
メジャーで大衆的な音楽映画が劇場で注目を集める中、2020年にシネマート新宿が突如放った真逆の裏街道企画。地下にうごめく数々の<アンダーグラウンドなロック・ドキュメンタリー映画>にスポットライトをあてる期間限定の特集上映、ロック映画のフェスティバル、それが〈UNDERDOCS(アンダードックス)〉。
この度、その〈UNDERDOCS〉がさらに地下深くから作品を掘り起こし、5年ぶりとなる〈UNDERDOCS2025〉を5月9日(金)より、地上6階に存在する地下世界、シネマート新宿にて開催することが決定! またあわせて、ポスタービジュアルも解禁となった。
この度解禁となったポスタービジュアルに写るのはシネマート新宿のスタッフ。
2024.12.31の21:00から2025.1.1の21:00まで24時間ノンストップ上映となった≪24時間モーターヘッド≫の激務で疲れ果てた際の姿だ。ハードコア・パンクバンド、マイナー・スレットのアルバム・デザインを彷彿とさせるビジュアルの構図は、米国ワシントンD.C.のインディー・レコード・レーベル、ディスコード・レコードのイアン・マッケイ氏によって承認され、ディスコードのアーカイヴに保存されることも決定している。
5年ぶりとなる〈UNDERDOCS2025〉の上映予定作品は、2022年に劇場公開され大ヒット、フランク・ザッパの圧倒的な独創性と革新的人生に迫った『ZAPPA』が3年ぶりに新宿で上映されるのをはじめ、切なく哀愁を帯びたメロディを殺伐とした轟音で包み込み絶大な支持を集め、現在も新たな音楽を生み出し続けているダイナソーJr.の『ダイナソーJr./フリークシーン』と、BLACK FLAGのレーベルSSTから1988年に発売した名盤「バグ」の全曲を演奏した2011年ワシントンD.C.でのライヴ『実演!バグ/ダイナソーJr.』、ロックの殿堂入りを果たしたジョーン・ジェットの半生に迫る『ジョーン・ジェット/バッド・レピュテーション』、辺り一面何も無い荒廃した砂漠の中でソニック・ユース、アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン、ミニットメンという奇怪な組み合わせがただひたすら演奏するという現代のバーニングマンやコーチェラフェスの原型を捉えた『デソレーション・センター』、オーストラリア・パンクを世界に知らしめた豪州のストゥージズ、レディオ・バードマンを描く『レディオ・バードマン/ディセント・イントゥ・メールストロム』、90年代エモコアに多大な影響を与え近年再始動を果たしたジョウブレイカーの『ジョウブレイカー/ドント・ブレイク・ダウン』。さらにセックス・ピストルズ初のアメリカ・ツアーを追ったパンク・ドキュメンタリー映画の最高傑作『D.O.A.』、究極の破滅型ボーカリストとして世界にその名を轟かせた夭逝のパンクロッカー、GGアリンと、残された家族の信頼と絆を描いた『ジ・アリンズ 愛すべき最高の家族』、そしてマイナー・スレットやバッド・ブレインズほか1980年代の米ワシントンD.C.ハードコア・シーンに迫る『サラダデイズ SALAD DAYS ディレクターズカット』。さらにはUNDERDOCSに日本のバンドが初参戦。何処を探しても何処にもない、その音楽性と佇まいに言葉が追いつかない、魅力が言語化不能なバンド、ファウルのドキュメンタリー『fOUL』、1986年札幌で結成、国内外で大きな影響をおよぼした孤高のバンド、ブラッドサースティ・ブッチャーズのドキュメンタリー『kocorono』、わずか3年間の活動ながらも海外にその名を轟かせたMADE IN JAPANの世界標準ROCKクレイジー、ティーンジェネレイトのドキュメンタリー『GET ACTION!!』が上映、全13作品となった。
巨大な商業的成功をおさめるアーティストたちの音楽映画が賑わうなか、この企画はその真逆を行く、裏街道まっしぐらな地獄の上映となる。
上映作品(全13作品)
『ZAPPA』

圧倒的な独創性で音楽史上最大規模のディスコグラフィを築き上げ、数多くのミュージシャンに影響を与えたアメリカの曲家、編曲家、ギタリスト、ロック・ミュージシャンであり、あらゆる芸術における先駆であったフランク・ザッパの革新的な人生に迫ったドキュメンタリー。数千時間にも及ぶ初公開のアーカイブ映像など膨大な量の資料・素材を通し、商業的な成功とは別次元の世界を生きた彼の音楽キャリアとその背後にある私生活を探求。一般的には狂気の変人というイメージであったザッパの知られざる人間性と芸術への真摯なアプローチを浮き彫りにし、伝説的アーティストの妥協なき精神を描き出す。監督のアレックス・ウィンターは『ビルとテッドの大冒険』シリーズでキアヌ・リーブスとともに主演を務めたことでも知られる俳優で、『ミュータント・フリークス』など映画監督としても活動する。

