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グレッグ・アラキ監督作『ドゥーム・ジェネレーション』『ノーウェア』待望のリバイバル公開決定&ティザービジュアル解禁

©1995 UGC and the teen angst movie company
©1997. all rights reserved. kill.

 異性愛を常識とする当時の概念や、それを支えてきた映画のあり方に対抗した90年代の<ニュー・クィア・シネマ>というムーブメントを牽引し、インディカルチャーの旗手として知られるグレッグ・アラキ監督作『ドゥーム・ジェネレーション』(劇場公開:1996年7月6日)『ノーウェア』(劇場公開:1998年8月3日)が約30年の時を経て待望のデジタルリマスター版でリバイバル公開が決定した。

11月8日(金)より『ドゥーム・ジェネレーション デジタルリマスター版』、11月15日(金)より『ノーウェア デジタルリマスター版』が渋谷ホワイトシネクイントほかにて全国順次公開! また、あわせてティザービジュアルとメイン写真(各1点)も解禁となった。

 今回、リバイバル公開が決定したのは、一貫してティーンエイジャーを主人公に同性愛者のリアル・ライフを描いてきた彼が、プロデューサーからの「異性愛映画を撮ったら制作予算をあげよう」という提案に対し、彼なりの反骨精神あふれるパンクなやり方で、「表向きは“異性愛映画”としつつも、“史上最もクィアな異性愛映画”を作りたかった」と語る『ドゥーム・ジェネレーション』。そして、監督自身も「3部作の中で間違いなく最も野心的な作品」と評し、まるでジェット・コースターのようなスピード感で若者たちの<終末の日>の一夜を描いた『ノーウェア』。この2作品に『トータリー・ファックト・アップ』(1994)を加えた3作は<ティーン・アポカリプス・トリロジー>と称され、いずれの作品もティーンエイジャーの若者たちを描いている。その理由についてグレッグ・アラキは「ティーンエイジャーの映画を作るのが好きなんだ。彼らの“ホルモンが狂った生活”には、忘れられない高揚感がある。彼らは1日に10回生きては死ぬような興味深い題材であり、私がこの世界について感じていることを体現している」と語っている。また同時に、自身の映画を「アウトサイダー、パンクス、クィア、社会やコミュニティに馴染めない人たちのためのもの」と位置付け、<ニュー・クィア・シネマ>というムーブメントを牽引した。
 今回、解禁となったのは2作品を組み合わせた合同のティザービジュアル。『ドゥーム・ジェネレーション』の写真は、ヒロイン・エイミー(ローズ・マッゴーワン)が煙草をくわえて目を伏せた表情を捉えたもの。黒のボブスタイルと真っ赤なリップからは芯の強さがうかがえる。
 『ノーウェア』の写真は、主人公ダーク(ジェームズ・デュバル)と惹かれ合う青年モンゴメリー(ネイザン・ベクストン)がベッドの上で裸で見つめ合っている、ロマンスの予感と同時にどこか不穏な気配も漂う2ショット。若者たちの生命力と激しいエモーションを感じさせるヴィヴィッドな色彩が印象的だ。

サンダンス映画祭が今、再評価する才能

 2023年のサンダンス映画祭にて、このリマスター版が上映されると「今回の映画祭で観た中で最も大胆で素晴らしい映画は28年前に作られたグレッグ・アラキの『ドゥーム・ジェネレーション』だった。この作品はX世代の不安や焦燥感を描いた暴力的でエロティックな衝撃作だ」(Indiewire誌)と絶賛された。『ドゥーム・ジェネレーション』は1995年にサンダンス映画祭にてプレミア上映され、当時の常識を超えた性表現に、観客にも衝撃をもたらした。そこから約30年の時を経て2023年にサンダンス映画祭を主催するサンダンス協会が選出するフィルム・アーカイブ・コレクションに『ドゥーム・ジェネレーション』『ノーウェア』が選出され、協会の支援も受けデジタルリマスターされた。このコレクションには『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999)、『リアリティ・バイツ』(1994)、『セックスと嘘とビデオテープ』(1989)など、これまでサンダンスが生んできた名作が並ぶ。
 30年近く経った今もなお人々の記憶に残り続けている幻の衝撃作が、公開当時にはそのストレートな性表現から映画公開のレーティング評価ができないという事情でやむなくカットされたシーンも含めた貴重なディレクターズカットとして、色鮮やかに、そして刺激的に今蘇る!

