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映画『海辺へ行く道』(英題:Seaside Serendipity)が現在開催中の第75回ベルリン国際映画祭にて上映され、ジェネレーション部門にてでスペシャルメンション(特別表彰)に輝いた。
「ジェネレーション部門」は1978年に設立され、子どもが主人公であり、子どもを題材に扱った作品が対象。今回、『海辺へ行く道』は、4歳以上が対象となるGeneration Kplusに選出され、国際審査員によるスペシャルメンションを授与された。国際審査員からは、「この映画は、優しさと遊び心のあるユーモアで私たちの心を掴みました。明るく陽気な想像力と創造力で、芸術の無限の可能性と、予期せぬ出来事と出合う幸福を思い出させてくれました」と評された。
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現地時間、2月22日に行われた授賞式に出席した横浜監督は「この映画は劇的な出来事は起こりませんし社会問題を叫ぶ映画でもありません。何か素敵なことが起こるかもしれないというささやかな予感を胸に、無邪気に作品を作り続ける若者たちの映画です。今回賞を頂けたのは、そんな、目に見えない、言葉で表せない彼らの“予感”が伝わったからかもしれません。ジェネレーション部門の審査員の皆さん、この作品を選んでくださり本当にありがとうございます」とコメントし、「ベルリンの観客の皆さんは、この映画に散りばめられたユーモアを見てたくさん笑ってくれました。私はその瞬間が一番幸せでした。ベルリンで聞いた笑い声と温かい拍手を支えにこれからしばらく生きていける気がします。観客の皆さん、ありがとうございます」と観客へ感謝の言葉を送り、喜びをかみしめた。
なお、これまでの日本映画で、同部門でのスペシャルメンション獲得は、『ウィーアーリトルゾンビーズ』(19/長久 允監督)、『風の電話』(20/諏訪敦彦監)があったが、Generation Kplus部門での授与は本作が日本初となる。
一足先に日本に帰国していた原田琥之佑からも「横浜監督はじめ、大好きなメンバーで作ったこの作品が素晴らしい賞をいただけたのは超絶嬉しいです! この映画は、僕たち中学生が主な登場人物になっています。だからこそ、【ジェネレーション部門】という同世代の子どもたちの部門で選んでもらえたことにご縁を感じましたし、すごく誇らしく思います。もっともっと世界の人へ届いて欲しいと思っています」という、喜びとこれからの劇場公開に向けて期待を寄せるコメントが到着した。
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コメント全文
横浜聡子監督
この映画は劇的な出来事は起こりませんし社会問題を叫ぶ映画でもありません。何か素敵なことが起こるかもしれないというささやかな予感を胸に、無邪気に作品を作り続ける若者たちの映画です。今回賞を頂けたのは、そんな、目に見えない、言葉で表せない彼らの“予感”が伝わったからかもしれません。ジェネレーション部門の審査員の皆さん、この作品を選んでくださり本当にありがとうございます。
私はこの作品の原作者である三好銀さんから、寛容さとユーモアを学びました。否定もせず肯定もせず、ただ人の存在を丸ごと受け止める寛容さ、そしてユーモア。ユーモアは人を絶望や断絶から時に救ってくれます。ベルリンの観客の皆さんは、この映画に散りばめられたユーモアを見てたくさん笑ってくれました。私はその瞬間が一番幸せでした。ベルリンで聞いた笑い声と温かい拍手を支えにこれからしばらく生きていける気がします。観客の皆さん、ありがとうございます。
原田琥之佑
『海辺へ行く道』が、ベルリン国際映画祭ジェネレーションKplusコンペティション部門のスペシャルメンションに輝きました。
横浜監督はじめ、大好きなメンバーで作ったこの作品が素晴らしい賞を頂けたのは超絶嬉しいです!
この映画は、僕たち中学生が主な登場人物になっています。だからこそ、【ジェネレーション部門】という同世代の子供たちの部門で選んでもらえたことにご縁を感じましたし、すごく誇らしく思います。
もっともっと世界の人へ届いて欲しいと思っています。
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ジェネレーション部門について
1978年に設立され、2007年から2つに分かれることになった。子どもが主人公であり、子どもを題材に扱った作品が選ばれる。Generation Kplusは4歳以上が対象で、2025年は7人の子どもの審査員によって最優秀賞が選ばれる。Generation 14plusは14歳以上が対象で、5人の子どもの審査員によって最優秀賞が選ばれる。最近では、2024年にジェネレーション部門に『バブル』(荒木哲郎監督)と『マイスモールランド』(川和田恵真監督)が出品され、『マイスモールランド』が日本映画初のアムネスティ国際映画賞スペシャルメンションを授与。
公開表記
配給:東京テアトル、ヨアケ
2025年晩夏 公開