第81回ヴェネチア国際映画祭のオリゾンティ・コンペティション部門にて、現地時間9月2日(日本時間9月2日)、空 音央監督『HAPPYEND』がワールドプレミア上映を迎えた。今回、現地には、空監督をはじめ、本作がデビュー作となった期待の新星、日高由起刀らメインキャストも参加。上映終了後には、1400席の劇場を埋め尽くした観客より鳴り止まない拍手と熱い歓声が送られた。
空監督は前作『Ryuichi Sakamoto | Opus』(23)も昨年のヴェネチア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティションで上映されており、2年連続のヴェネチア参加となるが、今回の『HAPPYEND』は彼の長編劇映画デビュー作であり、同映画祭で今年唯一オリゾンティ・コンペティション部門に出品された日本映画ということでも注目度が高く、チケットは発売と同時にほぼ完売に。上映後に行われたQ&Aでも、熱のある質疑応答が飛び交った。
Q&Aに参加したのは、空 音央監督、主人公の1人コウ役の日高由起刀、仲間のアタちゃん役の林 裕太、ミン役のシナ・ペン、トム役のARAZI(アラージ)。 ※もう1人の主人公ユウタ役の栗原颯人は欠席。
ありえるかもしれない未来を生きる高校生が主人公の本作。若者たちを主人公にした映画を撮ったことに対し「高校時代は、大人ではないが、大人の世界に足を踏み入れ始めているという曖昧で多感な時期。当時を振り返り、自分がもっと友達について気づいてあげるべきだったこと、もっと友達に自分のことを知ってほしかったことなど、親友との日々や関係性を描こうと思った」と空監督。また、日高らキャストも、自身のバックグラウンドに似た役柄を演じ、演技経験がないながらも空監督とキャストで多くの時間を共にし、お互いに友情を育んだことでリアリティのある映画になったと思うと述べるなど、それぞれにとってパーソナルで特別な映画であることを語った。
上映後も、多くの観客が空監督及びキャストの元に押しかけて熱く感想を語り写真撮影を求めるなど、観客の熱狂が見受けられた。
ワールドプレミアを終えた空監督は「上映の後、本当にたくさんの人が僕に映画の感想と共に自分の話をしてくれました。この映画は日本の話ですが、世界の多くの人が似たような感情を抱いているのだと感じました。この映画が自分に刺さったと皆さんが話してくれて、感慨深いです」と語った。
海外プレスからも高い評価を受けており、「空は巧みなバランス感覚で、ほろ苦く切ない学校卒業前の大人になる過程のドラマを、温かい観察眼と学校という世界の縮図を通した社会性を示しながら見事に描いた。若いキャストが魅せる自然体の演技によって、映画の冒頭からコウとユウタとその仲間たちの物語に引き込まれ、大きな余韻を残してくれる」(米:The Hollywood Reporter)、「空には、完璧な構図で映像を構築する才能があり、効果的なショットによって登場人物たちが生き生きとしている」(伊:Movieplayer)など、本作及び空監督の手腕、キャストの演技を絶賛するレビューが上がっている。
本作は、第81回ヴェネチア国際映画祭の後、第49回トロント国際映画祭、第62回ニューヨーク映画祭、第29回釜山国際映画祭での上映も決定! 10月4日(金)より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開となる。
公開表記
配給:ビターズ・エンド
10月4日(金) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
(オフィシャル素材提供)