イベント・舞台挨拶

『海の沈黙』公開記念舞台挨拶

© 2024 映画『海の沈黙』INUP CO.,LTD

 登壇者:本木雅弘、石坂浩二、清水美砂、菅野 恵、若松節朗監督

 「前略おふくろ様」「北の国から」「やすらぎの郷」などで知られる倉本 聰が原作・脚本を手掛けた映画『海の沈黙』がついに全国公開! 初日翌日となる11月23日(土)に、都内映画館で公開記念舞台挨拶が実施され、主演の本木雅弘、共演の石坂浩二、清水美砂、菅野 恵、そして若松節朗監督が登壇した。

 満席で迎えた舞台挨拶。ある事件を機に人々の前から姿を消した天才画家・津山竜次を演じた本木は「こうして皆さんに作品を観ていただけることで私たちも安堵しています。倉本先生も富良野でこの船出をきっと喜んでいると思います。そして、その倉本さんの一筋縄ではいかない世界観を粘り強い寄り添いで作品に仕上げてくれた若松監督に改めて感謝を申し上げます」と念願の封切りを喜び、「この作品は結末を知って終わるタイプの作品ではありません。映画の中から投げかけられた問いが自分事となってじわじわと響いてくるのではないかと思います」と挨拶。

 自身の美術展に贋作が紛れ込んでいたことに気づく、世界的な画家で安奈(小泉今日子)の夫・田村修三役の石坂は「役者というのは一生懸命演じるけれど、放送や公開されるのが怖いところもあります。この映画は撮影から公開まで時間がありましたので、1年くらい怯えていました。でもついに公開したので、もう諦めている石坂で御座います」と笑わせた。

 一方、全身に刺青のある謎めいた女性・牡丹を演じた清水について本木は「清水さんとは『シコふんじゃった。』で初めて出会い、95年にNHKのドラマで狂人的作家を演じた時は妻役でした。その時は清水さんの髪の毛をザクザクと切り刻んで、今回は刺青を掘りまくって清水さんは全裸で横たわって……。どうも清水さんとは普通の関係ではいられないようで」と苦笑い。当の清水は「刺青を入れていると自分の中では衣を着ている感覚で全裸という感じはありませんでした。刺青メイクは6時間くらいで落とすのはもっと大変だったけれど、大好きな本木さんのために愛を込めて頑張りました」と報告すると、登壇者や観客から拍手が巻き起こった。

 小樽のバーに勤め、竜次とスイケン(中井貴一)と交流する女性・あざみ役の菅野は、「昨日倉本先生と電話をして『どうだった? お客さん入っている?』と気にしていたので、ぜひSNSで発信して先生の耳にも入るようにしてもらえたら先生自身も嬉しいと思います」と倉本氏の心境を代弁していた。

 一方、若松監督は竜次と安奈の再会シーンに触れて「小泉さんと手を繋ぐのは本木君のアイデア」と舞台裏を紹介。これに本木は「若松監督が造形し、こだわったこの映画のラブ・ストーリーの部分をもう一息、わかりやすい形にしたかったんです。映画に別の味わいが加わったと思います」と答えた。

 最後に、現在全国ツアー中で舞台挨拶に参加できなかった小泉から登壇者、観客へ届いた手紙が披露された。

 「本日は『海の沈黙』の公開記念舞台挨拶があるというのに、全国ツアー中の私は九州地方の空を見上げております。この晴れの舞台に参加することができず残念です。劇場の皆さまは映画を観終えたばかりかと思います。若松監督のカット割りカッコ良いですよね! 画家の役の石坂さん流石の説得力でしたよね。清水さん菅野さん美しかったですよね。そして本木さん! 孤高の天才画家は切なくて儚くて素敵でしたよね。倉本 聰さんが長い間温めていた物語がいよいよ世に放たれました。この物語が今を、この2024年を選んだのだと思います。観てくださった皆さんはこの物語の目撃者です。目撃証言を拡散していただければ幸いです。『海の沈黙』という映画の旅が素敵な場所に辿り着きますように。 2024年11月23日 小泉今日子」

 このサプライズに本木は「映画の仕事は架空の物語を演じるわけですが、私たち役者にとってはスクリーンに焼き付いた自分たちのドキュメンタリーのような記録という側面もあります。音楽と同じく映画を観るとその当時を思い出すように、この映画が皆さんの中で残っていく作品になったら嬉しいです。そして80歳、90歳になって改めて皆さんとこの映画のことを振り返ることができたら」としみじみ。「お客様と今この時代、この瞬間を生きているんだと実感する本日です」と喜びを噛みしめ舞台挨拶を締めくくった。

公開表記

 配給:ハピネットファントム・スタジオ
 全国公開中

 (オフィシャル素材提供)

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