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『映画 ギヴン 海へ』初日舞台挨拶

©キヅナツキ・新書館/ギヴン製作委員会

 登壇者:矢野奨吾、内田雄馬、中澤まさとも、江口拓也、今井文也、坂 泰斗、浅沼晋太郎

 『映画 ギヴン 柊mix』に続く映画2部作の後編かつ、アニメ『ギヴン』シリーズの完結編としてついに『映画 ギヴン 海へ』が公開を迎え、初日舞台挨拶が行われた。長年愛され続けてきた作品の有終の美を見届けようと大勢のファンが駆けつけ、ライブビューイングも実施される中、矢野奨吾、内田雄馬、中澤まさとも、江口拓也、今井文也、坂 泰斗、浅沼晋太郎が登場。メイン・キャスト7名に会場全体から大きな拍手が送られる中、イベントがスタートした。

 まずは、劇場公開を迎えた率直な気持ちについて、矢野が「原作は10年以上、TVアニメが5年以上続いているたくさん愛される作品に携われて本当に嬉しく思いますし、これまで真冬を演じてくると、自分と真冬の人生がリンクする部分も多く、最後は自身の人生に重ね合わせてのお芝居ができたなと思います。ここまで皆様に応援し続けていただけたからシリーズの完結まで描けたと思っています。本当にありがとうございます」と、長年真冬を演じてきたことを振り返りつつ、ファンへの感謝の思いを語った。

 そして真冬と立夏を中心に描かれる本作を鑑賞して、内田は「ここまで長く演じてきて、思い出すこともたくさんあって。劇中でも過去のシーンがたくさんありましたが、やっぱりその中でも印象的なのは初めて真冬と出会った時のこと。あの時か言葉でなくても通じ合えるようになったと感じます。自分の中で生まれた気持ちを相手に届けられるようになったなと思いますし、一歩ずつ歩いてきてここにつながっているんだなと。たくさんの経験が彼らを前に進ませてきてくれたのを実感できましたね」と、真冬と立夏の成長を語った。

 続いて、春樹、秋彦、雨月の3人の話題へ。MCからの、元々三角関係でもあったお三方へという振りに、「その振り方ちょっと(笑)」(江口)、「僕は、いや、雨月は吹っ切れてますので」(浅沼)と言い会場の笑いを誘った。

 中澤が「付き合ってたのが雨月だと聞くと、春樹もやっぱりびっくりするんだろうな」とイメージを語り、それに対し江口が「絶妙なすれ違いがありますしね(笑)」と話すと、「(秋彦は)隠して言わなそうだしね!」と軽快なツッコミを見せていた。

 そして改めて雨月役を務めてきたことについて浅沼は、「さまざまな恋模様を経て、雨月も真冬の良き理解者に成長したと言いますか。そんな雨月を演じられて感慨深いです。1つの作品でここまで感情が上下する様子を演じられるのもなかなかないですし、光栄でした」と振り返っていた。

 江口は「秋彦はスタートに比べると成長しましたよね。最初は酷い部分も多かったし、天性の紐男でしたので。どこか愛おしい存在ですよね」と、こちらも秋彦の成長を振り返る。

 浅沼から「立派になったな!」と、すかさずツッコミが入り、キャスト陣の仲の良さも垣間見えた。

 また春樹というキャラクターについて、中澤は「春樹は秋彦に対して憧れのような感情があったんですが、秋彦自身のしがらみのようなものが見えたとき、それをどうにかしたくて、でも結局上手くいかなくて。そしてそこから新たに学び、ちゃんと理解し合ったことで、秋彦との絆が深まったと思っています。それが春樹の成長でもあるし、人間の生々しい変化や成長をたくさん感じました」とシリーズを通じての春樹の成長を振り返っていた。

 話題は「syh」の柊と玄純へと移り、本作ではメジャー・デビュー後の初ライブで大成功を収めるなど、真冬らの一歩先を行く2人の関係性について聞かれると、坂が「『ギヴン』の4人より一歩先を行っているので」と話し始め、「マウント取るのか!」と、矢野、内田、中澤、江口の4人から一斉のツッコミが。会場からも笑いが起こった。

 坂は改めて「前作『柊mix』では、柊と玄純の関係性における一言一言にとても重みがあったなと思っています」と振り返り、今井も「そうですよね。この発言がきっかけになるのかなといったシーンも多かったと思いますし、そういった際はお互いいろいろ相談しながら、収録していました」と、強固な関係性を表現するための工夫を明かしていた。

