イベント・舞台挨拶アニメ

『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』スペシャル・プレゼンテーション@東京コミコン

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 登壇者:津田健次郎、神山健治(監督)、フィリッパ・ボウエン(製作)、ジョセフ・チョウ(製作)
 MC:LiLiCo

 いよいよ劇場公開まで1ヵ月をきった映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』。本作は全米3000館以上、さらに全世界で数万スクリーンに及ぶ拡大公開が決定し、複数の国では豪華声優陣が集結した日本語吹替版での上映のリクエストが寄せられている。そんな本作の公開を記念して、この度、「東京コミックコンベンション 2024」(通称「東京コミコン 2024」)にて超豪華スペシャル・プレゼンテーションを実施!

 シリーズの大ファンであり、本作でも吹替キャストとして参加したLiLiCoによる呼び込みのもと、主人公ヘラと敵対するウルフの吹替キャストを務めた津田健次郎、監督の神山健治、プロデューサーのジョセフ・チョウ、そして『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の全脚本を手掛け、本作の製作とストーリーを担当したフィリッパ・ボウエンが大きな拍手に包まれながら登壇。
 神山は「今日はお集まりいただきましてありがとうございます。よろしくお願いします」、ボウエンは「こうやってまた日本に来られたことをとても嬉しく思っています。日本のフィルム・メーカーの方々が心から大好きになりました」、チョウは「東京コミコンに呼んでただいて光栄に思っております」、津田は「本日、こうやって皆さんにお会いできるのを楽しみにしていました」とそれぞれ挨拶。

 早速、ボウエンに本作を制作した経緯について尋ねると「ワーナーさんからピーター・ジャクソンと私のほうに『『ロード・オブ・ザ・リング』のアニメーション映画を作らないか』とお話をいただきました。私たちはアニメの大ファンということもあり、映像化の可能性はあり得ると思いましたが、そこでおりてきたのが『ローハンの戦い』だったんです」と当時の経緯を説明。
 また「ロヒルリム人(※ローハン国に住む人々)の文化というものが日本のストーリー・テリングの文化と合うんじゃないかと思いました。さらに、日本の作品でよく見受けられる忠義、名誉、勇気、裏切りなども描かれています」と日本の作品との親和性についても解説。

 続いて、神山健治監督へのオファーの経緯についてチョウは「ピーター・ジャクソンが解釈した世界の延長戦の作品である本作ですが、神山監督は映画もアニメもただ見るだけでなく全部頭の中で分析している。そしてかなりテクニカルで脚本家でもあるから間違いないなと。まとめていうと“天才だから”」と語る。

 オファーを受けたことについて神山は「ジョセフから話を聞いた時は、内心は踊りだしたいくらい嬉しかったです。でもこれをアニメーションで作り上げることがどれほど大変かということを分かっていたので、『これはすごく難しいね』って言った覚えがあります。」と振り返る。
 また、『ロード・オブ・ザ・リング』の新たな物語を創り上げることになったことについて「恐らく今までアニメーションで騎馬隊の合戦というものを映像化したことはないと思うんですよ。アニメでこれをつくるのは不可能だと正直思ったんですが、日本のアニメを作っている人たちを代表して絶対に受けるべき仕事だと思ったので、僕がここまで培ってきたモーション・キャプチャーや3DCGなどのデジタル技術などを全部使えば、最終的に手描きアニメーションでもできるんじゃないかなと感じたんです」と語った。

 一足先に本編を視聴した津田は「やっぱすごいですね。飽きることなく画面に釘付けの状態で最後まで観ることができました。本当に良い作品に出演させていただいたなと思いましたね」とご満悦。
 LiLiCoも「背景に関しては未だに実写じゃなんじゃないかと疑っているんですよ」と手描きアニメーションの底力に驚嘆した模様。

 原作である「指輪物語 追補編」の数ページしかないパートの映像化である『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』。そんな本作のストーリーを作りあげていく過程についてボウエンは「誰の物語であるかが大事だと思います」と前置きをしながら、「本作の主人公・ヘラは原作では名前がないキャラクターで、表記は『ヘルム王の娘』までです。ただ、この物語では彼女が誰と結婚をするのかというところから始まり、ローハンの戦いのきっかけをつくるんです。そして作品を観ていただくと分かる通り、アクション満載の本作の戦いも彼女の視点から描かれます」と説明。

 続いて津田が台本を読んだ時の感想を聞かれると「とても古典の良さが詰まっているんですが、でも現代を生きる僕たちもとても共感できるものもある。そして女性がどう生きていくかなどの現代的なテーマもうまく盛り込まれていて頭から最後まで一気に読んでしまいました」と絶賛。また、自身が演じたウルフについては「ただの悪役ではないんです。見た感じはすごくワイルドでたくましい感じなんですけど、ちょっと弱さをはらんでいて、登場人物中で最も人間くさい。そして欠落している部分があるんですがそこが魅力的。嫌われながらも愛されるキャラクターになるかもしれない」と解説。

 ここでボウエンが津田に対し「ウルフはヘラのことを心から愛していたと思いますか?」と質問すると、津田が「愛していたと思いますよ」と返すと会場からは拍手が巻き起こるという和やかな一幕も。
 また、アフレコ現場での様子について聞かれると「結構丁寧に神山監督と打ち合わせしながら収録ができてとてもスムーズでした。吹替の雰囲気も監督の意向も大事にしつつ。そして日本語吹替版も世界中で上映してくださるのは嬉しいですね」と喜びを交えながら語った。

 いよいよイベントも終盤、本作の注目してほしいポイントと最後の挨拶を求められるとボウエンは「自分は脚本家ですが、運が良ければ自分が書いたモノがビジュアル的な名称によって映像化されるんです。今回がまさにそういうことに恵まれたわけです。『ロード・オブ・ザ・リング』はもちろん、映画がお好きな人であればぜひ劇場で観ていただきたいです。とにかくスケールが壮大ですし、津田さんをはじめ吹替版の演技が素晴らしいです。音楽もサウンド・エフェクトも劇場が揺れるくらいインパクトがあります。この場を借りまして日本の素晴らしいアニメーターの方々に御礼を申し上げたいと思います。魂をこの作品に注ぎ込んでくださりありがとうございます。そしてこの作品を通して世界に神山監督を知っていただけることも非常に誇らしく思います」、神山監督は「本当にたくさんのアニメーションを作ってきましたが、これほどのスケールの作品を監督するのは初めてでした。手描きアニメーションでは実現不可能だと思っていた映像をアニメーターの人たちが作り上げてくれました。本当にリアルで力強い映像になっています。そして音楽も本当に素晴らしいモノになっています。『これが映画なんだな』と自分でも驚くくらいクオリティが高く、作り手たちの情熱が反映された素晴らしい作品です。本当にみていただきたい箇所が沢山ある。でもどこか絞れない。とにかく1度劇場に足を運んでください。そして吹替版と日本語版の両方を観てください」とそれぞれ熱い想いをアピールしてイベントを締めくくった。

公開表記

 配給:ワーナー・ブラザース映画
 12月27日(金)全 国公開(吹替版/字幕版同時公開※一部劇場除く)

(オフィシャル素材提供)

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