登壇者:河合優実、山中瑶子監督
公開初日より都内を中心に満席回が続出、Filmarks初日満足度ランキングでは邦画実写1位となるなど、大きな熱狂を呼んでいる! SNSでは河合優実と山中瑶子監督が生み出した、圧倒的なエネルギーを放つ中毒性を持つ主人公カナに魅せられた声が相次ぎ、熱狂を呼び起こしている『ナミビアの砂漠』。この熱気をそのままに大ヒット御礼舞台挨拶が開催された!
9月17日(火)には都内映画館で大ヒット御礼舞台挨拶が実施され、主演の河合優実、山中瑶子監督が登壇した。
東京で生きる21 歳のカナを演じた河合は公開初日のイベントで「映画はここから旅立つので、祈りながら見守っていきたいです」とコメントを残していたが、そこから今回の大ヒットを受けて「自分の好きな映画館で舞台挨拶ができて嬉しいです」と挨拶。「身近な人や友人が今年見た中でぶっちぎりで好きですと言ってくれました。関係者の方も映画館に観に行ってくれていて、いろんな人が楽しみにしていたんだなと実感しました」と大ヒットを喜んだ。
山中監督も「このBunkamura ル・シネマ 渋谷宮下で上映していただきたいという強い想いで映画を作りました」と続け、満席の観客に向けて「映画を観終わったあと、建物から出て前と後ろを見たらその理由が分かると思います。映画と現実が接続されているんです」とコメント。
主人公カナについて河合は「カナについても(意見が)さまざまで、取材とか受けてもライターさんとか自分自身と重ねる人もいるし、全くの他者として見る人もいる。こんなに多面的な映画なんだと分かった」と話し、山中監督は「共感できるできないが分かれやすいなと公開してから感じました。そうじゃないところでも楽しんでもらえると思っているので、好きなように観ていただきたい」とアピール。
『あんのこと』、『ルックバック』と今年3本目の主演映画、どれも全く違う役どころで、しかもどれも大ヒットという状況について河合は「幸せなことだと思います。それぞれの作品で全く違うチャレンジができたのも一番良かったです。私を違う作品で観てくれた方が、毛色の違う作品も観に来てくれているので、参加できて良かった。ほんとにいろんな意味で幸せだと思ってます」と感謝を綴った。
20代(主人公カナ)のキャラクターを演じたことについて河合は「これまではどうしても年齢的なことで高校生の役とか多かったですし、下の年齢の役を演じることが多かった。『あんのこと』やカナも含めてですが、これからのことを考えると、その時にしかできない役に出合っていけてるなと思ってます」と振り返った。
「今まで見たことのない河合さんを撮りたかった」と話していた監督。河合さん演じるカナの魅力が、SNSでも話題となっているが、カナという役を作りあげる上で河合は「脚本をいただく前から何度か(監督と)お会いしてお話する機会があって。作品についてではなく、身の回りのこととか、お互いが感じていること、山中監督が映画で描きたいことを話しました。なので、キャラクターについてゼロから話す必要が無いのがすごく良かったです」と明かし、山中監督は「河合さんとお会いしてこういう映画を作る予定です、とは言わずに、お互いの家族の話とか、東京で今生きている気分・ムードの話をしました。自分一人だと偏ってしまうところですが、友人知人、また全然知らない人など、いろんな人の話をいっぱい聞くことによって、普遍性も得られて多面的なキャラクターになると良いなと思って(脚本を)書いてました」と語る。
ここでSNSで募った質問を二人にぶつけることに。
“感情の波が激しい役柄を演じる際、どのようにして気持ちを切り替えていますか?”という質問に河合は「どんな役でも感情の波はあります。心に定まっているものはないんですけど、ベースとして、今演じている役柄に日常生活でも持っていかれるということは無いんです。できるだけ冷静に自分が演者としてできることは何だろうと考えてます」と答えた。今回演じたカナについても「自分でエンジンをかけないと心が追いついてこないということももちろんありました。ただ気持ちだけ先走って振り回されようということはないです。できるだけ生の気持ちがでるようにしようと心がけました」と答えた。
そんな役者としての河合について山中監督は「地に足がついているというか。河合さんとして現場にいるなと思います。いい意味で河井さんから出てきているカナだなと思います。勘だけでは絶対できない領域にいるな、と感じます」と河合の凄さを撮影では実感したそう。
山中監督へは『ナミビアの砂漠』というタイトルについて、 “他には悩まなかったのでしょうか? 撮影の段階で決めたのか 撮り終わってから決めたのかも気になります”との質問に山中監督は「ナミビア出てこないじゃないか、行っていないじゃないかと思うかもしれませんが、カナにとってのナミビアの砂漠っていうのが、人との距離感だったり、いろいろな物との距離感の象徴としてあるんです。そのアイデアは脚本を書いている途中で浮かびましたが、このタイトルが名画の感じがしてしまって集客には向いてない感じがあるかもと不安になりました。けれど、出来上がったものを観たら、この映画はどう観ても『ナミビアの砂漠』でした」と説明。撮影時にタイトルへの不安を明かされていた河合は正式にタイトルが『ナミビアの砂漠』になったことを聞かせれ「お客さん入らなくていいと思っているのかなと思った」と会場の笑いを誘った。
撮影後に感じたお互いの魅力、新発見したことについては、「(監督は)すごくピュアな人だなと思っていて。自分が信じていることとか、逆に疑っていることも含めて、そこに対する思いが強くてまじりっけが無くて素敵。ずっとそのままでいて欲しい」と伝えると、「どうなってほしくないとかありますか?」と監督から質問に「怖い飲み会とかに行かないで欲しい」と河合。
それを受けて山中監督は「一切ずるくない。打算的なところがない。なんかすごく物事とか人をフラットに見てくれる」と語り、「取り乱して電話した時に、それは山中さんの木本ですから大丈夫ですよって言ってくれた。とっても優しいし、河井さんにも変な人が付かないで欲しい」と続けた。
最後に河合は「ほんとうにいろんな感想を見てますし、すごく満ち足りた気持ちです。なので皆さんも映画がはじまったら、浸る気持ちで観ていただけたら嬉しい。そして何が感じることがあったら、自分の中に残してほしい」と呼びかけ、山中監督は「河合さんが演じたカナっていう21歳の東京近辺に住んでいるという 限定的な人物を描いているので、分かる分からないで楽しんでいただけると思うんですけど、それだけじゃないことも発見してもらったり、持ち帰ってもらえると嬉しいです」と締めくくった。
公開表記
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
公開中
(オフィシャル素材提供)