 そして、本作の大きな見どころの1つ、劇中歌「海へ」について。真冬のかつての恋人だった由紀が遺し、立夏が完成させた楽曲だが、初めて聴いた感想について、今井は「言葉が出なかったです。知りたかった部分が音楽に見えたと思いますし、歌詞も天才的ですよね。最後のサビ前の部分が特に好きなんです。出会いや別れなどについての表現が素敵だと思いました」、さらに中澤も「由紀の曲だから「冬のはなし」のフレーズが来るのはわかっていたんですがそれでも泣けました。涙腺が崩壊でした」とそれぞれが想いを語った。
 また、本楽曲でコーラスを担った内田は、「ちょうど今思い浮かんだのが、真冬と由紀というのが、名前の響きからも冬を連想させると感じて。“冬は寒く寂しい気持ちがありつつ、雪が降るとその雪の中で温めて、春に芽吹くための種を育ててくれる”ということ。そんな中で、“それを夏に暖かく照らして伸ばしていってくれる”のが、真冬と立夏であり、やっぱり由紀の気持ちを立夏が立てるのは、とても理にかなっているなと感じました」と自身の考えを語ると、会場からは割れんばかりの拍手が送られていた。
 そんな中で矢野は、「やっぱり由紀も真冬のことが好きなんだなと思いました。その上で、由紀が真冬に音楽を残し、立夏が音楽の中に由紀を見つけ出してくれたので、真冬にとっては、この2人が本当に大切な存在であるということを感じました」と語った。

 続いては「ギヴン」の楽曲「冬のはなし」へ。今作では、立夏がコーラスを務める「冬のはなし -with 立夏ver.-」が劇中歌として披露されている。内田が「コーラスの線がヤバかったです。ギターを弾きながら歌える立夏のテクニックは本当にすごいと思います。そして歌っている時の真冬の顔がたまらないんです(笑)」とお茶目に語ると、矢野は「今回はちゃんとロックバンド「ギヴン」としての楽曲ということで、4人みんなで一歩前に進めたことを感じられたと思います。見てくださった皆様の中にも新しい『冬のはなし』が残っていたら嬉しいと思います」と語り、ファンからも大きな拍手が送られていた。

 そしてトークは最後の挨拶に。
 まずは浅沼が「僕が今回感慨深かったのは、これまでは真冬が“大丈夫”と歌ってくれているのを、今回は雨月が真冬に対して大丈夫と言っているところです。大丈夫という言葉、誰しも言ってあげたいし、言って欲しい言葉だと思うんです。皆様もぜひ本作から受け取って欲しいです」 と客席に想いを伝えた。

 次に坂は「玄純が『この曲ってはこれで完成ってことになるのか』と立夏に問うシーン、あのセリフに、これまた重みを感じることができました。また違う観点で何度でもお楽しみください」 と述べ、続けて今井は、「無事に公開できて嬉しく思います。ライブ・シーンなど、皆でこだわりを持って作り上げた作品です。歌詞について、言葉で作品のいろいろな読み解きができるのも魅力の1つだと思いますので、そういった楽しみ方もしてみてください」 とファンに呼びかけた。

 江口は「本当に皆様のおかげでここまで来れたと思います。ここ5〜6年でコロナ禍など、いろいろなことがありましたが、今ここに皆様に足を運んでいただけたことに感動を覚えています。アニメーションで描かれる楽曲たちが、もしかすると皆様の生活の一部になっているかもしれないですし、そんな皆様の中で一緒に歩めるものを一緒に作ることができて嬉しいなと思っています。ここからも『ギヴン』シリーズを心のどこかに置いて人生歩んでいただければと思います」 とシリーズ全体を通しての想いを伝え、中澤は「TVアニメと『映画 ギヴン』を経て、この2部作に繋げられて、改めてホッとしております。原作、音楽やアニメーションの力が組み合わさって完結までいけたのは本当にファンの皆様のおかけだと思います。僕自身も、何度でも『海へ』を味わいたいですし、エンディングで『結言』を味わいたいですし。浄化されたい気持ちになったら、ぜひ何度でも『映画 ギヴン 海へ』を味わってください」 と語った。

 内田は「本当に長い間演じることができて、幸せに思いながらここまでやってきました。後悔という感情は誰しもにあると思いますが、誰かの温かさで、その人にしかない“しわ”や“味”になっていく。誰かのおかげで辛かったものが、その人なりの糧や力に変わっていく。そんなふうに思える作品でしたし、真冬と立夏が今後どう生きていくかについても、いろいろイメージを膨らませてみてください。本当にここまでずっと幸せでした」とこれまでを振り返りながら思いを語った。最後に、矢野は「『海へ』という楽曲に由紀が残り続けるように、真冬たちの存在も『ギヴン』の楽曲の中に残り続けていくと思っています。さらには『ギヴン』という作品に矢野奨吾という役者が残り続ければ嬉しいですし、この作品が、皆様の人生の中で背中を押してくれたり、記憶の中でずっと生き続けてくれたらこれ以上ない幸せです!」と、作品への愛とこれまで応援し続けてくれたファンへの感謝の思いを伝えた。

 そして会場からは万雷の拍手と大きな声援が送られ、初日舞台挨拶は大盛況の中で幕を閉じた。

公開表記

 配給:アニプレックス
 絶賛上映中!

(オフィシャル素材提供)

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