(2020年|アメリカ|129分|原題:ZAPPA)
監督:アレックス・ウィンター
出演:ブルース・ビックフォード/パメラ・デ・バレス/バンク・ガードナー/デイヴィッド・ハリントン /マイク・キニーリー /スコット・トゥニス /ジョー・トラバース /イアン・アンダーウッド/ルース・アンダーウッド/スティーヴ・ヴァイ/レイ・ホワイト/ゲイル・ザッパ
『ダイナソーJr./フリークシーン』

切なく哀愁を帯びたメロディを殺伐とした轟音で包み込む、アメリカン・オルタナティブ・ロックの核をなしたバンド、ダイナソーJr.初のドキュメンタリー映画。80年代 USハードコア/パンクの直撃を受けた面々によって1984年、マサチューセッツ州で結成されたバンドの歴史を、オリジナル・メンバーであるJ・マスキス(G./Vo.)、ルー・バーロウ(B.)、マーフ(D.)の三人の関係性にフォーカスしながら貴重な過去のフッテージを交えて描く。80年代末から90年代にかけてオルタナティブ・ロックという巨大な渦の中心にいたダイナソーJr.の約30年にわたる心情と佇まい、音楽をタイトに、丁寧に、誠実に描いた本作は、同時に人間の成長と友情の在り方も映し出すものとなった。バンド自身が製作に関わったバンド公式の映画作品。

(2020年|ドイツ=アメリカ合作|82分|原題:FREAKSCENE the story of Dinosaur Jr.)
監督:フィリップ・ロッケンハイム
出演:ダイナソーJr.(J・マスキス、ルー・バーロウ、マーフ)、キム・ゴードン(ソニック・ユース)、ヘンリー・ロリンズ(ブラック・フラッグ)、ボブ・モールド(ハスカー・ドゥ)、サーストン・ムーア(ソニック・ユース)、フランク・ブラック(ピクシーズ)、ケヴィン・シールズ(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)、ソニック・ブーム(スペースメン3)、マット・ディロン
『実演!バグ/ダイナソーJr.』

あまりにも有名なBLACK FLAGのレーベルSSTから1988年に発売した名盤、3rdアルバム「バグ」の全曲を演奏した2011年6月のワシントンD.C.・9:30クラブでのライヴ。

(2012年|アメリカ|62分)
監督:デイヴ・マーキー
出演:ダイナソーJr.(J・マスキス/ルー・バーロウ/マーフ)、ヘンリー・ロリンズ、マイク・ワット、キース・モリス、イアン・マッケイ
『ジョーン・ジェット/バッド・レピュテーション』

2018年サンダンス映画祭正式出品。70年代末に日本で大ヒットしたガールズバンド、ザ・ランナウェイズの元中心メンバーであり、<ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ>としてソロ活動を続け、2015年にはロックの殿堂入りを果たした、女性ギタリストでありロックンロールの象徴ともいわれるジョーン・ジェットの半生を描いたドキュメンタリー映画。

(2018年|アメリカ映画|95分|原題:BAD REPUTATION)
監督:ケヴィン・カースレイク
出演:ジョーン・ジェット、ビリー・ジョー・アームストロング(GREENDAY)、デビー・ハリー(BLONDIE)、マイケル・J・フォックス、イアン・マッケイ(FUGAZI)、イギー・ポップ、マイク・ネス(SOCIAL DISTORTION)、ピート・タウンゼンド(THE WHO)、マイリー・サイラス、クリステン・スチュワート
『デソレーション・センター』

米国の砂漠地帯で行われている巨大フェス、コーチェラ・フェスティバルやバーニングマンの元祖であり、1980年代に初めて南カリフォルニアの荒廃した砂漠で実施されたライヴイベント、<デソレーション・センター>の知られざる模様を貴重な映像とともに追ったドキュメンタリー映画。LAパンクの面々のほかソニック・ユース、さらに日本では映画『半分人間』(石井聰亙監督)で知られるインダストリアルミュージックの重鎮ノイバウテンが参戦、凄まじい奇天烈なライヴを繰り広げる。

(2018年|アメリカ映画|93分|原題:DESOLATION CENTER)
監督:スチュワート・スウィージー
出演:SONIC YOUTH、MINUTEMEN、MEAT PUPPETS、SWANS、REDD KROSS、EINSTURZENDE NEUBAUTEN、SRL、SAVAGE REPUBLIC
『レディオ・バードマン/ディセント・イントゥ・メールストロム』

1974年結成、オーストラリアのパンク・ロックバンド、レディオ・バードマンの歴史を網羅。セインツと並びオーストラリア・パンクを世界に知らしめ、ストゥージズの荒々しさとラモーンズのシンプルさをミックスしてオーストラリア特有の哀愁のメロが印象的な、現在も熱狂的フォロワーがいる重鎮。

(2018年|オーストラリア映画|109分|原題:DESCENT INTO THE MAELSTROM)
監督・製作・編集:ジョナサン・セクエラ
出演:RADIO BIRDMAN
『ジョウブレイカー/ドント・ブレイク・ダウン』