グレッグ・アラキ 監督プロフィール

 1959年、ロサンゼルス生まれ。サンタバーバラで育った日系三世。自身もゲイであることをオープンにしており、同性愛、ティーンエイジャーをテーマとした作品を多く制作。自身を形成したものは「クィアネスとセクシャリティ、そしてオルタナティブ・ミュージック」と語るように、彼の作品にはシューゲイザーやオルタナティブ・ロックなど作品を盛り上げ感情を揺さぶる音楽がプレイリストのように多用され、登場人物のセクシャリティも実に多様なことが特徴。90年代ニュー・クィア・シネマを牽引した作家の1人。カリフォルニア大学サンタバーバラ校で映画を専攻したのち、南カリフォルニア大学映画芸術学部 映画・テレビ制作学科で芸術修士号を取得。これまでサンダンス映画祭をはじめ、カンヌ、ベルリン、ヴェネチア、トロント等、名だたる映画祭で彼の作品は上映され、ロカルノ映画祭では『途方に暮れる3人の夜』(1987)で3つの賞を受賞。『カブーン!』(2010)では同年のカンヌ国際映画祭のクィア・パルムを受賞するなど高く評価を受けている。その他『ブリザード 凍える秘密』(2014)、『ミステリアス・スキン 謎めいた肌』(2005)、『スプレンダー 恋する3ピース』(1999)、『トータリー・ファックト・アップ』(1994)、『リビング・エンド』(1992)など、高く評価された11本のインディペンデント映画を制作している。また、2015年にはアパレル・ブランドKENZOのコレクション・オリジナル・ムービー『Here Now』を制作。彼のオリジナリティ溢れる作風はファッション界でも高く評価されている。近年では、TVシリーズ『ナウ・アポカリプス 〜夢か現実か!? ユリシーズと世界の終わり』(2019)にて監督・脚本・製作を努める他、『13の理由』(2017-18)『ダーマー』(2022)などのNetflixドラマシリーズの数エピソードを監督している。さらに、今年、オリヴィア・ワイルド主演、本人も監督のファンだと公言するチャーリーXCXやコッパー・ホフマン等出演の監督作「I Want Your Sex」を準備していることが発表されている。

作品情報

『ドゥーム・ジェネレーション デジタルリマスター版』

©1995 UGC and the teen angst movie company

 監督・脚本・編集:グレッグ・アラキ
 出演:ローズ・マッゴーワン、ジェームズ・デュバル、ジョナサン・シェック
 製作:グレッグ・アラキ、ニコル・アルビブ、アンドレア・スパーリング

原題:The Doom Generation/1995年/アメリカ・フランス/カラー/ビスタ/5.1ch/英語/84分/日本語字幕:佐藤 南/映倫区分:R-15+)

 配給:パルコ 宣伝:パルコ、SUNDAE

『ノーウェア デジタルリマスター版』

©1997. all rights reserved. kill.

 監督・脚本・編集:グレッグ・アラキ
 出演:ジェームズ・デュバル、レイチェル・トゥルー、ネイザン・ベクストン、キアラ・マストロヤンニ、デビー・マザール 他
 製作:グレッグ・アラキ、ニコル・アルビブ他

原題:Nowhere/1997年/アメリカ・フランス/カラー/ビスタ/英語/5.1ch/83分/日本語字幕:長 夏実/映倫区分:R-15+)

 配給:パルコ 宣伝:パルコ、SUNDAE

公開表記

 配給:パルコ
 11月8日(金) ドゥーム・ジェネレーション デジタルリマスター版
 11月15日(金) ノーウェア デジタルリマスター版
 渋谷ホワイトシネクイントほか全国順次公開

(オフィシャル素材提供)

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