イベント・舞台挨拶

『雪の花 ―ともに在りて―』福井県完成披露試写会

© 2025映画「雪の花」製作委員会

 登壇者:小泉堯史監督

 巨匠・黒澤 明監督<最後の弟子>であり、監督デビュー作『雨あがる』(00)以来、一貫して人間の美しい在り方を描いてきた小泉堯史監督が、吉村 昭の原作「雪の花」(新潮文庫刊)を映画化。日本映画を代表する豪華キャストとスタッフが集まり、多くの人命を奪う疫病と闘った無名の町医者の愛と感動の実話を描く日本発 本格時代劇『雪の花 ―ともに在りて―』が2025年1月24日(金)に全国公開となる。

 この度、11月18日(月)に、福井県の劇場「テアトルサンク」にて、福井県完成披露試写会を開催。本作のロケ地となった福井の皆様にいち早く作品を観ていただきたいという想いから実現した本試写会に、本作のメガホンをとった小泉堯史監督が登壇!福井の皆さまへの御礼と共に本作への思いや、主人公・笠原良策との出会いなどざっくばらんに話した。

 盛大な拍手で迎えられた小泉堯史監督。舞台挨拶の始めにスタッフより花束の贈呈のサプライズが行われ、花束を手に取った監督は、「現場はいいのですが僕はこういう席(舞台挨拶)が苦手で何を言ったらいいのか、、でも今日は感謝の気持ちでここに立っています」と恥ずかしながらも、会場に集まった福井の皆様に感謝の気持ちを述べた。
 ちょうど去年の10月末~12月にかけて行われた撮影だが、監督の長いキャリアの中で福井での撮影は2度目とのこと。福井での撮影の印象を聞かれた監督は、「今の時代に時代劇を撮るということは難しいことで、黒澤(明)さんの頃とは違ってセットを建てることもあまり良くないですし、そういう中でロケハンというものは非常に大事なのですが、地元福井の皆様の助けもあって本当に良い場所に恵まれました」と、福井での撮影に満足した様子。

 本作の主人公・笠原良策は実在した福井藩の町医者。この作品をつくるきっかけを聞かれた監督は、「僕は黒澤さんの助監督を28年ほど務めていたのですが、自分で映画を撮るようになってからはこういう人だったら出会いたい、自分でスクリーンの中に立ち上げたい、という魅力のある人物を追ってきました。今回は、『笠原良策に会ってみたい』という想いでつくろうと思いました。そういう意味では本当に良い人に巡り合えた」と作品の題材を選ぶきっかけを明かした。

 良策を演じた松坂桃李の印象を聞かれると、「彼は非常に素直で、やればやるほどよくなる。撮影の後半は終わってしまうのが非常に残念だな、もうちょっと彼と一緒に仕事がしたいという想いになりましたし、本当に素晴らしい俳優」と絶賛。さらに、良策の妻・千穂を演じた芳根京子に関しては、「『峠 最後のサムライ』の時に、役所さんと芳根さんが一緒に芝居をするシーンがあって、彼女のリアクションが素晴らしかったんです。この女優さんだったらきちんと演じてくれるだろうなという想いでキャスティングしました」と、今回のオファーのきっかけを明かした。

 また、前作『峠 最後のサムライ』では主人公・河井継之助を演じ、小泉作品にとって欠かせない人物である役所広司について聞かれた監督は、「この人がいるおかげで締まりますし、安心していられる。豆腐で言うとにがりの役割で、ギュッとみんなを締めてくれる。だからこそ僕は演出に集中できる」と、役所への絶大なる信頼を見せた。今回役所が演じる京都の蘭方医・日野鼎哉は良策が教えを請う医者。“医者”という役割も相まって現場で役所のその風貌に「赤ひげかと思った!」という松坂だが、それに対し監督は、「特に意識してはいないのですが……、ただ、その役を掴んで自然に演じるということは非常に難しいことで、役所さんはそれをうまく演じてくれている。それを皆さんがどう観てくれるのか、どう感じてくれるかということが、楽しみと同時にどうなのかなと思います」と話した。

 小泉作品における重要な要素の一つがその土地の“風土”を閉じ込めることだが、監督は「本作では色濃く福井の風土を捕まえて活かせたんじゃないかなと思います。それを皆さまがどう受け止めてくれるのかが楽しみです」と作品の出来栄えに自信を覗かせた。

 最後に、本作の主人公・笠原良策の人物像について聞かれた監督は、「その答えは映画の中にあると思います。ただ、映画を観る方にお願いしたいのは原作物というのは一切忘れて真っ白な気持ちで観ていただければと思います。そして、その映画の色に染まって欲しいです」と話し、続けて、「スクリーンを出た後にもう一度思い出してほしい。そうすると、その人物(笠原良策)が皆さんの心の中に生きるのではないかな、それが監督としての願いです。ぜひ思い出してください」とこれから作品を観る方へメッセージを送った。

 さらに、翌日11月19日(火)には、本作が疱瘡(天然痘)を題材にした作品という繋がりで、同じく福井で行われた第26回国公立大学附属病院感染対策協議会に小泉監督と本作の脚本を務めた齋藤雄仁がゲストで出演。
 撮影協力もしていただいた岩﨑博道先生(福井大学医学部附属病院 感染制御部長)を交えて、福井ロケの思い出や医療指導に関してなど熱く語った。

 美しい日本の四季・自然豊かな風景、そして魅力的な登場人物たちの存在感が、いまを生きる勇気と希望を与えてくれる全世界注目・珠玉のエンターテインメント作品。映画『雪の花 ―ともに在りて―』は2025年1月24日(金)全国公開。

公開表記

 配給:松竹
 2025年1月24日(金) 全国公開

 (オフィシャル素材提供)

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