イントロダクション
イギリス⼈の⽗と⽇本⼈の⺟を持つ⼭崎エマ監督は、⼤阪の公⽴⼩学校を卒業後、中⾼はインターナショナル・スクールに通い、アメリカの⼤学へ進学した。ニューヨークに暮らしながら彼⼥は、⾃⾝の“強み”はすべて、公⽴⼩学校時代に学んだ“責任感”や“勤勉さ”などに由来していることに気づく。「6歳児は世界のどこでも同じようだけれど、12歳になる頃には、⽇本の⼦どもは“⽇本⼈”になっている。すなわちそれは、⼩学校が鍵になっているのではないか」との思いを強めた彼⼥は、⽇本社会の未来を考える上でも、公⽴⼩学校を舞台に映画を撮りたいと思った。1年間、150⽇、700時間(監督が現場で過ごしたのは4,000時間)に及ぶ撮影と1年を要した編集を経て完成した本作には、掃除や給⾷の配膳などを⼦どもたち⾃⾝が⾏う⽇本式教育「TOKKATSU(特活)」──いま、海外で注⽬が⾼まっている──の様⼦もふんだんに収められている。⽇本⼈である私たちが当たり前にやっていることも、海外から⾒ると驚きでいっぱいなのだ。いま、⼩学校を知ることは、未来の⽇本を考えることだ、と作品は投げかける。
ストーリー
桜が満開の4⽉。新年度は⼊学式から始まる。授業が始まり、1年⽣は挙⼿の仕⽅や廊下の歩き⽅、掃除や給⾷当番など、集団⽣活の⼀員としての規律と秩序について初めて学ぶ。そんな1年⽣の⼿助けをするのは6年⽣だ。⼩さくてまだ何も分からない1年⽣も、わずか6年の間に⾃分が何者であるかという⾃覚を持ち、6年⽣にふさわしい⾏動を取るようになる。
主⼈公は学校そのもの。カメラは、1年⽣と6年⽣に焦点を絞り、春夏秋冬、彼らの学校⽣活を追う。
コロナ禍において学校⾏事実施の有無に悩み、安全と犠牲をめぐる議論を重ねる教師、社会⽣活におけるマナーを学んでいく1年⽣、経験を重ね次章への準備を始める6年⽣……。3学期になり、2年⽣に進む1年⽣は、新1年⽣のために⾳楽演奏をすることになる。彼らは社会の⼀員として⽣きていくために、ものごとをやり遂げる責任感や、そこで得られる達成感を感じて学び、また“誰かのために何かをする喜び”も体験するのだ。
桜のつぼみがほころび始め、また新年度が始まる。
(英題:THE MAKING OF A JAPANESE、2023年、⽇本・アメリカ・フィンランド・フランス、上映時間:99分)
キャスト&スタッフ
監督・編集:山崎エマ
プロデューサー:エリック・ニアリ
製作・制作:シネリック・クリエイティブ
国際共同製作:NHK
共同制作:Pystymetsä Point du Jour YLE France Télévisions
協⼒:世⽥⾕区、世⽥⾕区教育委員会
製作協⼒:鈍⽜倶楽部
ギャラリー
予告編
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公開表記
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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