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『光る川』第45回ポルト国際映画祭オリエントエクスプレス部門 最優秀作品賞受賞!

© 長良川スタンドバイミーの会

 3月22日よりユーロスペースにて公開の映画『光る川』(カルチュア・パブリッシャーズ配給)。
 本作は、『アルビノの木』『リング・ワンダリング』など国内のみならず海外映画祭でも多数受賞の異才・金子雅和監督の最新作。金子は、川や山といった圧倒的なロケーションと民俗学・美術等に裏打ちされた世界観により、現代人が忘れかけている自然への畏怖や人間の根源にある生命力を描き出す作風で国内外から注目を集めている。長編3作目となる『光る川』は、11月スペインで開催された第62回ヒホン国際映画祭でユース審査員最優秀長編映画賞を受賞している。
 本作では無垢な少年の眼差しを通し、現代化への分岐点となる高度経済成長期、そしてさらに昔、まだ人が自然への畏怖を持っていた時代が交錯して描かれる。少年が目撃する里の娘と木地屋の青年の関係性には、支配的な社会制度から解き放たれた世界へ向かおうともがくさまが描写され、疲弊する現代人への原点回帰的なメッセージが秘められている。
 物語の根幹を支える女性・お葉を演じるのはNETFLIX『シティーハンター』くるみ役で注目を集めた華村あすか。お葉との悲恋の相手・朔にNHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」でも話題の葵揚。物語の眼差しとなる少年・ユウチャとお葉の弟・枝郎を子役の有山実俊が一人二役で演じている。また、足立智充、山田キヌヲ、堀部圭亮、根岸季衣、渡辺 哲といったベテラン、そして『リング・ワンダリング』に続く出演となる安田 顕まで、多彩な顔ぶれが揃った。
 深く引き込まれそうな水辺、近寄りがたさすら感じさせる洞窟や滝、悠久の時を刻む山々の情景など、CG一切なしの神秘的な自然が物語を彩る大きな要素となっている。音楽は、細田守監督作品を手掛けてきた音楽家・高木正勝が書き下ろし、繊細に演奏している。

 この度、2月28日から3月9日まで開催の第45回ポルト国際映画祭のコンペティションに選出されていたが、オリエントエクスプレス部門 最優秀作品賞を受賞した。

 ポルト国際映画祭は、ポルトガル第⼆の都市であり世界遺産の街・ポルトで毎年開催される国際映画祭で、1981年創設。シッチェス・カタロニア国際映画祭、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭と共に、世界三⼤ファンタスティック映画祭と称されている。第45回となる今年は世界71ヵ国から⻑編・短編あわせ1800作品のエントリーがあり、その中から厳選された約100作品が2⽉28⽇〜3⽉9日の映画祭期間中、上映。『光る川』が選出されたファンタジー映画コンペティション部⾨は、同映画祭のメインコンペであり、過去のグランプリ受賞監督はデヴィッド・クローネンバーグ、ピーター・ジャクソン、ギレルモ・デル・トロ、ダニー・ボイル、デヴィッド・フィンチャー、ウォシャウスキー兄弟、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥなど世界の名だたる巨匠が名を連ねている。
 今回のオリエントエクスプレス部門は、同映画祭のファンタジー長編映画部門、および監督週間部門に選出されている作品の中からアジア映画の最優秀作品を競うコンペティションで、『あのコはだぁれ?』(清水 崇監督)、『ドールハウス』(矢口史靖監督)、『THE KILLER GOLDFISH』(堤 幸彦監督)など邦画や、台湾、マレーシア、中国、シンガポール、フィリピンの計16作品で賞が競われ、『光る川』が最優秀作品賞に選ばれた。本作は昨年11月に行われた第62回ヒホン国際映画祭でのユース審査員最優秀長編映画賞に続く受賞となる。

 金子雅和監督は「川を中心とした美しい街・ポルトで、川を舞台にした日本映画『光る川』が上映されたことにまずは大きなご縁を感じましたし、一種の“巡礼の旅”とも言える映画内容が、キリスト教三大聖地のひとつサンティアゴ・デ・コンポステーラへ至る巡礼路にあるポルトの皆さまに、しっかりと受容されている手応えを感じました。結果、本映画祭に選出されたアジア映画の最高賞、ジャンル映画ではないこの作品に最も相応しい賞を授けていただき、大変光栄です」と喜びを語っている。

公開表記

 配給:カルチュア・パブリッシャーズ
 3月22日(土) ユーロスペース他全国順次公開

(オフィシャル素材提供)

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