作品紹介

第95回米アカデミー賞®国際長編映画賞パキスタン代表『ジョイランド わたしの願い』WEB限定予告&コメント&新スチール解禁!

© 2022 Joyland LLC

 カンヌ国際映画祭で「ある視点」審査員賞とクィア・パルム賞を受賞、さらにパキスタン映画として初めてアカデミー賞®の最終選考に残り、2023年インディペンデント・スピリット賞外国映画賞など18賞受賞、19賞ノミネート、世界で旋風を巻き起こした話題作『ジョイランド わたしの願い』《10月18日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開》。WEB限定予告編、コメント、新場面写真が解禁された。

 本作はパキスタンの新鋭サーイム・サーディク監督による長編デビュー作。伝統的な価値観に縛られる若き夫婦が、そこから解放されて自分らしく自由に生きたいという願いの間で、揺れ動く姿が繊細に描かれる。
 辛口批評サイト「ロッテン・トマト」でも98%(批評家スコア/7月6日時点)の支持を受け、フランスやアメリカ、イギリスなどでも大ヒットを記録。ところが本国では少数の保守系団体から「LGBTQ+や、彼らとの恋愛を美化して描いた」ことが「社会的価値観や道徳基準にそぐわない非常に不快な内容が含まれており、“品位と道徳”の規範に明らかに反する」と反発を受ける。その圧力に屈した本国政府により、公開1週間前に上映禁止命令が出されるという事態に見舞われる。しかし監督や出演者らの抗議活動に加え、ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイやパキスタン系イギリス人の俳優リズ・アーメッドらから支援の声が上がり、禁止令は撤回。逆境を乗り越えて、本国での上映が実現したことでも注目された。

 WEB限定予告編は、ナレーション・コピーは「家族の愛と、自由に生きたいという願い、二つのはざまで揺れ動く――」。疾走感あるショート・ムービーが完成した。

 コメントは、ノーベル平和賞受賞者で本作のエグゼクティブ・プロデューサー、マララ・ユスフザイ、「じい散歩」で家長である老父とトランス女性となった“長女”をあたたかなまなざしで描いた作家・藤野千夜、「日本人が移民だったころ」などの著書で文筆家としても活動する音楽家・寺尾紗穂、「男の子になりたかった女の子になりたかった女の子」で現代社会に息苦しさを感じている人々を描いた作家・松田青子、現代の恋愛観やジェンダー、男性・女性の生きづらさなどを分析、発信している文筆家・清田隆之、俳優として鈴木亮平主演の映画『エゴイスト』に出演し、Netflix「ボーイフレンド」のスタジオMCも務めるドラァグ・クイーン、ドリアン・ロロブリジーダ、同性愛者であることを隠して生きる青年が恋い焦がれる男性と、その子どもと生活する中で抱く葛藤を描く映画『his』(今泉力哉監督)脚本家のアサダアツシ、フェミニズム専門の出版社「エトセトラブックス」代表で、同名の書店を東京・新代田に2021年1月にオープンし、出版活動と書店の場を通してフェミニズムを伝えている松尾亜紀子から届いた。

コメント

マララ・ユスフザイ(エグゼクティブ・プロデューサー/ノーベル平和賞受賞者)
 パキスタンのアーティストが世界の映画界でトップ・クラスであることを証明する映画をサポートできることを大変誇りに思います。『ジョイランド わたしの願い』は、私たちの身近な人々に目を向けるよう、私たちを促します。私たちの家族や友人を、私たち自身の期待や、社会的偏見に彩られることなく、ありのままに見るように、と。

寺尾紗穂(文筆家・音楽家)
 家父長制の息の根は長く、長い過渡期を私たちは生きている。
 彼女の折られた羽根は優しく癒されなければならなかった。

藤野千夜(作家)
 古いしきたりなんていらない! 絶望に近い悲しみの中で強くそう思った。
 たとえ風当たりが強くても、みんな自由に!

松田青子(作家)
 細やかで繊細な描写の積み重ねが、家父長制が誰から何を奪い、誰に何を決断させてしまうのかを暴いていく。

清田隆之(文筆家、「桃山商事」代表)
 奪った翼で羽ばたき、奪った酸素で呼吸する。
 無自覚にそれをしている人たちの姿が克明に描かれていた。
 病んでいたのは絶対、彼女のほうじゃない。
 あの怒りと絶望は、俺たちに向けられたものでもあるはずだ。

ドリアン・ロロブリジーダ(ドラァグ・クイーン)
 家、伝統、世間体、信仰。さまざまな“檻”の中で、もがきさまよう人々。ジョイランドの本当の在処は、悲しいほどに遠い彼方だ。

アサダアツシ(脚本家)
 打ちのめされる。この作品を語るのにこれ以上相応しい言葉はない。 観終わって数日経っても衝撃は続いている。

松尾亜紀子(エトセトラブックス代表、編集者)
 妻や夫たちのわずかな時間きらめく生が素晴らしいほど、「家」さえなければ誰もが自分であれたのにと悔しい。

公開表記

 配給:セテラ・インターナショナル
 10/18(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

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