イベント・舞台挨拶

『シンペイ〜歌こそすべて』大ヒット御礼トークイベント

©「シンペイ」製作委員会2024

 登壇者:中村橋之助、新田博邦(画・プロデュース)

 歌舞伎俳優の中村橋之助(28)が映画初主演した『シンペイ~歌こそすべて』(神山征二郎監督)のロングラン上映を記念し、新たに上映がスタートしたヒューマントラストシネマ有楽町にて大ヒット御礼トークイベントが行われ、主演の中村橋之助、企画・プロデュースを手掛けた新田博邦が登壇した。

 現在『シンペイ〜歌こそすべて』は映画の舞台となった長野は11月から、東京はじめ全国では1月から公開がスタート、ロングランヒットとなっている。本日より上映が始まったヒューマントラストシネマ有楽町で、主演の中村橋之助と企画・プロデュースを手掛けた新田博邦が登壇し、トークショーを行った。
 二人はお客様の支持を受け上映が続くことに感謝を述べながら、今まで話せなかった本作の誕生秘話に言及。
 この映画で初出演にして初主演を飾った橋之助だが、中山晋平の18歳から65歳までを一人で演じきっている。当初中年期以降は別の役者が演じる案もプロデューサー陣にはあったそうだが、橋之助自身からの「一人で演じ切りたい」という意見が採用されたのだという。
 新田は、橋之助の魅力について「セリフを感情込めていうことはもちろんだけれども、たとえば中山晋平が“先生!”と持て囃されながらレコード会社で堂々と歩くシーン、また芸者との艶っぽいやり取りなどは、この年齢で演じられる役者はそうはいないのではないか。長年歌舞伎の世界で育ってきた橋之助さんにしかできないシーンだったと思う」と考察。
 また、「いわゆる偉人伝にはしたくないと考えていた」と言う新田は、「田舎から出てきた真面目な男が、富と名声を得たらそれなりに変わってくるだろう」と考えていたというが、脚本には橋之助の意見も反映されたのだという。

 「新田さんから率直な意見を聞かせてほしいと言われて、(脚本の)準備稿をいただいた時に、“後半、物語が動かなすぎると思う”とお伝えしたんですね。監督もプロデューサー陣もその意見を取り入れてくださって。(芸者でのちの妻となる、中越典子演じる)喜代三とのシーンなどは、お客様お一人お一人が中山晋平の“人間らしさ”に心のどこかで共感していただけるような形になったと思う。まさに僕だけではなくて皆さんの力があって、映画っていうのはできていくんだなと痛感したところですね」と振り返る。

 「橋之助さんのファースト・シーンはお母さんが亡くなるシーンだったんだよね。かなりハードだったけど、ご本人はどう感じていたの?」と新田に問われた橋之助は「いやー大変でしたよ! 『映画ってエグいな…』と思いました(笑)」と初日にして映画撮影の洗礼を受けたことを明かしていた。

 スクリーンで見た時に、視線など細やかな橋之助の演技に改めて驚嘆したという新田の言葉に、橋之助は「それは緒形さんの影響ですね。最初撮影に入って1週間くらいは僕一人のシーンが多くて。その後緒形さんとご一緒した時に、『自分がカメラに寄られてるシーンの時はこうやって目線を使うんだな』とか『カメラのレンズからこういう位置に立つんだな』と、そこで初めて学んで。いわゆる晋平が40代以降になってからは、撮影も中盤だったので慣れてきたというのはありましたね」と、師匠・島村抱月を演じた緒形直人との撮影について振り返った。

 「僕は普段舞台に出ているので、5メートル先、その先の歌舞伎座全体のお客様に伝わるようにと演じることが多いですけれども、映画では細かいお芝居をたくさんできたのですごく勉強になりました」と、ほぼ初体験だった映像・映画撮影の実感を語った。

 また、本作の東京での公開タイミングでは浅草新春歌舞伎公演中だった橋之助だが、休演日には一人で映画館に足を運んだのだという。「芝居の良し悪しよりも、僕の顔がこの大きなスクリーンに耐えうるのかどうかが心配で……変な汗をかきました」と語ると会場からも笑いが。そして「帽子かぶってマスクして観に行ってたんですけど、知っている人が斜め前に座るんです……母でした(笑)」とまさかの邂逅を明かした。「休演日に父も観に行ってくれたようで。『俺に似すぎてて怖かった』と……」と言われたと明かし、会場を沸かせた。橋之助は「家族やお弟子さんら成駒屋一門の皆が映画を観に行ってくれ、率直に嬉しかった」と語り、一門の仲の良さを垣間見ることができた。

『シンペイ〜歌こそすべて』はヒューマントラストシネマ有楽町他全国ロードショー中。

公開表記

 配給:シネメディア
 絶賛公開中

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