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『シビル・ウォー アメリカ最後の日』トークイベント

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 登壇者:モーリー・ロバートソン(ジャーナリスト)、 前嶋和弘(上智大学教授)

 A24史上最高のオープニング記録を樹立し、全米興行収入ランキング2週連続1位を獲得した映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(10月4日全国公開)。
 今や世界を席巻するA24が、史上最大の製作費を投じ、アメリカで起きる内戦を描く本作。メガホンを執ったのは、『28日後…』で脚本を担当し、長編デビュー作『エクス・マキナ』で 第88回アカデミー賞®視覚効果賞を受賞する快挙を果たしたアレックス・ガーランド。プレミア上映でも「純粋に言葉を失う」「傑作だ。私の心臓は常に高鳴り続け、最終幕には顎が床についた」「今まで観たどの作品とも違う。最初から最後まで手に汗握る展開。狂おしいほどの緊張感だ」などと絶賛の声が続出し、本国公開前からSNSを中心に大きな話題に。世界71の国と地域で公開を迎え、2週連続で全米1位を獲得している。

 この度、ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏と上智大学の前嶋和弘教授を迎えでのトークイベントを開催!
 本編で描かれる【アメリカ国内での内戦】という衝撃的な設定が、もはやフィクションとは言い切れないほど現実とリンクしていることを揃って指摘。特に劇中に登場する、権威主義的な“3期目”の大統領は監督自身も「トランプを意識した」と明かしているが、7月に続いて2度目のトランプ暗殺未遂事件も起きている中で、ある種【予言】となり得るかもしれない可能性を大いに秘めた本作の要素を語り合った。

 ウクライナやガザ、今まさに起こっている戦争を例に挙げながら、本作の戦争描写の生々しさが、日本でもアメリカ同様「公開後の評価にもつながると思う」と熱く語ったロバートソン。ドローンを使った、まるでビデオ・ゲームをイメージするような残酷な兵器が日進月歩で生み出され続けていることを日々のニュースの中で実感していることを明かし、前嶋も「人の命がどんどん安くなっている」と警鐘を鳴らす。そしてロバートソンは、今も起こり続けている虐殺や悲惨な戦争の報道映像に麻痺しつつある人々に対し「(本作を観て)新たにそういうニュースや刻々と流れてくるものを感じ取る能力を、もう1回研ぎ澄ますことができるんじゃないかな」と評し、「まさにそうだと思う」「本当にリアルなんです」と前嶋も同意。

 その後、<リアリティ>というワードから「本当に、今度の11月5日の大統領選挙以降、こういう世界はあり得るかもしれない」と、自分勝手な大統領によって、劇中で描かれるような内戦状態が現実に引き起こされるかもしれない現在のアメリカの状態を危惧。「この内戦は、モーリーさんがおっしゃったような形でウクライナ戦争にも繋がっていくし、我々が毎日見ているガザの話にもつながってくる」と前嶋は指摘、ロバートソンも「内戦になるともうみんな人間じゃなくなる」「報道秩序と民主主義が壊れるってことは、日本式に言うと、障子一枚、紙1枚隔てたところに混乱があって、その混乱に社会が突入してしまうと、もうみんな人間らしく振る舞わない。お互いに虐殺し合ってしまったユーゴの内戦と同じ」「アメリカが、ボスニアになる」という厳しいメッセージを、本作の監督から感じ取ったことを振り返る。

 そのままアメリカの南北戦争や日本の薩長同盟など多種多様な解説に突入。あらゆる歴史を踏まえつつロバートソンは「なるべく多くの若い方、女性男性問わず感動していただきたい、怖がっていただきたい映画」だと力説、「<みんなが銃を持っているアメリカ>という前提がないので、日本ではこういう内戦は無いと思います」だが、それに乗じて「政治家や政治活動家が、タカを括って無責任にガソリンを火にかけるようなことは日々言っている」と怒り、前嶋も「日本は、まだ、アメリカほどの分断には至っていません。ですが、その種みたいなのはいっぱいあって、我々は絶対に避けないといけない」と警告。日本の分断の火種の一つでもある移民問題、難民問題、性犯罪問題にも触れながら、前嶋は「小さなことを大きくする、その拡大メガホンが、ソーシャルメディア」このままいくと「日本もまずいことになる」と懸念し、ロバートソンは「南北戦争の時代はアメリカと日本は遠かったですが、今はもう世界が一緒になっている」と、他人事ではいられない現実ついて語っている。

公開表記

 配給:ハピネットファントム・スタジオ
 2024年10月4日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

(オフィシャル素材提供)

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