映画『八犬伝』＜正義で何が悪い＞ヒーロー談義付き特別試写会

　登壇者：藤岡真威人（俳優、『八犬伝』犬江親兵衛役）、藤岡弘、（俳優、武道家）

　都内で行なわれた『八犬伝』（曽利文彦監督）の公開記念イベント「映画『八犬伝』＜正義で何が悪い＞ヒーロー談義付き特別試写会」の舞台挨拶に、藤岡真威人と父の藤岡弘、が出席。親子で究極のヒーロー像を語った！

　本作は、1842年に完結してから200年近くの時を超え、現代のエンターテインメントに多大な影響を与え続けている滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」。これをモチーフにした山田風太郎氏の小説「八犬伝上・下」（角川文庫）を、『ピンポン』や『鋼の錬金術師』シリーズの曽利文彦監督が実写映画化。

　里見家の呪いを解くため運命に引き寄せられた８人の剣士たちの戦いを活写する“虚”パートと、「八犬伝」」の作者である滝沢馬琴の創作の真髄に迫る“実”パートを交錯させて物語が進行する。時代を超えて多くの人々の心に響き、愛され続けている“勧善懲悪”をテーマに八犬士たちが正義を貫き、悪を討つ姿がダイナミックに描かれている。

　本作のアイドル犬・八房くんのぬいぐるみを胸に抱いて登場した真威人は「『正義で何が悪い』について語れる人を１人知ってます。一緒に映画の魅力を語れればと思っています！」と前ふりしてから父を呼び込んだ。おなじみの仮面ライダーのテーマ音楽で登場した藤岡弘、。日本を代表する不滅のヒーローの登場に客席からは大きな声援が飛んだ。

　｢（イベントに）呼んでいただいてありがとうございます｣と頭を下げた藤岡弘、。作品を観た感想を聞かれると、「素晴らしい映画でした。久しぶりに堪能させていただきました。馬琴が正義の重要性を貫き通した物語を、まさにこの時代に皆さんに観ていただきたい！」と熱くアピール。

　里見家に仕えた夫婦に育てられた最年少の八犬士で、“虚”のパートに登場する・犬江親兵衛役を演じた真威人は、「２年前くらいに撮影して、僕がまだ10代の頃でした｣と振り返る。｢VFXも使って撮られていたので、撮影はグリーンバックで行われました。芝居の環境を自分の中で想像しながらやらなきゃいけなくて。自分のイメージだけでやっていたのですが、完成した作品を観たら、想像を超える迫力と臨場感がありました。“虚”のパートはアクションが見どころ。“実”パートの馬琴（役所公司）が『八犬伝』を書き上げるまでの葛藤も色濃く描かれています！｣と興奮しながら説明した。

　真威人は時代劇初出演。父の藤岡弘、から所作など多くの事を学んだと明かす。真威人が演じる犬江親兵衛は八犬士の中で唯一馬に乗る役柄。「乗馬も教えてもらいました。教えてくれた人が父を知っていて、練習を『お父さんごも一緒に』と言ってくれたんです。父と並んで馬に乗るという貴重な経験をさせてもらいました｣と話した。

　藤岡弘、は｢その話を聞いた娘たち（女優としても活躍している天翔愛ら３人の娘たち）が“私たちも乗りたい”と言うので、家族５人で馬に乗って駆け回りました。練習して最後の山の上までみんなでついてこられたんですよ｣と嬉しそうに明かした。

　真威人は｢父は本当に乗馬がうまくて速いんです。１人だけスピードが段違いに速くて飛ばすので追いつくのに精一杯、ついていくのが大変でした｣と楽しそうに話した。

　終盤、劇中の八犬士たちがそれぞれに漢字１字で表せる性質を持っている（犬江親兵衛は「仁」の珠を持つ）ことにちなんで、お互いの印象を漢字１字で表現してフリップに書くコーナーが設けられていた。

　真威人は「犬」と書いたフリップを掲げる。父の藤岡弘、について「ちっちゃい頃から父を見てて、不意に見せる笑顔や子どもたちにかける愛情、周りの人々に振りまく雰囲気やオーラが大型犬みたいなんです。僕が言うのもあれですが、愛くるしい“わんこ”みたいだなって。（加えて）真に男らしい強さや優しさを持っていて、根底には深い愛情があります」と話す。

　犬にたとえられた藤岡弘、が「オオカミの間違いじゃないのか？」と照れた笑顔で、掲げたフリップには「愛」の文字が。｢人間は愛があれば解決できない問題は何１つないと思います。自分なりのやり方で、子どもたちはちっちゃい頃から抱きしめて、チュ～チュ～していました(笑)。今でも毎日４人を抱きしめてますよ」と明かす。隣で真威人は「恥ずかしくて汗が止まらない」とハンカチを出して汗を拭く。