabi_film
公開表記
配給:イーチタイム
2025年 日本公開予定
(オフィシャル素材提供)