大人気任侠ドラマ・シリーズ『日本統一』W主演の山口祥行、人種的偏見に遭いながらも家族が力を合わせる姿を描いた人情劇『北風アウトサイダー』で映画監督デビューを飾った崔 哲浩、阪元裕吾監督の『ある用務員』で殺し屋の主人公を演じた福士誠治が、トリプル主演で、25年前の父の暗殺事件以来離れ離れでも固い絆で繋がっている3兄弟を演じる、ヒューマン・バイオレンス映画『ぴっぱらん!!』。
韓国語で「ぴっ」は【血と雨】、「ぱらん」は【風】を意味する。
タイトル『ぴっぱらん!!』【血と雨と風】は、正しく百鬼の歴史を切り開こうとする3兄弟の人生の代名詞である。
この度、11月1日(金)よりテアトル新宿、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開されるのを前に、主演の福士誠治のオフィシャル・インタビューが届いた。
百鬼湊役:福士誠治 プロフィール
1983年生まれ。神奈川県出身。
2002年CX「ロング・ラブレター~漂流教室~」でドラマ・デビュー。
2006年NHK連続テレビ小説「純情きらり」で主人公の相手役を好演し人気を博す。
近年の主な出演映画に『ある用務員』(阪元裕吾監督・2021年)、『夏目アラタの結婚』(堤 幸彦監督・2024年)などがある。
また、音楽活動や舞台演出も積極的に行うなど、活動は多岐に渡る。
崔さんが、福士さんは以前からいつも舞台も観に来てくれる律儀な方とおっしゃっていましたが、崔さんの芝居・演出のどこに魅力を感じていたんですか?
熱い人ですよね。今回ご一緒して、根本にある熱量・パワーは崔さんの源だと思いました。人に対する愛情が大きい方だなと思います。
本作のオファーが来た時のことは覚えていますか? 最初の印象はいかがでしたか?
ご飯をご一緒している時から、「作るんだ」という話は聞いていました。崔さんがものづくりをされるとのことだったので、「エキストラでもやります」という気持ちでしたが、今回三兄弟の中に入れていただいたので、嬉しかったです。兄弟の絆を強く感じる作品で、兄弟、恋人、家族の強さもあるので、そこに乗れたらと思いました。
演じる百鬼湊についてはどのような人物と捉えましたか?
劇中でも「あの人が一番の悪童」と言われていましたが、お兄ちゃんたちのことをなんだかんだ大好きな男。強さがあるし、もちろん脆さもあるのですが、お兄ちゃんに頼っているという印象があります。ヤンチャで喧嘩っ早くて、お兄ちゃんのことをけなされたら、いの一番に走っていくようなタイプじゃないかなと思います。
湊の本作での役割についてはどのように捉えましたか?
長男と次男との間に入るような役割。3人揃った時に発破を掛けるのは、小さい頃からそうだったのではないかと思っています。
崔監督から現場では何か演出などありましたか?
好き勝手やらせてもらった印象です。思いついたアイデアやその時出た感情はあまり隠さないで、どんどんやらせてもらいました。崔さんから「リハーサルの時やって、本番でやらなかったやつ、やって」と言われたりするようなセッションができました。
それまで共演者としてのみご一緒していた崔さんの監督としての印象はいかがでしたか?
現場の雰囲気をすごく大事にするし、熱量がありました。僕と崔さんが出会った作品が、佐々部清監督の『チルソクの夏』で、佐々部さんは残念ながら亡くなってしまったのですが、ものづくりにおいてその映画に対する想いを崔さんや僕は勝手に継承していると思います。崔さんが佐々部さんの思いを受け継いでいる監督になっている気がしていて、ジーンときました。
「三兄弟の中であの人が一番の悪童だった」という説明があるので、登場シーンが重要だったと思うのですが、どのように考えて撮影に挑みましたか?
大阪のクラブのシーンだったのですが、長男とは違う強さみたいなものと、人を盛り上げたり大衆をまとめる力・カリスマ性を大事にしました。登場シーンは、陽気なところもあり、でも力でねじ伏せるところもあり、一線を越えてしまいそうなアンバランスさがあるという湊像が見えるシーンだと思います。
パッとナイフを出すところは、かなり練習をしたんですか?
現場で「こうやったら出るな」とやった感じです。普段からナイフは持っていませんからね(笑)! 慣れてはいないですが、アクションは何度かやらせていただいているので、どうやったら危険な感じに見えるかを考えながらやりました。湊はナイフが似合いますよね!
峻役が、以前から知っている山口さんとの共演だったというのは助けになりましたか?
なりましたね。前の現場(「駐在刑事」)の打ち上げでお話ししている時に、急に「おい、弟」って言われて。「弟って何ですか?」って聞いたら、「お前、あれやるだろ? 俺、兄貴だよ」「え〜」とお酒も交わした後だったので、共演シーンは少なかったですが、面白かったです。
台本を読んでいて、「百鬼三兄弟、舐めたらどうなるか……思い知らせてやろうぜ。」というような決めゼリフ的なセリフがあると、どういう気持ちになるんですか?
任侠映画だったりヤンキー映画のアグレッシブな言葉は、シンプルで、燃えるところはありますよね。自分は普段はそんなに怒ったりしないのですが、俳優としてやっていると、こういう感情は自分の中に隠れていることもあるなと感じます。反発の言葉って、希望があったりするので、そういう人間の生きる力を表現する際に、大事な力強いセリフだと思います。
主題歌の歌唱は、崔監督に頼まれたんですか?
はい。山口さんは何か(セリフ)で参加してもらうことで、この歌が百鬼の歌になるんじゃないかと、僕から提案させてもらいました。
本作の見どころはどこだと思いますか?
人間関係や裏切り、ミステリーの部分もあるのですが、人が持つ信じる気持ちや支え合う気持ちなど、葛藤しているところは見どころだと思います。三兄弟がどんどん近づいていくところは、球体がぎゅっと近づいていく感じのする映画なので、観ていて面白いと思います。アクションシーンも迫力あるシーンが多いので、ドキドキしてもらえたらと思います。
読者にメッセージをお願いします。
骨太の雑草魂みたいなところがいろいろな力になると思うので、ぜひ映画館に足をお運びください。
公開表記
配給:渋谷プロダクション
11月1日(金)よりテアトル新宿、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開
(オフィシャル素材提供)