1986年~1996年まで活動、ニューヨーク出身のバンド、ジョウブレイカーの軌跡を追ったドキュメンタリー映画。90年代に拠点をサンフランシスコに移し、インディーズバンドとして絶大な支持を集めるも、1995年、メジャーレーベルのGeffenからアルバムを発表、凄まじいバッシングを受けて翌年解散、この顛末がすべて描かれている。監督・プロデューサーは『ミニットメン:ウィ・ジャム・エコノ』(2005年)のチーム、ティム・アーウィン&キース・スキエロン。

(2019年|アメリカ映画|77分|原題:DON’T BREAK DOWN:A FILM ABOUT JAWBREAKER)
監督:ティム・アーウィン、キース・スキエロン
出演:JAWBREAKER、ビリー・ジョー・アームストロング、スティーヴ・アルビニ
『D.O.A.』

70年代末、イギリスを中心に世界的に吹き荒れたパンク・ムーブメントのコアであり、世界で最も過激だったバンド、セックス・ピストルズ初のアメリカツアーを中心に、デッド・ボーイズ、シャム69、ジェネレーションXなど、当時絶頂期を迎えていた様々なバンドを追ったパンク・ドキュメンタリー映画の最高傑作。アメリカでの異様ともいえる熱狂の中での、観客との暴力沙汰、ベースで殴りかかるシド、極限まで張り詰めた緊張感と毒々しい空気。そしてなんといっても、ドラッグ漬けでまともに話さえできないシドとナンシー・スパンゲンの貴重なヘロヘロのインタビューを収録。

(1980年|アメリカ映画|93分|原題:D.O.A.: A Rite of Passage)
監督・製作・脚本:レック・コワルスキー
出演:SEX PISTOLS、GENERATION X、THE CLASH、THE DEAD BOYS
『ジ・アリンズ 愛すべき最高の家族』

究極の破滅型ボーカリストとして世界にその名を轟かせた夭逝のパンク・ロッカー、GGアリンと、残された家族の信頼と絆を描いたドキュメンタリー。ライブで大流血、汚物散布、全裸で逃走するなど狂気の大スペクタクルで「ロック史上もっとも見事な変質者」GGアリン。93年にヘロインの過剰摂取で急逝してからは、世界中のファンが追悼で墓を訪れては汚物を撒いて帰っていく。『メイキング・オブ・ドッグヴィル 告白』のサミ・サイフ監督がメガホンを取り、GGのバンド「THE MURDER JUNKIES」のメンバーだった兄マールがGGの破滅的なロックンロール魂を受け継ぎ音楽活動や汚物アートを続けようともがく様子や、子どもたちを温かいまなざしで支え続ける母親アリータの姿。二人がたくましく強く生きる模様を、誠実かつ優しいトーンで描く感動作。

(2017年|デンマーク|74分/R15+|原題:THE ALLINS)
監督:サミ・サイフ
出演:アリータ・ベアード、マール・アリン、GGアリン(アーカイヴ映像)、THE MURDER JUNKIES
『fOUL』

燃え滾るギター、奮い立つベース、畳み掛けるドラム。何処を探しても何処にもない、その音楽性と佇まいに言葉が追い付かない、魅力が言語不可能なバンドfOULが、遠慮なく大さらけ出しのライヴを展開する。

(2021年|日本|99分)
監督:大石規湖 出演:fOUL(谷口 健、平松 学、大地大介)
『kocorono』

1986年札幌で結成、日本屈指のロックバンドとして君臨し続けたbloodthirsty butchers。退路を断ち、ロックに身を捧げることを選択した個によって成り立つ特別な運命共同体=バンドの、存在し続けることの奇跡を描く。

(2010年|日本|116分)
監督:川口 潤
出演:bloodthirsty butchers(吉村秀樹、射守矢雄、小松正宏、田渕ひさ子)
『GET ACTION!!』

ワカリマスカ? R&R!! 活動期間わずか3年(93年-95年)、MADE IN JAPANの世界標準ROCKクレイジー、TEENGENERATE(ティーンジェネレイト)の短くも太い凄絶な足跡。

(2014年|日本|99分)
監督:近藤順也
出演:TEENGENERATE(Fink、Fifi、Sammy、Suck、Shoe、Greg)
『サラダデイズ SALAD DAYS ディレクターズカット』

米国の首都ワシントンD.C.における80年代のDIYパンク・シーンに焦点を当て、その音楽やスピリットがいかに後世の音楽に強力な影響力を持つことになったのかを突き詰める。

(2024年|アメリカ|101分|原題:SALAD DAYS: A DECADE OF PUNK IN WASHINGTON, DC(1980-90))
監督:スコット・クロフォード
出演:イアン・マッケイ(マイナー・スレット/フガジ)、ライル・プレスラー(マイナー・スレット/ミートメン)、ブライアン・ベイカー(マイナー・スレット/ダグ・ナスティ)、ジェフ・ネルソン(マイナー・スレット/ティーン・アイドルズ)、スティーブ・ハンスゲン(マイナー・スレット/セカンド・ウィンド)
UNDERDOCS2025
5月9日(金)~5月22日(木) 躊躇なく、連日上映
会場:シネマート新宿
協力:キュリオスコープ
主催:シネマート新宿/フリークスムービー/キングレコード
UNDERDOCS公式X:https://x.com/UNDERDOCSJP(外部サイト)
(オフィシャル素材提供)