『M3GAN/ミーガン』『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』など、ホラー映画を中心に次々と斬新な作品を生み出している、敏腕プロデューサーのジェイソン・ブラム率いるブラムハウス・プロダクションズと、『ソウ』『ハンガー・ゲーム』シリーズなどを手掛けるライオンズゲートがタッグを組んだ映画『イマジナリー』。可愛らしいテディベアと友情をはぐくむ少女と家族の周囲で巻き起こる、不可解な現象と想像を絶する恐怖を描き全米を震撼させた話題作が、11月8日(金)より日本公開される。
可愛いのに不気味!チョンシーに仕掛けられた“微妙な違和感”の秘密とは?
こだわりが詰まった【製作秘話】をクリエイターたちが明かす!
本作の陰の主役と言っても過言でないテディベアの“チョンシー”。ふかふか毛並みにつぶらな瞳がキュートだが、見ているとどこか不安な気持ちになってくる……。今回はそんなチョンシーのメイキング映像とともに、可愛いのにどこか不気味さを感じさせる【チョンシー製作秘話】を紹介する。
チョンシーをはじめ本作に登場するクリーチャーの製作を手掛けたのは、数々の受賞歴を誇るアニマトロニクスとプラクティカル・エフェクトの専門集団であるスペクトラル・モーションだ。クリーチャー・エフェクトの監修を担当したマーク・ヴィニエロは、チョンシーに必要なものを台本から読み解き、撮影用に4種類のチョンシーを用意した。2つは最も頻繁に使用された、パイパー・ブラウン演じるアリスが抱いている柔らかいぬいぐるみのもので、あとはシーンに応じて自由にポーズを変えることができるものと、動かすことができるパペットタイプのものだ。チョンシーを定番でありながら悲しい表情をしたテディベアにしたかったというジェフ・ワドロウ監督は「スペクトラル・モーションと話し合いを重ねて、チョンシーの目や眉を変化させる方法や、口角を上げさせる方法を検討した。最終的にすぐに顔の付け替えができる案を採用した。おかげでチョンシーの表情を効率よく変えることができたよ」と振り返る。劇中で感情を表現させるためにそれぞれの表情に変化がつけられ、映像では通常仕様とは目や口が異なる“悲しい顔”のチョンシーが紹介されている。加えて、目玉のバリエーションも豊富に用意したというヴィニエロは「調節が可能な目玉にしたことで奥行きも変えられて、独特の表情にすることができた」とこだわりを明かしている。
さらに、チョンシーを不思議な人形にするためにちょっとしたトリックをデザインに取り入れたようだ。その顔をよく見ると、左目は右目より少し上にあり、耳もどこかずれた位置で、口元は若干歪んでいる。ヴィニエロは「ジェフ(・ワドロウ)の要望は、何かがおかしいことを観客に気づかせつつ、何がおかしいのかは分からせないという微妙な違和感を表現することだった」と明かすように、チョンシーがただのぬいぐるみではないことを絶妙なデザインによって表現している。
そんなチョンシーの声を担当したのは、なんとアリス役のパイパー・ブラウン! 共演するだけではなく自ら演じることで、チョンシーの魅力をさらに引き立てる工夫が取り入れられていた。
表は可愛いテディベアだが、裏では何か不穏な空気が見え隠れするチョンシーは、劇中終盤でその怪しい正体が明らかとなってくる。映像の中では、牙をむいた熊やクモの怪物の姿とともに、その“本性”が一体何なのかをさらに解説している。
クリエイターたちの想像力と技術の結晶として生まれた“チョンシー”。映画を観る際は、ぜひチョンシーの細部にまで注目してほしい!