イベント・舞台挨拶

『SUPER HAPPY FOREVER』公開記念舞台挨拶

©2024 NOBO/MLD Films/Incline/High Endz

 登壇者:佐野弘樹、宮田佳典、山本奈衣瑠、ホアン・ヌ・クイン、五十嵐耕平監督

 五十嵐耕平監督による最新作『SUPER HAPPY FOREVER』が新宿武蔵野館ほか全国上映中。
 あるリゾート地を5年ぶりに訪れた幼馴染の佐野と宮田が、佐野の亡き妻・凪(なぎ)と出会った思い出の場所を巡りながら、かつて失くした赤い帽子を探すことから始まるひと夏の物語『SUPER HAPPY FOREVER』。
 9月28日(土)、公開記念舞台挨拶が新宿武蔵野館にて行われ、佐野弘樹、宮田佳典、山本奈衣瑠、ホアン・ヌ・クイン、五十嵐耕平監督が登壇した。

 映画上映後、大勢の観客で埋まった会場にやってきた登壇者たちには大きな拍手が送られた。そんな様子を目の当たりにした佐野は「これは6年間待ち望んだ景色なので。今日は胸がいっぱいです」と感慨深い様子。

 さらに宮田が「いろいろな時間の使い方がある中でこの作品を選んでいただき、そして今日観ていただいて本当にありがとうございます。ヴェネチア国際映画祭とサン・セバスチャン国際映画祭を経て日本での上映となりますが、このメンバーで舞台挨拶をするのははじめてなので、楽しんでいただけたら」と続けると、五十嵐監督は「佐野くんと宮田くんから(この企画の)メールが届いてから今日までいろんな時間がありましたけど、こうして皆さんにお届けできてうれしく思います」と晴れやかな表情を見せた。

 本作の企画がはじまったのは2018年の冬。佐野と宮田が「自分たちで考えて、それを映画として形にしたい」という趣旨のメールを五十嵐監督に送ったことがきっかけとなった。6年という歳月を経ていよいよ日本公開が決まったことに「本当に感無量ですね」としみじみ語るふたり。最近になって、そのメールをあらためて見返す機会があった、と語る宮田は「そこには目標として、海外映画祭に行くこと、新宿武蔵野館さんで上映することと書いてあった。それを見て、僕らも本当にビックリした」と述懐。

 そこに補足するように佐野が「われわれふたりが主演の作品をつくってほしいという気持ちだけで五十嵐さんにお会いしたんですが、まさかそれがこういう形で、皆さんの前に立てることになったのは本当にすばらしいこと」と語ると、宮田も「まさに“スーパー・ハッピー”でした」と笑顔で思い返す。そうしたふたりの思いを横で聞いていた山本は、「わたしは途中から参加した立場ではあるんですが、6年前ってまだ俳優すらやっていなかったんです。なので、そんな頃から動いていたものにわたしがめぐりあい、参加させてもらうことは不思議な気持ち」と話し、「現場で過ごした時間は人生でスーパー・ハッピーな時間だったし、これはずっと忘れないんだろうなと思いました」と付け加えた。そんなキャスト陣を見守っていた五十嵐監督は、「本当に6年かけてコツコツと一緒に歩んできて、チームになれたというか。自分たちの人生で、豊かな時間をつくれたということがうれしいですし、そういう中でつくった映画が悪くなるはずがないだろうと信じています」と力強く語った。

 本作でホテルの従業員・アンを演じたのは、これまで演技経験もなく、映画初出演となったベトナム人のホアン・ヌ・クイン。「はじめての挑戦なので、緊張の気持ちで参加しましたが、家族のようなあたたかいチームの皆さんのおかげで、楽しく撮影に取り組むことができました」と笑顔を見せた。

 劇中では往年の名曲「Beyond the Sea」が印象的に登場。アンがカラオケで同曲を歌うシーンもあったが、「わたしも緊張しましたが、監督はわたしを信じてくれたので、わたしも自分のことを信じて。自信を持って歌いました」というクインに、「最高だったよ」と呼びかけた山本。さらに「クインちゃんのすごいところって、いつ教えてもらったの?というくらいに、カットがはじまると普通に芝居をしているんです。 普通に現場に馴染(なじ)んでいましたね」と驚きを隠せない様子。「本当にクインちゃんと一緒のシーンはとても過ごしやすかった」という山本に、涼しげな表情で「なんとなくスムーズな状態でいましたね」と返したクイン。一同が「天才だ!」と笑い合っていた。

 本作は、ヴェネチア国際映画祭に続いて先日、サン・セバスチャン国際映画祭でも上映され、佐野と宮田、五十嵐監督がそろって登壇した。そんな現地の空気感について「すごかったですね」という佐野は、「言葉も国も文化も違うところで、この映画を受け入れてくれるのか不安だったんですが、満席で途中退出することなく。最後まで誠実に観てくださって。ちゃんと笑って、いい反応をしてくださったので、本当にうれしかったですね」と述懐。五十嵐監督も「自分たちが生活している実感を積み重ねてフィクションにした感じの物語だったので。普通に日本で感じていることも伝わっているなと。それと終わったあとのリアクションも良かったです。街ゆく人から“スーパー・ハッピー!スーパー・ハッピー!”と声をかけられたり(笑)。ポジティブに捉えてもらったというのも、自分たちの生活がちゃんと伝わったんだなと思って。それがうれしかったですね」としみじみ振り返った。

 そして最後に宮田が「この作品は皆さんに愛される作品でありたいと、つくる時からずっと思っていました。ただ僕らではまだまだ力不足なので、どうか皆さんに愛していただいて応援していただけたら」と観客に呼びかけると、佐野も「こういった映画づくりができて。今日という日を迎えられて、あきらめずにつくり続けて良かったです。なんてことのない偶然が積み重なって。奇跡のような瞬間だったり、かけがえのない記憶みたいなものになるということを、僕はこの映画を通して知ることができました。僕にとってこの映画は宝物です。この宝物があれば、きっとこれから先、思い悩んだり、立ち止まったりする時も前に進めるような気がします。皆さんの中にもそういったものがあると思うんですが、まだ自覚していなかったり、気づけていないものを思い出すきっかけとなれば、僕は“永遠にめちゃくちゃ幸せ”です」とメッセージを寄せた。

 さらに五十嵐監督が「僕らの出会いもそうですが、出会いによって何かが生まれる。それは映画なのか、愛なのか分かりませんが、それはとても素朴で、日常にありふれたもの。しかしとてつもなく大切なもので、それがなくては生きていけないように思います。ここではそのことを描いたつもりですし、個人個人がそういう素朴な愛を抱えて一緒に頑張っていけたらなと思っています」とその思いを語り、あたたかな雰囲気のなかイベントは幕を閉じた。

公開表記

 配給:コピアポア・フィルム
 全国上映中!

(オフィシャル素材提供)

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