
コラージュアニメーション長編映画『ORLIK』(オルリック)が、2025年5月23日(金)より、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開することが決定した。併せて、ポスタービジュアル、予告編、場面写真が到着した。
現実と虚構が入り乱れ、時間軸すらも歪み迷路と化した物語が、阿鼻叫喚の”カットアップ・レトロアニメーション”で叩きつけられる。映画全体に爆薬を巻きつけたような、カテゴライズ不可能の問題作『ORLIK』がついに劇場初公開。
本作は、スチール等を切り抜き、それらを複雑に組み合わせることによって基本の映像を制作し、そこに動画化の技術、デスクトップ・アートの手法等を加えたコラージュ・アニメーション作品。フランスのヌーヴェル・ヴァーグに見られるジャンプカットも多用している。
監督を務めたのは、香港国際映画祭などでカルト的な評価を得た『LUGINSKY』(ルギンスキー)のhaiena(ハイエナ)。
今作『ORLIK』においてはヌーヴェル・ヴァーグや、アメリカン・ニューシネマへ想いを馳せる主人公・オルリックに監督自らの身上を投影し、失われた前時代の映画に鎮魂を捧げる。政府機関や反体制組織の思惑に翻弄される男の姿を通じ、戦争の不条理に対する強烈な風刺も盛り込んでいる。前例のないアニメーションのキャラクターには、舞台俳優たちが中心となり命を与えた。
“既存の演技法や感情表現を逸脱したかった”――オルリックの前に現れる登場人物はどれもこれも奇人であり、そもそも実在するのかどうかも不確かだ。その不安定な曖昧さを如何に演技へ落とし込むのか、試行錯誤の末、金子貴伸や黒崎純也らの尋常ならざる取り組み、創意の結果、2次元にも3次元にも、2.5次元にも属さない、新しい『怪演』が生まれた。真田うるは、真城あさひ、キクチカンキらを含め、“彼らでなければ今作を送り出す心持ちにならなかった”役者がそろった。
『地獄の黙示録』と『ニュー・シネマ・パラダイス』を混ぜ合わせ、ゴダールで仕上げたものが『ORLIK』だ。かつての映画を知る者には懐かしく、それらを知らない世代にはまったく新しく映るだろう。そして、社会がどれだけ腐敗し、世界が業火に包まれようと、目的を叶えようと煩悶する哀れな夢追い人の飽くなき執着、矛盾、生き様には誰もが熱にあてられるはずだ。これこそ、新世紀ヌーヴェル・ヴァーグ。







haiena監督 プロフィール
1977年生まれ、東京都出身。新潮社新人賞最終候補作に選出されるが文筆に挫折。音楽活動をしながら、職を転々。2019年、コラージュ作家ジャン・ピエール・フジイとJ&HFilmsを結成。第1作『LUGINSKY』が香港国際映画祭、ぴあフィルムフェスティバル、オランダ、カナダ、台湾、フィリピンにて入選、入賞。3年を経て再起のため肉体労働賃金と失業保険を以て『ORLIK』を制作。『ORLIK』は2023年、TAMANEW WAVE「ある視点部門」に入選、2024年、西湘映画祭にてグランプリを受賞。
公開表記
配給:ユーステール
2025年5月23日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
(オフィシャル素材提供)