
登壇者:梨(怪談作家)、近藤亮太(映画監督)
司会:西川亮(DVD&動画配信でーた編集長、PRESS HORROR編集長)
デミ・ムーア完全復活! 第97回アカデミー賞®では主演女優賞含む5部門にノミネートされたほか、本年度賞レース主演女優賞を次々と受賞! 今最もHOTな超話題作『サブスタンス』(5.16公開)。その先行“接種”上映トークイベントが4月23日に都内映画館で実施され、『かわいそ笑』(イーストプレス)などで知られ、インターネット上で主に活動する令和時代を代表する怪談作家・梨、TXQ FICTION「飯沼一家に謝罪します」演出のほか、映画『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』で知られる近藤亮太監督がディープな感想トークを繰り広げた。
チケット発売後に、即完売となったこの日のイベント。すでに複数回本作を鑑賞したという梨は、劇中でも重要アイテム(!)となる、口紅が強烈に強調された“デミ・ムーア”お面をかぶっての登場。本編を鑑賞したばかりの観客を前に、『サブスタンス』について「今年観た映画の中で一番好き!」「気づいたらラスト30分は立ち上がって観ていた。最後は一人スタンディングオベーション。私が8回転生しても生み出せない物語だと思う」と絶賛。

また、近藤監督も「ビックリするくらい面白い映画だった。ストーリーの設定だけ聞くとベーシックだけれど、思っていた以上に大変なことになり、かつ期待したモノがそのままある。ビジュアルも含めて想像を遥かに超える阿鼻叫喚。ぼくが観た試写室も、ラスト30分に大爆笑に包まれていた。これは相当に珍しい現象です」と大興奮だったことを報告。

梨が目を見張ったというのは、冒頭の<卵>を使用した“サブスンタンス”効果説明映像。「あの説明動画が物語の全てを象徴している。生物が生まれるための栄養源である卵が、注射器という遺物の挿入によって再生産されるという。ホラーとは思えぬ導入が妙にしっくり来た」と感嘆。

近藤監督は「冷静に考えると荒唐無稽な話で、リアルさとは縁遠くて無理があるはずなのに、何故か『確かにな……』と納得する自分がいた。それはキャラクターの心情や状況描写の丁寧な積み重ねとバリエーションの豊かさがあるからで、気づいたらこちらの感情も乗っているのだから不思議」と述べると、梨も「映画を観ていない人に本作の粗筋を説明すると、こっちがおかしな人だと思われる!」と会場の観客を笑わせた。
デミ・ムーアのかつての人気ぶりをリアルタイムで知る近藤監督。「キラキラした時代のデミ・ムーアを知っている分、本作で演じたキャラクターの持つ“現役ではない感”が、御本人と重なってるかのように見え、そのような表現をデミ・ムーアがしているのも凄い」と並外れた俳優魂をリスペクト。「対する<若さパワー>が溢れ切っている状態を演じたマーガレット・クアリーも、一世一代の当たり役を今このタイミングで出会えているのが良い」とベストな配役だと唸る。

2000年生まれの梨は1980〜90年代のデミ・ムーアの活躍を全く知らなかったと言いながら「デミ・ムーアはこのようなジャンルでずっとやってきた人なのかと思ってしまうくらい、いい意味で老獪な演技の名ベテランだと思っていた」「鑑賞後にいろいろと調べたら、彼女の持つアイドル的キャリアに驚愕しました」と、サブスタンスで魅せた圧倒的演技力と、それまでのキャリアの評価との差に驚いたことを告白。

そんな梨は本作を「R-15の作品なのですが、できれば高校を卒業するまでに観て欲しい」「ぜひ衝撃を受けて」と今の若い世代にこそ見てほしい映画であり、刺さる映画であると明言、同時に「老いることの怖さ、周囲から良く見られたいという願望は誰しも持つもの」「どこにも救いの要素はないのに、何故か楽しく観れるという恐ろしさ。私は爽やかに絶望しました」と分析しながら猛プッシュ!
近藤監督も「この作品はアクティベーター映画です」なぜなら「観終わった時に、今が一番若い!という前向きな気持ちになって、いろいろと頑張ろうと思えるから。『サブスタンス』を観たら元気になるはず」とそれぞれの言葉で作品の圧倒的な個性と魅力をプッシュした。

美への執着と、成功への渇望がせめぎ合い、やがて狂気が侵食していく――脳裏に焼きつくヤバすぎるラスト・シーンから、一度見たら逃れられない! 想像のはるか先で暴走する<狂気のエンタテインメント>は5月16日(金)に公開! ぜひご期待いただきたい。
公開表記
配給:ギャガ
5月16日(金)全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)